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「オフィシャル・ゾンビ」10

オフィシャル・ゾンビ
ーOfficial Zombieー

オフィシャル・ゾンビ 10

 これまでのおおざっぱないきさつ――
 ある日いきなり人外の亜人種である〝ゾンビ〟の宣告をされてしまったお笑い芸人、鬼沢。おなじくゾンビにして、その公式アンバサダーを名乗る後輩芸人の日下部によってバケモノの正体を暴かれ、あまつさえ真昼の街中に連れ出されてしまう。
 そしてその果てに遭遇した、おなじくゾンビだというベテランの先輩お笑い芸人、ジュードーコバヤカワには突如として実地訓練がてらの実戦バトルを強要され、初日からまさかの〝ゾンビ・バトル〟へと引きずり込まれてしまうのだった…!

 苦戦の末に一時は優位に立った思われた鬼沢だが、直後に思いも寄らない反撃に遭い、およそ予想だにしない能力と真の姿をあらわにしたコバヤカワの脅威にさらされることになる…!!

  やたらに威勢の良いオヤジのがなりと共に、コバヤカワの周囲にもくもくとした白い煙幕みたいなもやが立ちこめる。

 間近で見ていてよもやこれもあの異様な悪臭を放つのか?とタヌキの姿の全身が思わず総毛立つ鬼沢だったが、幸いにもイヤなニオイらしきはないのにホッと胸をなで下ろす。

 先の生々しい経験がすっかりトラウマと化していた。

 ただし見ているさなかにも中年のオヤジの身体はまったく別の何かへとカタチを変えていくのだ……!!

 結果、なんとも形容のしがたい複雑怪奇な出で立ちをさらけ出すベテラン芸人に、自身も中堅どころの芸人である鬼沢はこのタヌキの顔面が驚きで目がまん丸になる。

 かなり特殊な見てくれをしているのでひょっとしたらアレなのではとある程度の予想がついたりするが、認めたくない思いがそれをはっきり言葉にするのをためらわせた。

 もしそうだとしたらあんまりにもヤバイし、その旨、ベテランの先輩相手に突っ込むのもかなり気が引けた。

「う、さっきのあの強烈なニオイって、ま、まさか、そんなことはないよね? コバヤさん、俺の勘違いならいいんだけど、ひょっとしてそれって……うそでしょ??」

 嘘だと言ってほしい願う後輩の願いもむなしく、真正面で仁王立ちする先輩はきっぱりと大きくうなずいて断言してくれた。

「おうよ、見ての通りじゃ!! この全身を渋い黒でまとめたかっちょいい毛並みに、背後で雄々しくそり立つ巨大なシッポ! おまけに代名詞のくっさい屁はおのれもその身をもって体験済みやろう? これぞまごうことなきスカンクのゾンビさまよ!! どうやっ、恐れ入ったか!? だが鬼沢、おのれがびびるのはこれからやぞ!!!」

 少しも照れるでもなくぶちまけられたぶっちゃけ発言に、内心でどん引きする鬼沢はひいっと悲鳴が漏れる。

「う、うそでしょう!? スカンクだなんて!! そんなのもアリなの!? それじゃさっきのってほんとにおならで攻撃されてたんだ! 冗談なんかじゃなくって!! なんだよコバヤさんっ、いくら先輩でもこんなのタチが悪すぎるよ!!」

 見知ったはずの後輩芸人の心からの抗議と嘆きに険しい表情のスカンク、芸名がジュウドーコバヤカワだなんて冗談そのもののオヤジが真顔で返してくれる。

本文テキストとイラストは随時に更新されます!

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「オフィシャル・ゾンビ」④

  オフィシャル・ゾンビ
  ーOfficial Zombieー

-さいしょのおはなしの、つづきの3-


 シーン……!

 あたりは静けさに包まれていた。

 おおよそ二時間後、相変わらずそこだけ人気のない某テレビ局のフロアに一仕事終えて戻ってくる坊主頭のタレントさんだ。

 マネージャーくらいは待ち構えてるものかと思っていたのが、肩すかしを食らってため息交じりに楽屋の扉に手をかける。

「はあっ……えっと、この後ってなんか入ってるんだっけ? いや、これで今日はもうおしまいだったような気が……あ」

 この後のスケジュールを頭の中でうんうんと思い返しながら、ガチャリと何の気も無しに開けたはず扉の向こう、その何の気も無しに見た楽屋の景色にそこが異常事態だったことを思いだす。

 まざまざとだ。

 はじめそれが何かまったく理解できないままにその場に釘付けで、しばしそのさまを見つめてしまった。

 結果、およそ10秒くらはそのままの姿勢で固まって、ただちに喉の奥から乾いた悲鳴みたいなものを発する芸人さんだ。

「ひっ、あ、あああああっ、なんかいる!? な、なんだアレ? ちょっと待てよ、さっきまでここにいたの、日下部だよな? おれとおんなじお笑い芸人の? あいつどこ行ったんだ?? そして何よりアレはなにっ!?」

 完全にのけぞって入りかけた出入り口から大きくこの上体を反らしてしまうが、足がすくんでそれ以上は動けなかった。

 本来ならばそれこそが大声を上げてその場から逃げ出してしまうところなのだが……!

 それまでの複雑ないきさつがあって、それもままならないと泣きそうな顔でおそるおそるにまた部屋の中をのぞき込む。

 やっぱりいた。何かが……!!

「なにアレ、なんだよアレ? ひとの楽屋で何やってんの!? 不審者どころの騒ぎじゃないじゃん! バケモンじゃん!!」

 何か得体の知れないものが部屋の奥に陣取っているのをまじまじと凝視する鬼沢は、それが何なのかまったく理解できないままにひたすらに考えを巡らせた。

「に、逃げたほうがいいよな? スタッフなんて呼んでも誰も来てくれないだろうし、来たってあんなのどうにもならないし! ほんとになんなのっ!? お、俺、知らないぞっ、なんか寝てるみたいだし、のんきにひとの楽屋で! 日下部もきっと逃げたんだよな? それじゃ俺もとっとと……」

 ゆっくりと扉を閉ざして何も見なかったことにしようとする中堅の芸人は、閉める寸前でまたひきつった顔で中をのぞき込む。

 その顔面全体に絶望の暗い陰が落ちた。

「……ダメだ。大事な荷物、部屋の中に置いたままだった。てか、あのバケモンがしっかり抱えてるじゃん! 俺のトートバッグ!! なんでだよ!? あの中にお財布とかスマホとか貴重なもの全部入ってるから、なくしたりしたらかみさんに怒られちゃう。へそくり用の内緒の通帳とハンコとかも入れてたっけ??」

 頭を抱えてこの世の終わりみたいな巨大な絶望感にさいなまれる三十代半ばのおじさんだ。

 人影のない廊下を見回して、仕方も無しに単身で立ち向かうべく正体不明の存在が居座る楽屋にそろりと足を踏み入れる。

 幸い相手は寝ているみたいだからどうにかバッグだけ奪取してこの場を逃げ去ろうと土足のままで畳に上がり込む。

 なんだかよくわからないでかくておまけ人型の何者かは、耳を澄ませばかすかな寝息みたいなものを立てているようだ。

 ひとの楽屋でふざけた話だが、なぜだかすっかり就寝中なのをいいことにこのバカでかい頭からつま先までをしげしげとガン見してやる鬼沢は、困惑も極致のさまで声を震わせる。

「ひっ、なんだこれ? クマ? 犬? ネコ……じゃないよな? いやいやっ、でかさで言ったらたぶんクマだけど、こんなの見たことない! ありえないよ、ほんとにバケモノとしか言いようがないじゃないかこんなの、寝ている、んだよな? くそっ、返せよ、ひとのトートバッグ! く、もうちょいっ……!」

 不自然な前屈みの姿勢で、目の前のいかつくて毛むくじゃらでおまけ丸太のように太い二本の腕でしっかりとホールドされたバッグの取っ手までどうにか指先を伸ばしてこれを掴むものの、ちょっと力を込めたくらいではビクともしなかった。

 完全に一体化している。

 もはやバッグは諦めて、この中身を救出するのが賢明かと取っ手てから内側に手を入れかけて、だがそこで何かしらの視線みたいなものを感じてふと目の前へと顔を上げる鬼沢だ。

「……あっ」

 正体不明のクマだかなんだかと思い切りにこの目線が合って、それきりフリーズしてしまう芸歴10年オーバーの芸人さん。

 リアクションが取れないことを責めるのはやはり酷だろう。

 完全に思考が停止していたが、謎のクマ(?)が不意にその大きな口をがばりと開いたのには飛び上がって悲鳴を上げる。

 コンマ1秒とズレのないさすがのリアクションだった。

「ひゃあああああっ! ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、ごめんなさあいっっ!! おいしくないからどうか食べないでえええええっ!!! ……あれ?」

 足がもつれてその場に尻をついてしまうのだが、一度大口を開けた相手がそれきりきょとんとしたさまでこちらを見ているのには、こちらも不可思議に見返してしまう。

 どうやらさっきのはただの大きなあくびだったらしいことに今になって気づく鬼沢だ。

 そのさなかにもでっかいクマのバケモノはのっそりとした動作で仰向けで寝ていた身体をよっこらと起こして立ち上がった。

 やっぱり、でかい……!!

 見上げる鬼沢はひたすらぽかんとしたさまで開いた口がふさがらない。
 そのさまをやはり覚めたまなざしで見下ろすバケモノは、野太いうなり、もとい声で何事かのたまうのだった。

 そう。

 びっくりしたこと、ひと、人間の言葉をだ。

 目が点になる中堅芸人は頭の中が余計に真っ白になった。

↑日下部の亜人(ゾンビ)化した状態の姿のイメージです。とりあえずこんなカンジのカラーリングを考えています。ちなみにOpenSeaではこの他のカラーパターンもお安くNFT化して公開、販売中です(^^) 画像にリンクあり♥

「……ああ、もう終わったんですか、収録? お疲れ様でした。なんだかひどく慌ててるみたいでしたが、何かあったんですか? 収録で滑り倒したとか??」

「は? え、ええ?? なんで喋れるの、ひとの言葉? て、ま、まさか……おまえ、日下部か???」

 鳩が実際に豆鉄砲くらったらきっとこんな顔をするんだろうみたいな絶妙な表情でおそるおそる聞く鬼沢に、どうやら日下部らしきクマのバケモノは大きな頭をただちにはいとうなずかせた。

 当たり前みたいな調子でまたひとの言葉を吐いてくれる。

 見た目、完全なクマのバケモノが。

「はい。いやだって、他に誰がいるって言うんですか? ここで待っていると言ってたじゃないですか、おれ。何をそんなに驚くことがあるんですか?」

 いかにも不思議そうに太い首を傾げるのに、だが全身が総毛立つ鬼沢はおよそまともなリアクションの取りようがない。

 傍から見ていてもパニック必死の光景だった。

「な、なっ、ななな、なんだよそれ、ふざけてるだろ? なんかのドッキリだったりするのか、でないと納得のしようがない!」

 完全に腰が抜けてその場に脱力したきり、途方に暮れるお笑い芸人だ。こんな困惑することしきりの先輩に、後輩のお笑いタレントはにべない調子で言ってくれる。

「ドッキリじゃないですよ。だってこんなの放送コードに引っかかるでしょう? コンプライアンス的にも、完全アウトじゃないんですかね、いくらこのおれがオフィシャルなゾンビのアンバサダーでも?? 本来は人目に触れさせちゃいけない姿ですから」

「本来はって、ほんとに日下部なのか? どうして?? どう見たってそんなの……お化けじゃん」

「ま、ものは言いようですよね? 話を円滑に進める以上やむなくこうしてこの姿をさらしているわけですけど、アンバサダーの性格上、この姿で活動することもままあるんですよ? もちろん、それは鬼沢さんも同様です……!」

 目を白黒させるばかりのお笑い芸人に、こちらもお笑い芸人にしてクマのバケモノはみずからの太い手を差し出してくる。

「そのままじゃあれですから、どうぞ立ち上がってください。対等な立場でお話しましょう。なんならお茶でも飲んで?」

「あ、え、いや、何も喉を通らないよ。あ、ありがとうっ、おまえ、すごいな、ほんとに日下部なのか? はあ、ゾンビ、だったっけ?? いやはや、こんなことになっちゃうんだ……」

「あいにくちゃんと生きていますけどね。ピンピンしてます。それでは早速、お返事聞かせてもえらますか? 鬼沢さん、このおれと一緒に、オフィシャル・ゾンビのアンバサダーになってもらえますよね? 見ての通りでおれはここまでさらしています。だから鬼沢さんも……」

 まじまじと相手の姿を見つめて暗い顔つきになる鬼沢は、苦い目つきをよそへと投じる。それから嫌々でまた目の前のバケモノ、もとい日下部に向き直って、言えることだけを言った。

「なんだよ、もう……いや、それよりまずは俺のトートバッグ、返してよ。さっきからずっと握りしめてるけど、お前に預けたような覚えはありゃしないぞ? だから、れっきとしたブランド物なんだからな! おいっ、返せよ?」

 利き手の逆でしっかりと保持したままの私物の所有権を主張してやるに、相手は聞く耳持たないとばかりに黙り込む。

 さながら人質にしているみたいにだ。

 眉間に深い縦ジワが寄る先輩芸人はいっそ力ずくで取り返してやりたい気分だが、やるだけ無駄なのを察してため息と舌打ちまじりに言った。ほんとに嫌々でだ。

「はあっ、ち、わかったよ! なるよ、なればいいんだろう、アンバサダー! なんのことかさっぱりだけど、あと今のおまえもわけがわかんないけど、なればいろいろと保証してもらえるんだろ。ちゃんと責任取れよな! あと返せ、俺のバッグ!!」

 憮然とした顔で右手を差し出すのに、するとこれにはすんなりと私物のバッグが突き返されてくる。見上げるクマは満面の笑みであるのがわかるがそれがまたおっかなかった。

「あは、良かったです! もうちょっと強硬な手段を取らないとダメかと思っていたんですけど、さすがは鬼沢さん、世間一般のイメージと一緒でとっても物わかりがいいひとです」

「おい、さんざん脅して人質まで取っていただろう? 中身、元のまんまだよな? 一応確認するから、あっち向いてろよ」

「見られちゃまずいものでも入っているんですか? 興味ないから見やしませんよ。どうせこの場におきっぱで、後から来るマネージャーさんに回収してもらうんですから、意味ないです」

「は? なに言ってんの?? て言うか、おまえが言うアンバサダーってそもそも何?? 何すればいいの?? 俺、こう見えてわりかし売れっ子のタレントだから、そんなにヒマなんてありゃしないよ?」

「わあ、うらやましいですね、そういうのしれっと言ってのけられちゃうの! さすがは鬼沢さん。でも心配ないです。時間はちゃんと都合を付けてもらえますから。アンバサダーがらみの案件が入った場合は、ギャラはむしろアップしますよ。仕事も代わりのひとが担ってくれますし。昨今のコロナの都合でその手の対応はみんなお手の物でしょう」

「は~ん、事務所も局もきっちりと現場対応してくれるんだ? まさかダマでは無理だもんな、こんなわけがわからないこと! て言うかさ、おまえ、ほんとに何がどうなってそんなことになってるんだよ?」

「ああ、まあ、それはこれからわかることです。イヤでも。ええっと、そうだ、まずはアンバサダー就任の特典の付与からいきましょうか? では、はい!」

「は? なにこれ?? これっておまえのあの例の輪っかだろ? もらえんの??」

「違います。特典を交付するのにこれが必要なだけです。つまりは、こういうことですね……!」

「は??」

 いまだ他に人気のないフロアと楽屋で、おじさんとバケモノのドタバタはさらなる混迷を深めることとなる。

 哀れ中堅お笑い芸人の明日はいかなるものが待ち受けるのか?

        ※次回に続く……!

  ※第一話はこちら↓


 

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ルマニア戦記/Lumania War Record #012

#012

NFTアートはじめました!!

OpenSeaで昨今はやりのNFTのコレクションを公開、こちらのノベルの挿絵などをメインにアートコレクションとして売り出していきます! NFTアートと併せてノベルの認知向上を目指していきます(^^) 世界に発信、まだ見ぬ需要を掘り起こせ!!

 Part1

 公海上の上空を最大戦速で駆け抜けた大型の巡洋艦は、やがてその速度を落として目標のXゾーン、戦況が混乱した戦闘海域もこの最深部へと突入する。

 試験運用も兼ねた主力エンジンの回転出力を落とすと艦内にやかましく響き渡ったうなりと振動も一段落する。

 これにより無機質な電子音が鳴り響くブリッジにオペレーターの声が響くのが頭上のスピーカー越しにもそれと聞き取れる。

 みずからのアーマーのコクピットのパイロットシートに腰を据える大柄なクマ族のパイロットは目を閉じたまま耳を澄ました。

「本艦、ただいまより当該の戦闘空域に突入! 全方位索敵、高度500、エンジン出力50に低下、安定状態、周囲の状況にこれと目立った変化は見当たりません!」

「…うむ。高度そのまま、全艦第一次戦闘待機から完全臨戦状態に移行。取り舵20、微速前進、周囲の警戒を怠るな!」

「了解! 全艦に通達、本艦はただいまより戦闘状態に突入、各自の持ち場にて任務の遂行をされたし。繰り返す、本艦は戦闘モードに突入、各自、周囲の警戒を厳にせよ!!」

「全艦フル・モード! 艦長、メインデッキ、アーマー部隊、第一、第二、いずれも発進準備OKです!」

 すっかりと聞きなじんだ声の中に、会話の最後のあたりではじめて耳にするようなものが混じったが、新しく艦に乗艦した副官の犬族のものだと察するクマ族の隊長だ。

※LumniaWarRecord #012 illustration No.1 ※ OpenSeaのコレクション「LumniaWarReccord」にてNFT化。ちなみにポリゴンのブロックチェーンです(^^) イラストは随時に更新されます。

「はは、こんな声してたんだ。なんかまだ堅い感じだけど、さては緊張してるのかな? 見た目まだ若い士官さんだったもんね。それじゃこっちもまだ若い新人のパイロットくんたちは、やっぱり緊張してたりするのかな?」

 目を閉じたままに離れた別のメインデッキで待機している新人の部下たちに聞いてみる隊長だ。

 いきなりの振りにこれとはっきりした返事はなかったが、ごくりと息を飲むような気配が伝わってそれと了解する。

 余計な軽口はプレッシャーになるだけだろう。
 実戦を前に自分のことでおよそ手一杯なのだから。

 それでいいやと納得していると、頭上のスピーカーから重々しげな声が届いてくる。

「皆、聞いているな? こちらは艦長のンクスだ。第一小隊、ベアランド少尉、用意はいいか? 先行する君たちの部隊に今回の戦闘はすべて任せることになる。アーマーがまだ手薄な都合、第二小隊は艦の護衛に残しておかねばなるまいからな」

 ベテラン軍人の不景気な声色にこちらはしたり顔してうなずくクマ族だ。肩を揺らしてハッハと笑った。

「あはは! 了解。ぼくらやってることはイタチごっこかモグラたたきみたいなもんだもんね? 終わりが見えない持久戦じゃ戦力しぼっていくしかありゃしないよ。第二小隊のシーサーが我慢できたらの話だけど♡ そっか、あっちも隊員が補充されたんだっけ? まだ見てないんだけどなあ…」

 ちょっと太い首を傾げて考え込むのに、また頭上から別の声が早口にまくし立ててくる。
 これに閉じていた両目を開けてはっきりと返す隊長だ。

「ああ、少尉どの! 第三デッキの発射口、もとい、発進ゲートをオープンにします。外から丸見えになっちまうからいざって時のために注意しておいてくださいよ! あとそちらの発進シークエンスは特殊過ぎるので、後はデッキの若い班長どのに引き継ぎます! よろしいですか?」

「ん、了解! ドンと来いだよ♡ それじゃ、アイ ハブ コントロール! 新型機のお二人さんも行けるよね?」

 また左右のメインデッキ、第一と第二のカタパルトでアーマーを発進待機させている犬族たちに問いかけた。
 すると今度はどちらもしっかりとした返事が返ってくる。

「りょ、りょーかいっ!!」

「いつでも行けます! 少尉どのがぶっ飛んだらこの後に着いて行けばいいんですよね? こんなしっかりしたカタパルトははじめてだからドキドキしてますよ!!」

「ハハ! じゃあ発進のタイミングはこっちに合わせておくれよ、あとこっちのドライバーは不発もあり得るから、いざとなったら冷静に各自で判断すること! もたもたしてたら敵が来ちゃうから、先行して制空権を確保することは大事だよ?」

「了解!」

Lumania War Record #012 novel’s illustration No.2
OpenSeaのコレクション「LumaniaWarRecord」でNFT化。
こちらは通常のイーサリアム・ブロックチェーンです。
ノベルの挿絵と同時に更新していきます
。 


 新人でもこのあたりは心得ているらしい歯切れのいい返答に満足してうなずくと、耳元のあたりでまた別の若い青年の声がする。発進作業をブリッジから引き継いだクマ族のメカニックマンのものだった。

「ベアランド少尉、発進引き継ぎました! リドルですっ」

 正面のモニターに四角いワイプが浮き出て、そこに見慣れた若い細身のクマ族の顔が映し出される。
 デッキの管制塔の映像だとわかった。
 本来はブリッジの仕事をメカニックが兼任しているのだが、ちっょとしたひとだかりができているのが見てとれた。
 すぐ背後から物珍しげにでかいふとっちょのクマ族のベテランメカニックまでのぞいているのに苦笑いが出る。

「ふふっ、そんな見世物じゃないんだからさ…!」

 こちらは真顔で物々しげな物言いのメカニックが畳がけるようにまくし立てた。

「アーマーとのマッチング完了、マスドライブシステム、目標と照準を設定、コースクリア! オールグリーン、いつでも行けます!! そちらも体勢はそのままでフロートフライトシステムをプラマイゼロに、発射時のショックに備えてください! タイミングはそちらに任せますが、本格的な運用は今回がはじめてなので、出力はこちらで調整、最大時の半分の50でいきます!!」

「了解っ、てか、電磁メガバースト式のマスドライバーでアーマーをかっ飛ばすなんてぼくらがはじめてなのかね? 砲弾やミサイルだったら聞いたことあるけど! でもどうせだったら100でやってごらんよ、遠慮はいらないから?」

 軽口みたいなことを半ば本気で言ってやるに、如実にワイプの中のひとだかりにざわめきが走った。
 若い班長の顔が見る間に青ざめていく。

Lumania War Record #012 novel’s illustration No.3
OpenSeaのコレクション「LumaniaWarRecord」でNFT化。
ノベルの挿絵と同時に更新していきます
。 


「そ、そんな! 無茶言わないでください!!」

「自殺行為だろう…!」

 悲鳴を上げるリドルのそれに、画面に映らないところからベテランの艦長の声がまじる。

 座席の右側のスピーカーからもおそるおそるにした声が聞こえてきた。

「てか、そんなやっかいなやり方で出撃する必要あるんですか? 無理せず自力で飛び立ったほうがいいような?? マスドライバーって、響きからして危ない気がするんですけど」

「お、おれ、絶対に無理! 衝撃で機体ごとぺちゃんこになっちゃうもん…」

 左右からするおののいた声に苦笑いがますます濃くなる隊長だ。

「大丈夫だよ! そんなに華奢にはできてないさ、このぼくもこのランタンも! あいにくとでかくて頑丈なぶんにのろくさいから、こうやってスタートダッシュを決めないと戦略的に優位に立てないんだ。のんびり突っ立って拠点防衛してるんじゃないんだから」

「だからって無茶はしないでくださいっ、もう十分に無理はしているんですから! 出力は50で固定ですっ」

 好き勝手にはやし立てる周りのスタッフの声を押しのけてリドルが宣言する。それにもめげずにまだ食い下がるベアランドだ。

「90! いや、だったら80に負けてあげるよ♡ 機体はそっちが整備してきっちり仕上げているんだから、できなくはないだろう? でなきゃ泣く子も黙るブルースのおやっさんの愛弟子の名がすたるってもんだし!」

「師匠だったらこんな無茶絶対に反対してますよ! アーマーはおもちゃじゃないんだから!! やってること大陸間弾道ミサイルの打ち上げと一緒ですからね? 人間技じゃありゃしないっ」

「了解、だったら75で手を打つよ、今日のところは♡」

「っ!! 60で行きます! これ以上は引き下がりませんからね!!」

「毎度あり♡」

 駆け引きの末にワイプの人だかりが消えて、モニターの明かりが一段落とされる。秒読みが始まった。


「第一小隊、発進を許可する。さっさと出撃したまえっ」


ノベルは随時に更新されます。



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ルマニア戦記/Lumania War Record #011

#011

「寄せキャラ」登場!!

※「寄せキャラ」…実在の人物、多くはお笑い芸人さんなどのタレントさんをモデルにした、なのにまったく似ていないキャラクター群の総称。主役のメインキャラがオリジナルデザインなのに対しての、こちらはモデルありきのキャラクターたちです。
 似てない部分をどうにかキャラでごまかすべく、もとい、ノリで乗り切るべくみんなでがんばっています(^o^)

  新メカ登場!!

Part1


「あ~ぁ、まいったなあ! あのクマのおじさんったら、やたらに話が長いんだから、余計なお説教くらっちゃったよ…!」

 ブリッジから直接また元のデッキに戻るはずが、艦橋を出た途端に出くわしたクマ族の軍医どのにがっちりと行く道を阻まれて、そこから思いの外に時間を取られてしまった。
 いざ艦の船底に位置するアーマーの格納されたハンガーデッキに出ると、そこはもうすでに一仕事終わったかのような落ち着きがあるありさまなのに、ぺろりと赤い舌を出してしまう。

「うへぇ、新しい航空タイプのアーマーが空から着艦するところをこの目で見てみたかったんだけど、間に合わなかったか…! ちゃんと無事に着いたんだよね、どっちも?」

 目ではそれと確認ができないが、この足下では何やらやたらにガタガタした物音や複数の気配があるのに、着艦したアーマーが既に専用のハンガーに格納されていることを察するクマの隊長さんだ。
 ならばこれとセットであるはず新人の隊員たちの姿を探すが、この視界にまずとまったのは新顔の犬族ではなく、日頃から良く見知ったオオカミ族の同僚のウルフハウンドであった。
 血気盛んな副隊長はみずからの一仕事を終えて今はしごくまったりとくつろいださまだ。
 そこに迷わず大股で歩み寄るベアランドはただちに明るく語りかける。

「あ、シーサー! もう戻ってたんだ? 無事で何より! それでどうだい、足回りを一新したきみの海洋戦仕様のおニューの機体は?」

 するとデッキの手すりにもたれ掛かってどこかよそを眺めていたオオカミ族は、金属の床を大きく踏みならして近づいてくるずぼらで大柄なクマ族に済まし顔して答えた。

「…ん、ああ、悪くないぜ? あの態度のでかくていけ好かないデカブツのメカニックめ、言うだけのことはあっていい腕をしてやがる。ただ元のノーマルとの換装に丸一日かかるとか言うのがいささか難ありなんだが…」

「ああ、そのくらいはいいじゃない♡ こっちも仕上がりは上々だったよ、偶然出会った敵の新型も軽くひねってやれたしね!」

「ほう? そいつは興味深いな、つまりはそっちのとおんなじ飛行型だろ? てか、どこも新型だらけだな、この艦の増援も新型機だろう? 俺が戻るのとほぼ一緒に入ってきたヤツら!」

「ああ、そうなんだ。でもそれ、あいにくとぼくはまだ拝めてないんだけど、それにつき新人のパイロットくんたちを知らないかい? どっちも若い犬族くんだって言う?? あ、そういやさっきここでは初めて見る顔の士官さんとすれちがったっけ? やっぱり犬族の???」

 のほほんとした隊長の問いに、それにはさして興味がなさげな副隊長の灰色オオカミはやや首を傾げて応える。

「ん、ああ、そういやいたな? マリウスとかっていう、この艦の副官さんなんだとよ。さっき合流したばっかの新型に便乗して今さらのご登場だ。つうかこれまで何してたんだか…」

「へえ、そうなんだ? 確かぼくらより一個上の階級の中尉さんだったよね? えらく深刻な顔してたけど、さては上司がスカンク族の艦長の部下じゃ犬族としてはそりゃ気が重いのかな。ブリッジじゃガスマスク首から下げてるオペレーターもいるし!」

「ふざけた話だな? だがあっちのはそういうわけじゃないんだろ。およそシャレが通じねえって顔してたからな。あと中尉じゃなくて、大尉だったはずだぜ、やっこさん? つうか階級章の見分けくらいひと目でつくようにしとけよ、大将!!」

「あはは! そうだったっけ? ちっちゃいのにやたらゴチャゴチャしてるからわかりづらいんだよ、あれってば。それはさておき、新顔のアーマーのパイロットくんたち見てないかい? ぼくの部隊に編入だから、さっさと顔合わせしとかないとさ♡」

「ああ…まあ、それっぽいの見たには見たが、なんだかな…」

「?」

 かくして何やらやけに白けたさまで視線をよそへと流す相棒に妙な違和感を感じながら、ふたりのパイロットたちが向かった先を言われたとおりにたどる隊長だ。
 相棒の証言のとおり、ちょっと意外な場所にいた2人組の犬族たちへとゆっくりと近づいていく。

 そこでほけっと立ち尽くす2人の新人パイロットたちは、見ればこの隊長であるじぶんの大型アーマーを格納した特大サイズのハンガーデッキを見上げてひたすらに驚いているようだ。
 ふたりとも目がまん丸で口が半開きだった。
 体型やや太めでやたらにふさふさした長毛の犬族に、もうひとりはすらりとした長身でこざっぱりした短毛の犬族である。

 何事か小声でぼそぼそと言い合っているのに、苦笑いで頭のまあるい耳を澄ます隊長だ。
 するとぼさ髪の犬族がおっかなびっくりに軍の秘密兵器たるギガ・アーマーを見ながら言う。

「す、すごいな、こんなの見たことない…! すっごく大きくて、なんかとってもおっかない…!! おれ、おれこんなの動かす自信ない。まるでそんなイメージが湧かないっ…!」

「ああ、確かにな? つうか、なんでこんなにでかくてグロテスクなんだ? こんなんで空なんか飛べるのか? 俺たち飛行編隊に編入されるんだろ。いったいどんな隊長なんだろうな…??」

「あっ、お、おっかないクマ族なのかな、やだなっ…!!」

 ひどくビクついたさまで身を縮こめる毛むくじゃらに、ちょっと冷めた調子で肩をすくめる相棒だ。
 赴任したてで場慣れしていないのが傍目にもそれとわかる。
 見るからにそわそわしたさまの新人たちは、しまいにはこれって何人乗りなんだろうな?なんて頭をひねり始めるのだった。  

 おやおや…!

 およそ軍人らしからぬ世間知らずな学生さんみたいなありさまにはじめ苦笑いがやまない隊長だ。

 言葉の通りで異様な見てくれをしたまさしく怪物アーマーをおっかなびっくりに見上げたまま、こちらにはまるで気付かないのがおかしくもありどこか心配でもあり…。
 それだからせいぜい当人たちを驚かさないよう穏やかな口調で語りかけてやった。

「ふふん、ひとりだよ♡ 通常サイズの汎用型アーマーと一緒で、きみらのとおんなじだよね! と言うか、ふたりともこんなところで何をしているんだい?」

 不意の登場だ。
 これにふたりの犬族たちはハッとこちらを振り返るなりにすぐさま敬礼!

「え、あ、うわっ、じょ、上官どのに、けっ、敬礼!」

「わわわわわっ!!」

 およそこれが軍属とは思えない大した慌てっぷりに、本当に吹き出してしまうベアランドだ。
 じぶんは軽くだけ敬礼を返して楽にしなよと態度でうながす。

「ふははっ! いやいや、そんなに偉くはありゃしないよ♡ ぼくだって言ったらまだ新人さんなんだから! にしてもきみら、ほんとに若いよな?」

 学生にしか見えないよと冗談まじりで言ってやったら、当人たちは思いの外に神妙な顔で黙り込んでしまう。
 あれ、ひょっとして図星を突いてしまったのか…?とやや複雑な心境になる隊長は、あえてそれ以上は触れないで話を戻した。

「…ん、まあ、みんないろいろあるよね! ところで、このぼくのランタン、もとい、ギガ・アーマーがそんなに珍しいのかい? 見てたらさっきからずっと眺めてるけど??」

「あっ、は、はい! て、た、たたっ、隊長どのでありますか!? うわっ…」

「あ、え、わわわわわっ、ごごご、ごめんなさいっ!!」

 それはそれはひどい慌てっぷりにいっそこっちが恐縮してしまうクマの隊長だ。

「あらら、まいったな。何をそんなにあやまることがあるんだい? ま、確かにこんな見てくれではあるけれど、それでもそっちのアーマーほどじゃありゃしないだろう? ブサイクででかくて強面で! さすがは軍部肝入りの新兵器ってカンジだよね♡」

 いまだおっかなびっくりの新人たちだが、それでも長身の方はまだ性格がしっかりしているらしい。ただちに気を取り直してじぶんよりもずっと背の高い大柄なクマ族に向き合う。
 となりのボサボサはごくりと生唾飲み込んだきりだ。

「失礼しました! えっと、その、ひとりで、でありますか? こんなデカブツ、じゃなくて、大型のアーマー! この機体制御ならびに火器管制その他もろもろを、たったのひとりで…!?」

「ぜっ、絶対に、ムリ…!!」

 騒然となる新人たちにでっかいクマの隊長さんはいやいや!とへっちゃらな顔でのほほんと応える。

「もちろん! ま、確かにこのクラスならメインとサブの副座式、いわゆるタンデム型のコクピットシステムってやつが言わばお決まりのイメージなんだろうけど、それはそれでコンビの熟練度ってものが問われるだろ? あとこのぼくに合わせろってのもなかなかにしんどいみたいだしね、あはは♡」

「はあ…!」

「ひ、ひとりでなんてムリだよ! でもこんなおっかないクマ族の隊長さんと2人乗りなんて、おれ、できる気がしない…」

 絶句したり震え上がったりと見ていて飽きない新人たちだ。  
 おかげで強面のクマさんが思わず破顔してしまう。

「おっかなくなんかないよ、いやだな!」

 こう見えて人懐っこい性格なんだから!とウィンクしてやるに、言われたワンちゃんたちはびっくりしたさまで互いの目を見合わせる。
 どうやらこの見てくれも性格もこれまでには会ったことがないタイプの上官であるらしい。おそらくは群を抜いて。
 よって種族や階級の違いなどおよそお構いなしのクマの少尉どのは、鷹揚なさまでまた続けるのだった。

「ま、ぶっちゃけまだ開発途上の機体だから、これってば。それでもうまいことひとりでやれるようにはなっているんだよ? オートパイロットシステムって擬人化AIやら何やら…ま、きみたちにはわかんないよね!」

 屈託の無い笑みでさも頼れる兄貴然とした隊長に、固かった表情が次第にほぐれてくる新人たちだ。
 ベアランドはよしよしとしたり顔してうなずいてやる。

「まあ、要は慣れだよね! こんなブサイクでいかつい見てくれしてるけど、実に頼れる相棒なんだよ。どのくらい頼れるかは、実際に見てのお楽しみとして♡ それじゃ、次はきみたちのも見せてほしいな、期待の次期主力量産機ってヤツをさ?」

 意味深な目付きをくれてやるに、当のふたりはまた神妙な顔つきして互いの目を見合わせる。
 それきり無言だ。
 その微妙な雰囲気をそれと理解する隊長だった。

「ああ、ま、とにかくよろしくね! ぼくらこれからひとつのチームになるんだから。ん、てことで、隊長のベアランドだよ。きみらのことはすでに戦績表(スコア)をもらってるからある程度は把握してるんだけど…えっと」

 ふたりの犬族たちの顔を見比べるクマ族の隊長は大きくうなずいてしごく納得したさまで続ける。

「そうだな、そっちのモジャモジャくんがコルクで、そっちのノッポくんがケンスだろ! 階級はとりあえず准尉で、実はまだアーマーのパイロットになってから一年も経たないんだっけ? なのに新型機のパイロットだなんてふたりともすごいよなあ!!」

 あっけらかんと言い放ったセリフにしかしながら言われた当人たちはただちに恐縮してすくみ上がる。

「い、いえっ、飛んでもありません! 俺たちそんなに大したもんじゃあ、前の隊長からはお互いに貧乏くじを引かされたって笑われてましたから。こんなアーマーをひとりで任されている少尉どのとは比べるべくもありませんっ…!」

「よ、よろしくお願いします! あの、その、ベア……ド、隊長っ…おれ、一生懸命がんばりますっ、まだ知らないことばかりですけど、ケンスと、一緒にっ…」

 よほどのあがり症なのかぎこちない挨拶をする毛むくじゃらの犬族に、こざっぱりした短毛種の犬族があいづち打ってあらためて自己紹介してくれる。

「今日付でこちらに赴任してまいりしまた、ケンス・ミーヤン准尉であります! あとこっちが…」

「あ、こ、ここ、コルク・ナギであります! あ、あと、じゅっ、准尉でありますっ!!」

「うん、知ってるよ。よろしくね♡ さてと、新型兵器の見学会はもう終わりでいいかい? 今度はそっちの新型くんの紹介をしてほしいんだけど、あいにく長旅で疲れてるだろうから休ませてやれってここの艦長からは言われているんだ。てことで、ここは一時解散かな?」

「は、はいっ…!」

 まだ力が抜けていないふたりを楽しく見てしまうベアランドだが、脳裏にふとある人物の顔がよぎってまた口を開く。

「そうだ、あとでこの艦の中をざっと見て回ろうよ、探検がてら! ぼくもここに来て日が浅かったりするんもだからさ…あ、そっか!」

 何かしら思い出したふうな隊長に、目をぱちくりと見合わせる隊員たちだ。
 新隊長のベアランドはペロリと舌を出して見上げてくる犬族たちにいたずらっぽい笑みで言う。

「そうだった、まずは軍医のおじさん先生に、メディカル・ルームに連れてくるように言われていたんだった! そうさぼくらメンタルやフィジカルのケアも大事な任務の一環だろ? ちょっと口うるさくて力加減のわからないおじちゃんなんだけど、性格は温厚で優しいクマ族の大ベテランだから♡」

「は、はあ…」

「また、クマ族…!」

 さては大柄で屈強な輩が多いクマ族に苦手意識でもあるのか、ボサ髪の犬族が青い顔色でうつむく。
 まるでお構いなしのベアランドは笑ってさっさとこのきびすを返した。

「へーきへーき! 見たカンジはとってもチャーミングなドクターだから♡ 案内してあげるよ。ひょっとしたら二番隊の隊長のシーサーもいるかもしれないし! そこで解散だね」

 それきりさっさと大股で歩き出すマイペースな隊長に緊張でシッポが下がり気味の犬族たちがとぼとぼとくっついていく…!

 かくしてこれが何かと問題ありな第一次・ベアランド小隊、人知れずした結成の瞬間であった。

Part2


 翌日、早朝――。

 まだ人気のまばらな艦の船底のハンガーデッキに、全身が濃緑色のパイロットスーツ姿の大柄なクマ族が、ひとり。

 無言で目の前のハンガーに格納される戦闘用の人型アーマーをただじっと見つめていた。
 その全高が10メートルを軽く超えるアーマーは横並びに二体あり、どちらも同じ見てくれと仕様の同型機に見える。
 かねてよりウワサの新型機だ。

 難しい表情で空中機動戦闘特化型の量産汎用機を見上げていたベアランドは、フッと軽いため息みたいなものをついてはどこか冴えない感じの感想を漏らす。

「あ~ん、何だかなあ…! 見たカンジは悪くはないんだけど、どうにも判断てものがしかねるよねぇ? この新型くん♡ 乗ってる子たちに聞いてもあんまりパッとした反応がなかったし…」

 これの専属パイロットである新人の隊員たちは、経験が浅いのも手伝ってまだ新型機の性能を全ては引き出せていないし、満足に把握も出来ていないらしい。

 おのれのと同様に、試験的な運用から実証まですべて現場任せなのかと呆れてしまう隊長に、申し訳なさそうに身を縮こめるばかりの犬族たちだ。

「ふうむ、やっぱり動いてるところを見るのが一番なのかね? 現行の量産型に乗っていた時はふたりともそれなりにいいスコア(戦績)を出してるから、パイロットにはこれと問題がないとして…おっ!」

 ウワサをすれば影で、口に出していた犬族がふたりしてそろってこの顔を出してくる。タイミングばっちりだ。

 どちらも同郷の言えば幼なじみらしいのだが、それが戦闘のコンビネーションを確実なものとする大きな要因であるならば、なんとも皮肉なことだと内心で思う隊長だった。

 背後で気配を感じたままこれと迎えることもなくのんびりと突っ立っていると、ふたりとも今はすっかり落ち着いたさまでこの両脇にそっと寄り添ってくる。
 視線を上に向けたまま、かわいいもんだなとかすかに口の端で苦笑するベアランドだ。

 ほんとに学生さんじゃないか…!

 あえて詳しくは聞かないが、履歴書にある公称の年齢と実際の年齢に少なからぬ誤差があることをあらためて確信していた。

 チラとそちらに視線を向けてやる。

 すると見てくれの暑苦しい毛むくじゃらの犬族は相変わらず冴えない顔つきで、まだどこか眠たそうだ。
 こんなぼんやりしたカンジで個人のスコアで星(ホシ)を少なからず付けているのがにわかに信じがたい思いの隊長だが、それはこれから確かめてやれると密かな楽しみにもしていた。

 他方、相棒とは打って変わってこの性格しっかりとして見てくれもシュッとしたノッポの犬族くんも、短いパイロット歴ながら撃墜マークのホシはしっかりと獲得していた。
 どちらも実際の年齢を考慮したら驚くべきことだと喉の奥でうなるベアランドだ。この現実の言い知れぬ皮肉さ。

 まだ子供なのにね…!

 そんな隊長の複雑な胸の内も知らないノッポくん、しっかり者のケンスがそこで一息つくとハキハキとした言葉を発した。

「おはようございます! 隊長!! ずいぶんとお早いんですね。出撃までまだだいぶ時間がありますが…?」

「お、おはようございますっ、ベア…あ…隊長っ」

 この相棒に続けてどさくさ紛れで声を発したのはいいものの、歯切れが悪くておまけもごもごと尻切れトンボで終わってしまうボサ髪のコルクだ。
 まだ寝ぼけているのか、隣でケンスがあちゃあ!みたいな顔しているのが見なくてもそれと分かった。

 ははん、書類上の経歴でウソはつけても実際は隠しきれないもんなんだよな♡

 内心でまた苦笑いして目線をそちらにくれるベアランドだ。

「ベアランドだよ♡ そっちこそ、早いじゃないか? 実際の出撃命令が出るのはまだ2時間くらい先だろ。とりあえずこの30分くらい前に集合って、そう言っておいたはずなのにさ」

「あ、その、緊張のせいか、目が冴えちゃって、おれたち…! 今さら寝付けないから、いっそスタッフさんたちの邪魔にならない時間にスタンバっておこうかなって…」

 まず臆病者の毛むくじゃらに言ってやるとこれがすぐさま目を逸らされるのを気にしないでもう片方の相棒に向く。
 ケンスはちょっとバツが悪そうな苦笑いで困ったさまだ。
 まさか隊長さんと鉢合わせするとは思っていなかったらしい。

「そっか、ふたりとも相部屋なんだよな。居心地はどうだい?」

 あえてまた右手の太めの毛むくじゃらに向かって言ってやると、言われた当人はビクっと反応しながらしきりとうなずいてつたない返答を吐き出す。

「は、はいっ、と、とっても快適、ですっ、あんなにきちんとした個室は、生まれてはじめてかもっ、べ、ベアランド、隊長…」

 すかさずこの横から個室じゃなくて相部屋だろ!と訂正されるコルクに苦笑いでうなずく隊長のクマ族だ。
 上官の名前がちゃんと言えてるんだから問題はない。

「うん。そっか、そいつは良かった♡ ふたりとも朝食はこれからだろ? 後でみんなでブリーフィングがてらにどうだい。直前じゃゲップが出ちゃうし、みんなで食べたほうがおいしいよ」

「は、はいっ!」

 見てくれのおっかないクマ族の隊長を前にするとどうしても肩から力が抜けない新人くんたちだが、これから実際の出撃を待っているのだから仕方ないと了解する。
 いざひとたびこの船を飛び立てば、そこはまさしく命がけの戦場だ。

「まあ、それはさておき、いい機体、なんだよね…? この面構えはぼくのランタンなんかよりずっと男前だし! まあ、いろいろとビミョーなうわさが飛び交ってる実験機ではあるけれど…次期主力機候補ってのがかなり眉唾(まゆつば)、みたいなさ?」

「…!」

 若くして軍に入隊して(させられて?)まだ右も左もわからないだろう新兵が、それでもうわさばなしくらいはその耳にすることはあるのだろう。
 昨日の少ない会話の中では、ちょっと前まで指揮を執っていた中尉どのはとても部下思いのいいおやじさんだったらしい。
 だったらなおさらだとここはちゅうちょ無くものを言ってやる新隊長だ。

「ちなみに知ってるかい? これって本来はもっとずっと別のところで使うために開発された機体の言わば雛形(ひながた)みたいなもんで、あくまでテストケースに位置づけられるものなんだって? まあ、ホントかどうかはさておいて…」

 振り返って見たふたりの新隊員の内、向かって左のぽっちゃりがうつむくのに対して反対側のほっそりが反射的に何もないはずの天井を見上げたのをそれと確認して、なるほどとうなずく。

 前任者はほんとにいい隊長さんだったんだね♡

「このビーグルⅥ(シックス)は戦場では希な機体でとどまるんだろうけど、だからって見下げたもんじゃありゃしないさ。なんたって軍の技術の粋を集めた機体なんだから! そうだろ?」

「はい…!」

 これにはふたりともしっかりとうなずくのに心配しなくていいよとこちらも力強くうなずく。

「これの本チャンがいわゆるビーグルⅦ(セブン)で、もしそっちに乗る機会があったらむしろラッキーじゃないか。ここでの経験をまんまフィードバックできるし、より負荷がかかる重力大気圏内での運用経験はそれはとんでもないアドバンテージだよ♡ どこでだってきっと互角以上に戦えるから…!」

 言っていること果たして理解できているのかできていないのか、冴えない表情を見合わせる新人たちにともあれで明るく笑うベアランドだ。

「ま、じきにわかるさ! それよりも本来の主力機を手に入れるのが先かな? ちょっと前にそれに近いのと偶然に会敵したんだけど、なかなかいいカンジだったよ。これにはだいぶ手こずったみたいだけど、その分に楽に扱えるよ、きみたちなら…」

 いよいよ顔つきが困り果てるばかりの部下たちに上官のクマ族も思わずこの苦笑いを強める。

「はは、いきなりあれやこれや言われても処理しきれないか! ま、今はとにかく目の前のことに集中すればいいよ。…ん、あっと、またお客さんだね♡」

「…!」

 頭のまん丸い耳を左右ともピクピクさせるベアランドが目でそれと示す先に、犬族たちもそこに新たな気配と足音がするのを察知する。
 また別の方向から軽やかなステップで走り寄ってくる細身のスタッフらしきを怪訝に見つめるのだった。

 その格好からしたら若いメカニックマンらしきは、三人の目の前でぴたりと立ち止まると即座に敬礼する。
 それからハキハキした口調で挨拶を発するのにはビビリの毛むくじゃら、コルクがシッポを立たせて後ずさりした。

「おはようございます! みなさんもうおそろいでしたか、こんなに朝早いのに!」

「ああ、まあね! いざこの船が戦闘空域に突入したらみんなでバタバタするから、落ち着いてやるにはこのくらいからでないとさ。いう言うリドルも早いじゃないか、てか、この新型は受け持ちじゃないよね?」

 事実上、じぶんのアーマーの専属メカニックとしてこの艦に乗り込んでいる若いクマ族に聞くと、それにはまっすぐにまじめな応えを返す根っからの機械小僧だ。

「はい! ですがじぶんもやはり興味がありましたので。スタッフさんが取り付く前にこっそりのぞいてみようと…! あはは、でもまさかこのパイロットの方達に会えるとは思いませんでした! スーツが違うからひと目でわかりますね?」

「ああ、確かにね! ふたりともここじゃ他にいないタイプの新型のパイロットスーツだ。色も全然違うし? でもそれもいろいろと難ありなんだよね?」

 しげしげと頭から足下を見回す隊長に、ふたりのクマ族に見つめられる部下たちはちょっと困惑したさまでうなずく。
 毛むくじゃらはなおのこと深くうつむいてしまった。

「はあ、まあ、おれたちみたいな犬族にはほんとにありがた迷惑な機能ですよね。スーツにトイレの機能を搭載しちまうなんて。みんな嫌がっておれたちみたいな新人に回されてきたようなもんだから、正直、使う気になれないですよ…!」

 げんなりしたケンスの言葉に、おなじくげんなり顔のコルクがひたすらうんうんとうなずく。
 苦笑いでしか答えてやれないベアランドは吹き出し加減だ。

「ふふっ、ニオイの問題は当然クリアしてるんだろ? アーマーにだって簡易式のそれはあるんだから、いらないっちゃあいらないんだけど、さては用を足すヒマも惜しんで戦えってことなのかね? ひどいはなしだよ!」

 冗談ごととじゃないですよとうんざり顔の犬族たちにそのうちに新しいスーツが支給されるよと気休めを言って、ベアランドはリドルを目で示して紹介する。

「丁度よかった、ふたりともこの子、ぼくの専属のメカニックははじめてだろ? リドルだよ。ぼとくおんなじでクマ族の男の子! あと、見ての通りで若いんだけど、たぶんきみらとおんなじくらいじゃないのかな? よろしくしてやってよ♡」

「はいっ、リドル・アーガイル伍長であります! ベアランド隊のチーフメカニックを主たる任務としておりますが、特に新型の少尉どの専用のアーマーを任されております。以後、よろしくお願いします!!」


 言いざままたもやびしっときれいな敬礼するのに、ふたりの若い犬族たちもこれに慌てて敬礼を返す。

「ケンス・ミーヤンであります! どうぞよろしく!」

「ああっ、こ、コルク、ナギであります! じゅ、准尉ですっ」

「あはは、なんだかとっても人柄の良さそうな隊員さんたちですね? 実はもっとおっかないひとたちを想像していたんですけど、良かったです!」

 朗らかな笑みで胸をなでおろすリドルに、ベアランドは肩を揺らして合点する。

「ははは! でもこう見えてもふたりともとっても優秀なんだよ? ちゃんと星も持ってるし、こうして新型機を任されるくらいなんだから! ま、リドルもアーマーの操縦はできるし、ホシだって持ってるんだからどっこいどっこいなんだけど!!」

 豪快に笑ってぬかした隊長のセリフに、だがこれを聞かされる周りの犬族たちがただちに色めき立った。
 ギョッとした顔で目の前に立つ若いメカニックマンをひたすら凝視してしまう。

「は、はいっ? このメカニックマンどの、撃墜マークを獲得しているのでありますか?? おれたちと同じ戦場で!??」

「え、え、ええっ、なんで?? メカニックなのに…???」

 ひどい困惑とともにジロジロと見つめられて、当の細身のクマ族の青年はこちらもひどい当惑顔でこの身をすくませる。

「あ、いえ、その…! ベアランドさん、そのはなしは無しでお願いします。このぼくも欲しくて獲ったものではないので…」

「?????」

 なおさらギョッとなる犬族たちに苦い笑いを向けて曖昧に肩をすくめる隊長だ。あらためて三人に向けて言ってやった。

「はは、まあ、いろいろあるんだよね、人生! それはさておき、朝食にしようか。みんなそろったんだから丁度いいや。リドルはこの機体がお目当てなんだろうけど、パイロットの生の意見や感想を聞くのもきっとためにはなるだろう?」

「あ、はい! それはぜひとも。よろしいでしょうか?」

 いかにもひとのよさげであどけない表情のクマ族のメカニックマンの言葉に、こちらもまだあどけなさが残る犬族の新人パイロットたちが目を見合わせる。頭の中は大パニックだ。
 もはやうなずくより他になかった。

「ようし、それじゃあみんなでレッツ・ゴー!! まだ出撃までには時間があるからたらふく食べようよ、あといろいろと楽しいミーティングもね? 聞きたいこといろいろあるんだ♡」

 これよりおよそ二時間後、ベアランド小隊は初出撃することとなる…! 




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お笑い コント スピンオフ 寄せキャラ

「寄せキャラ」であそぼ♡ 漫才師「ダイ〇ン」がモデルのクマキャラ・ダッツ&ザニーでコント! お題「ゾンビ」「ブサイク」

いざデザインしたまではいいものの、まったく出番が回ってこないキャラクターに光を当てるべく、ノベルとはまったく関係のないインチキコントを作っていきます(^^)/

ちなみに、「寄せキャラ」は以下のものがイメージです♡

で、実際に今回登場する、漫才師のお笑いコンビ、「ダ〇アン」の寄せキャラが、こんなカンジ…!

↑「ダイ〇ン」のボケ担当?のひとをモデルにしています笑

↑「ダイ〇ン」のツッコミ担当?のひとをモデルにしています笑

では実際に、このインチキ・クマキャラのコンビでコントを作ってみよう(^^)/

はじめ 立ち位置、マイクを中心に、正面から見て、ザニーが左手、ダッツが右手

ダッツ「ども、ダッツで~す!」

ザニー「ザニーですぅ」

ダッツ「ふたりあわせて、「ダイ〇ン」で~す! まったく似てないで~す! あしからずぅ。てか、似てへんどころかまったくのベツモンやん! こんなんただのクマのバケモンやん!!」

ザニー「しゃあないやろ。そういうインチキノベルのキャラクターなんやから、わしら。あと作者が「似顔絵」描くのヘタクソやから、はなからどうにもならへん」

ダッツ「しょうもな! 少しは頑張れよ。前にアニメのキャラ演じたことあったけど、あれと比べてもワケわからへんやん! なんでこないなブッサイクなクマキャラにされなあかんねん!!」

ザニー「ええやろ。しょせんはインチキなんやから。他にもいろいろとおったけど、どれもみんな無茶苦茶やったからな? まず似てるヤツがひとりもおらへんかった」

ダッツ「そうやった! 誰がおったっけ? 名前はけっこう売れてるのに、まるで見た目が合致しないお笑いコンビのブサイクキャラ、えっと……」

ザニー「ピンもおったやろ? まずはラジオの有名パーソナリティがモデルのブサイクなでかいクマさんと、昔はコンビやったけど今はピンで活躍してる、ベテランのコメンテーターとか?」

ダッツ「あ、ここの頭で出てきた白いクマキャラのおじさんかいな! ビミョーやよな? あと若手もおったやろ。わしらみたいな中堅どころよりもフレッシュな、第七世代っちゅうやつら!」

ザニー「ああ、おったな? イヌキャラの「宮下〇薙」と、「見取〇図」とか? どっちも似てへんどころかまるきりベツモノのやつらが。あと「ハラ〇チ」とかも、ブッサイクなネコとゴリラにされておったような? あんなもん訴えられるやろ」

ダッツ「あれな! マジでシャレにならへんやん。なんであないにブッサイクにされてんねん。仮にもネコやろ? おまけに気色の悪いガンマンスタイルで、あんなんはじめて見たわ!!」

ザニー「ええやろ。ノベルではわしらとは絡まんみたいやし。ちなみにわしら、戦闘ロボのパイロットで、空中戦が得意なちゃきちゃきのベテランコンビらしいで?」

ダッツ「なんで? 「ダ〇アン」も「漫才師」もなんも関係あらへんやん! しょうもな!!」

ザニー「ああ、おまけにふたりともひどい船酔いしてもうて、はじめはまったく使い物にならへんらしい」

ダッツ「なんで!? うそやろっ、わしらのこと馬鹿にしすぎやて!! 東京やのうて関西のわしらを見て!!」

ザニー「ええやろ。しょせんはインチキなんやし。ここで言うてもしゃあない。ほな、ぼちぼちはじめようか」

ダッツ「やんの? わしらでコント?? できんのかいな??」

ザニー「やるしかあらへんやろ。そういう記事になってもうてるんやから。確かお題は、「ゾンビ」と「ブサイク」やったよな」

ダッツ「おおいっ、こんなブッサイクなクマキャラにしといて、完全にイジッとるやん! ほんまにしょうもな!!」

 本文中のキャラクターに興味がありしまたら、上記のリンクからご覧になってください(^^)

コント 「ゾンビ」~ブサイクは世界を救う?~

ザニー「まずはやる前に立ち位置、そっちと変わってええか?」

ダッツ「なんで? アホちゃう? このままでええやん。ネタ書いてるあほんだらのおやじ、マジでわしらのこと知らなさすぎ! 立ち位置まで変わってもうたら、ほんまに誰が何やっとるんだかわからへんようになってまうやん!!」

ザニー「はじめからわからへんやろ? こないなもん。そっちのほうが構図としてやりやすいし、わかりやすいっちゅうはなしやったんだが、まあええわ。ほな入るで、よろしゅう…!!」

 一拍あけて、マイクからザニーが少し後退、ダッツはそのままの立ち位置で、焦ったさまであたりを見回し始める。
 (コントに突入!)  マイクは回収?

ダッツ「はあっ、はあ! えらい世界になってもうた! どこもかしこもゾンビだらけやんっ、わし、こないな世界で生き残っていけるんかいな? しかもたったのひとりきりで!!」

 ひどく狼狽、焦ったさまであたりを見回すが、やがてこの左手、ザニーがいる方を見て異変を感知。ごくりと息を飲む…!

ダッツ「ああっ、誰かおる! まだここにも生き残りがおったんかいな! どないしよ、ああ、あかん! そこまでゾンビが来ておるやん!! あかんっ、囲まれてもうた!! あれじゃ逃げ切れへんで、ああっ、あ……!」

 ひどくくたびれたさまで中腰のザニーが、ギョッとしたさまで辺りを見回すと必死のさまであがきもがく。ガクガクと震えながらやがて絶叫!!

ザニー「うあああああああっっっ!!!」

ダッツ「あかん! 襲われてもうた!! すまんっ、救われへんかたった! わしが非力やさかい、またひとり犠牲になってもうた、この街もうゾンビだらけや!! すんまへんっ……あれ?」

 地面に倒れ伏すザニーを見ながら、微妙な違和感に気付く。
 すると倒れた状態からいきなりすっくと立ち上がるザニーに、ビクっとひるむ、ダッツ。

ザニー「なんやっ、くそおっ!! またおんなじかいなっ、どいつもこいつも無駄に群がりおって、まるで意味あらへんやん!」

ダッツ「あぁれぇ、襲われてたんちゃうん? しっかり何カ所も噛まれておって、なのになんであないにピンピンしてはるの?? ふしぎ~!」

 ちょっとおっかなびっくりに近づく。するとその直後にザニーが放った一言にビックリ仰天!!

ザニー「噛まれただけ! ただ痛い思いをしただけ!! 腐った死体どもにもみくちゃにされて、散々にもてあそばれたのに、ぜんっぜんゾンビになられへんやん、このわし!! 最悪や!!!」

ダッツ「ええ~!! どういうこと!? 噛まれてもゾンビにならへんヤツなんておんの?? 体質?? ウィルス効かへんの?? いやいやっ、だったらすごいやん!!」

 ダッツのぶったまげたセリフに、そこで初めてその存在に気付いたらしいザニー。冷め切った表情でジロリと振り返ると、しごく冷め切った調子で返す。

ザニー「……は、何が凄いん? 噛まれてもゾンビになられへんのやぞ。地獄やろ! 周りはどこもかしこも何万と動く死体がおるっちゅうのに、こっちはただのひとりっきりで噛まれ放題や!! こないにむごい地獄がどこにある??」

ダッツ「うっ! でも、でもゾンビにならへんのやろ? すっごいやん!! ひょっとしたら世界を救うことができるかも知れへんやん、その、特殊な体質があれば。噛まれて感染しても、しっかりと抗体があるっちゅうことや! それさえあれば……」

ザニー「新種のウィルスかも知れへんやろ? 何にしても今さらや。こないになってもうた世界をひとりでどないできるっちゅうんや。噛まれても効かないだけで、攻撃はできへんのやさかい」

ダッツ「確かに、それはしんどいな! ん、でも、でもやで、ゾンビにならへん抗体、ワクチンっちゅうやつをおのれの身体からみんなに分けることができたら、わしら生き残り、人類が滅ぶっちゅうようなことは最悪防げるかも知れへんやん? 希望はある!」

ザニー「わからへんやろ? じゃあおんどれを噛んでみてためしたろか? それでじぶんがゾンビになられへんかったら、めでたくこっちの仲間入りや! 心強いわあ、やってることゾンビとなんら変わらへんけど」

ダッツ、「うっ、あえてこの身をさらして襲われならへんの? しんどいわぁ、あとその前におっさんに噛まれるのも気持ち悪いし。ゾンビにならへんでも噛まれ所が悪ければ失血死してまうこともありえるやん! めちゃめちゃ肉をえぐられて? 痛いどころですまへんやん」

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