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変態機甲兵〈オタク・ロボ〉 ジュゲム file-11 ドラフト!

いきなり実戦ダダンダン!④

※太字の部分は、なろうとカクヨムで公開済みです。そちらが加筆と修正された完成版となります(^o^) こちらの下書きをなろうで修正、後にカクヨム(挿し絵はなし)で完成させています。
 以下、このリンクです
 小説家になろう(ルマニア、ジュゲム 一次修正)
https://mypage.syosetu.com/2965007/
 カクヨム(ルマニア、ジュゲム 完成・絵なし)
https://kakuyomu.jp/users/kumanosukew
 ハーメルン(俺の推し!)
https://syosetu.org/novel/381100/

Episode‐file‐11


 
戦いはその勝敗を決する最大の機運を迎えつつ合った――。

 みずからの股間のイチモツを左手で握りしめたままに正面のモニターに向かう主務操縦士……!
 モブは、よく見知ったはず街の景色のその穏やかならざるありさまに、マジマジとふたつの眼を見晴らせる。
 大きな半球状型のコクピットで、操縦席をぐるりと取り囲んだ全景表示ディスプレイの中にいくつもの警告表示が出ているが、はじめに見ていた三つから、まだその数を増やしていく。後から後から、人気の無いはず秋葉原の大通りに怪しい人影もどきが現れるのだ。さながらちょっとしたパニック映画の趣きか。
 思っていた以上の真っ赤なターゲットサインの一群に、ちょっと額にイヤな汗を浮かべるでぶちんのオタクだった。
 前を向いたまま、正面の小型画面の中の自衛官たちではなく、背後の教官、自称・ぬしのおじさんへと言葉を投げかけた。

「確かはなしじゃ、三体、三匹? そんなこと言ってた気がしたけど、それどころじゃない数が出てきるんだけど……! 見た感じじゃ、もう10コは下らないんじゃない? この謎の☆マーク? これって敵を表示しているんだよね、ちがう?」

 太くて濃い眉をひそめさせる前衛パイロットに、後衛の補佐兼教官役のぬしはさして焦った風もなく平然と応じた。

「増えたんだろ? ままあることだ。おそらくは災害主に取り込まれるか取り憑かれるかしたヤツらが、まんまとみずからも災害化したってだけのことだろうさ。第三種災害あるある! この程度はあらかじめ見込んでおけ。このロボのパイロットであるのならばな!」

「おれ好きでやってるわけじゃないからね? こんなにたくさんどうやって相手をするのさ? まさかその都度、射精っ……あ、じゃなくて、まあ、その……ていうかさ、若いおーさんに見られながらじゃちょっとやりにくいんだけどっ!?」

 手元にある小型ディスプレイの右手ものに映るメガネ女子のほうをちらちらと見ながら口をとがらせるでぶちんだ。心情としてはかなりツライ。今もしっかりとちんちん握っているあたりが……! 外側も内側もとんでない状況だと改めて認識させられていた。ひとの気なんかてんで構わないデリカシー皆無のおじさんが真後ろから答える。モラハラ気質全開でだ。

「気にするな? むしろ興奮するだろう? おまえみたいな完全バキバキ童貞のガキなら! さすがに10連発でヌケだなんて若くてもムリがあるから、それなりに対処する。今し方のおまわりみたいに、オナニーでこの誘爆が狙える自爆装置みたいなのがいれば簡単なんだが、今回はそうもいくまい……!」

「オナニーの誘爆……何言ってんの? 言ってること何がなんだかさっぱりわからないよ! えー、じゃあさっきのは、あのおまわりさんがアレをして果てたから、あのドロドロもやっつけられたの? なんで?? 射精と関係あるの? なんで??? わ、おねーさんがこっち見てる!!」

「見られるのは仕方がないだろう? そっちのねーちゃんはそういう仕事なんだ! あと細かいことはいちいち気にすなるな。でないとやってられんだろう、このインチキロボのパイロットなんぞ! この俺も含めて、これまでの常識や理屈なんてものとはほど遠いところで全てが回っている。そういうアレな世界線でこのおれたちは戦っているんだからな……!」

 きっぱりと断言してのける教官どのに、新人教習生はかなりの困惑顔でさらに口を尖らせた。ちょっとだけ背後に視線を向けるが、不満たらたらなのが丸わかりだ。

「それって、納得できるだけの説得力があると思ってる? ムリだよ。あとおれが童貞って勝手に決めつけるのもちょっと心外なんですけど? おねーさんの前でやめてよ、この操縦桿が立たなくなったらどうするのさ!」

「見られてるからむしろ勃っているんだろう? おまえはいちいち童貞ムーブなんだよ、わかりやすい。ちがうのか?」

 あえて背後から聞いてくれるちょっと意地悪なおじさんに、事実完全バキバキ童貞のデブチンは気まずげな表情を赤らめて頭から湯気を上げていた。もう背後を見れないくらいに肩を小さくすぼめてしまう。図星だった。これにカッカと破顔するぬし。

「わかりやすいったらありゃしねえな! まあいいんだよ、そっちのほうがこのジュゲムが反応しやすいのはこれまでの経験上はっきりしてるから、なんら問題はありゃしない。それよりも実働試験、攻撃機動の精度を上げるぞ。ちんちんの狙いを定めろ!」

「童貞で悪かったね……! ううっ、おねーさんの視線が気になるっ、ああん、誰か助けてよ! え、またさっきの顔射、じゃなくて、なんだっけ、スラッシャー?」

「スマッシャー! 個別に撃破する気持ちで手前のやつらにぶっかけてみせろっ!! あのまっちろいのを! 言ったらキャノンの精密射撃だ! この距離なら外すこともないだろうっ、軽く亀頭をポンポンくらいでヒットさせられるぐらいになれ。くれぐれもイクんじゃないぞ?」

「亀頭って、若いおねーさんが聞いてるんだよ? あ、このおじさんの言葉は聞こえないんだっけ? なんかずるくない? それに言うほど簡単じゃないんだって……!」

 ブチブチ文句を言ってると左手の小型画面の中の若いおじさんに聞きとがめられてしまう。自称・監督官の村井だ。そっちの存在をすっかり失念していたオタクのパイロットくんはげんなりした顔で舌を出した。うげ……!

『オタクダくん、ここが正念場だ! どうか無事にこの難局を乗り越えてもらいたい。初回からかなりの負荷がかかるが、そのぶんに報酬ははずむはずだから、どうか奮起してくれ。こちら側の調査によると社会保険料や年金、果ては家賃なども滞り気味なのだろう? すべてチャラにできるはずだ、ケータイやサブスクなどの各種料金を込みにして!』

「個人情報!! ちょっと、そんなのおねーさんの前でわざわざ言わないでよっ、おれ完全な社会不適合者になっちゃうじゃん!! 今こんなことさせられて、ひととして完全に詰んでる! なんかしらのハラスメントで訴えるからねっ? うしろのパワハラおじさんと一緒に!!」

 結構な暴露に思わず悲鳴まじりに叫んでしまうが、当の右手のメガネのおねーさんがぴくりともせずで冷静に返してくれる。ついにはがっくりとうなだれるモブだった。

『――いえ、そちらに関しましては当然、このわたしも関知しております。付け加えるのならば小宅田准尉、あなたが童貞であろうことも内偵調査により裏が取れておりますので。気に病むことはありません。童貞は犯罪にあたりませんので……! 従って滞っている社会保険その他につきましては、こちらで全て処理させていただきます。家賃は次回の更新料も込みにして、先払いにしてしまえば家賃自体を値引きする交渉も可能ですが、いかがしますか? そちら向きのエージェントがおりますので……』

「な、なんか、死にたい……! あの、後で考えさせてください。いまそれどころじゃないんで。んん、萎えちゃうよっ、ほんとに泣きたいっっ!」

 瀕死状態でどうにか答えるオタクのでぶちんに、背後からおやじのがなり声が轟く。容赦がない教官。泣き面に蜂だ。

「それこそ後にしろ! いいか、目の前にいるバケモノどもはこの第三種災害における災害主であると同時に、被災者でもあるんだ! 特務自衛隊である俺たちがやるべきことは、当然この救助と救援、場合によっては武力を用いた問答無用の緊急駆除! 心してかかれよ?」

 その声にいつになく重みがあるのを聞きとがめて振り返らずに視線だけ斜に飛ばすモブだ。何故かその顔を見るのが怖かった。

「駆除っ? それって……!」

 言わんとしていることを濁しているように聞こえたが、ひととしてやってはいけないはず行為なのではと問いかけたところで、あいにくとがさつなおじさんはこの言葉を遮る。今や完全に後部座席のペースだった。

「いいからっ、ちんちん用意! 要領はさっきと同様、機体右アームの前腕部射出口から前方の災害主どもめがけてスマッシャーをぶちまける! まずは手前からはじめ、次に向かって右の標的、最後に左の奥のヤツだ! 了解したなら復唱せよ!」

「えっ、もうそんな勝手にぽんぽんと決めないでよ! こっちのペースだってあるんだし、そんなに簡単じゃないんだって、この、ううん、あっ、あ、いっ、イッちゃう!」

「復唱せよ! あとまだイクんじゃない! 何度言ったらわかるんだ! 盛りの付いた犬でもあるまいに、お、いいぞ! ちゃんとできてるじゃねえか? む、おまけにそんな長いことそいつを放射できるなら、もうそのまま奥へと向けてぶちまけろ! 消防の放水車の要領でだな? もしくは火炎放射器か! おまえ、ほんとにいいセンスをしているんだな! あたりがまっちろい海みたいになってるぞ? やつらおぼれてやがる、おまえの白濁したアレに!!」

「おれのじゃないって!! おねーさんが見てるから! おれの性癖ねじ曲がったらどうしてくれるのっ? どんなに元気でも放水なんてしないって、それって完全にAVのノリだからねっ!!」

「いわゆる、潮吹きってヤツか?」

「しないって!!!」

 思わずガッとキバをむいて振り返ってしまうに、上段の教官席で腕組みしてこれを見下ろすおじさんはにんまりした笑みで前を見ろよとうながす。何やら満足げなさまに怪訝にまた前を見るモブの表情に驚きの色が浮かぶ。

「……あれ? あのきもちわるいの、みんな苦しがってる? なんか膨らんだりしてるよ、風船みたいに! わっ……!」

 見るからに気持ちの悪い汚水か汚泥だかでできあがった異形のひとがたが、不意にその場で固まったかと思えば、どれもボコボコとそのからだに無数の瘤みたいなものを膨らませる。挙げ句ボコンボコンと全身が破裂して崩壊させるのをギョッと見つめる。その下に誰かしらの人影みたいなものがうかがえたが、身体中を爆発させる謎の存在は白い煙幕の中へとその身を深く沈めていった。それきりにぴくりでもない。
 これによりディスプレイ表示の赤かったターゲットサインがどれもオレンジへと切り替わり、次に黄色から緑へと色を変えていく。果てはクリアの白表示だけが地べたに灯るのだった。それまで低く鳴っていた警告音もすべてが沈黙……!

『すばらしい! 災害主の清浄化を確認、これは言うまでもなくこのジュゲムの完全覚醒を裏付ける確たる戦績だよ。きみはまさしく真のオタクだ! ならばこの勢いで残りのダメージも回復してもらいたいものだな。さすれば社会保険も家賃も安泰、きみの未来は明るいものになるぞ、返ったら隊員証をつくる写真撮影をしよう、私服でなくてそのままで構わないから!』

「横から余計なことゴチャゴチャいわないでよ! みんな勝手が過ぎるって!! もう、えっと、また先に進まないといけないんだよね? 倒れてるひとを踏んづけないように? 残りの星印も全部やっつけるんだから、これって、やっつけてるの? そんな実感まるでないけど……」

 暗い顔つきで背後を振り返るオタクに、後ろのおじさんはこちらも少し渋い表情で見下ろしてくる。はじめ思案顔で首を傾げながら、やがてその口元にニマリとした穏やかでない笑みを浮かべて何やらぬかしてくれた。

「うむ。さすがに辛そうだな? なんならもう一発……いいや、だったらいっそ大技を試してみるか。初回の初見じゃまだ早いかと思っていたんだが、おまえなら存外できるかも知れない。そいつで残りのヤツらをまとめて一網打尽だ! おいモブ、喜べ! ヌかせてやるぞ? お待ちかねなんだろう?」

「え? 抜いちゃダメなんでしょ、さんざんイクなって言ってたじゃん! あふっ、あ、でも正直もう限界だから、イッていいならいきたいんだけど、ほんとにいいの? あとおねーさんはずっと見てるんだね、おれのこと??」

 気まずげな視線を右手のモニターに飛ばす青年に、その小型画面の中で微動だにしないメガネ女子はかすかにだけその細い顎をうなずかせる。メガネがひたすら光っていた。プライバシーの配慮は皆無らしい。かすかなため息ついて諦めるモブだ。

「ようし、大通りの中央に機体を固定、方角そのまま、微速前進! ゆっくりとだ。複数ある災害主の反応を見定めながら、絶好の射精、もとい射撃ポイントを確定する。ああ、そうだ、おまえがどでかい花火を打ち上げるためのな?」

 背後で意味深な物の言いように、ムッと眉の根を寄せて怪訝な表情の前衛操縦士。何やら聞き捨てならない含みがあったろう。

「微速、前進っと……花火? スマッシャーだよね、やること違うなら事前にいってくれないと……あ、ん、イッちゃう!」

「もうちょっとの辛抱だ! 頑張れ。慎重にシコれよ。その瞬間は近い。せいぜい派手にイカせてやるから、思い残すことがないくらいに思いっ切りにな? それにつき、ナニにヘンな手クセが付かないようにだけ気を付けろ!」

「あん、何、言ってんの? もうめちゃくちゃなんだって! おれ、もう何がフツーなのかわからなくなってきてるよ、あ、すごいな、ターゲットのサインがまた増えて、おまけにみんなこっちに向かって来てるよ? うわっ……」

 ちょっと引いている新米パイロットに、しかしながら背後のベテランは少しも動じることなくこれを受けてくれる。

「あいつらもみんなわかってるんだ、コイツめがけて群がってやがる。助けを求めるがごとくにな? 救ってやればいい。おまえの精一杯のナニで……! ようし、機体停止、この場で標的を待ち構える。ちんちん用意! 完全にイッてかまわないから、本気でぶちまけろよ? スマッシャーなんて屁でもない強力な一発、ブラスターをお見舞いだ!!」

「ぶ、ぶらすたー?? おじさんなに言ってるの?」

「ぬしと呼べ! 言うなればコイツの必殺技だな。搭乗者のオナニーによってのみ発動する大量破壊兵装、その名もオナニー・ブラスター!! ちんちんからほとばしる射精時の快感を全解放してそのバイブスを標的に叩きつけるんだよ! 食らったヤツは強制的に即打ちで射精、脳汁あふれる脳内お花畑で完全に朽ち果てる! 後におまえが迎える賢者タイムの恍惚と満足感もあいまって、どんな災害変異種でも成仏間違いなしだ!!」

「おっ、なにっ、またヘンなこと言ってる! いちいち頭にオナニーを付けないといけないの、この自衛隊では? 定冠詞みたいに?? ほんとにこれって自衛隊? 世間に知れたら炎上案件だよね、おれ、そんなののパイロットだなんてやってられないよ、これっきりにしてほしい!!」

「そんなことは前のヤツら、ないしコイツに言え。とにかくこのジュゲムを中心に効果範囲は正面から放射状に広がるから、なるたけ最高の絶頂を迎えることが一番のポイントだ。途中で中折れとかしたら目も当てられない。すかしっ屁にもなりゃしないからな? 快感と性欲の情念が増せばますほど視界の外にだって波動は広がる。理論上は360度のオールレンジ・バーストも可能だ。さすがにそこまでは行かないだろうがな……!」

「な、なに言ってるんだかほんとにわからないよっ! んんっ、あふ、もう限界! おねーさん、見てるなら見てて、おれもう本気で果てるから! これってセクハラにはならないよね?」

 顔を真っ赤にしてもだえるモブだが、背後のぬしにまんまとどやされる。

「余計なことは考えずに操縦桿に集中しろ! コイツがおみまいする一発の効果範囲予想のレンジ内にもうじきすべてが納まる! 一気に仕留めるぞ! 3、2、1……よし、すべて射程圏内にターゲット・ロックオン完了っ、ゆくぞっ、シートに身体をあずけて今こそ全力でシコれっっ!!!」

「ぜっ、全力っ、ああん、もうわけがわかんないっ! 本気でやるからねっ、おねーさんも見るなら見てて、自己責任で! 汚しちゃったらごめんなさいっっ!!!」

 かろうじて手元にかかっていた目隠しのフードをはらいのけてまんまをモロだしにする主務操縦士だ。決着の瞬間は近かった。

「うわあああああああああああああっっっっつっ!!!!!」

「総員耐ショック! ゆくぞっ、オナニー・ブラスター! 3、2、1ッ……発射ああああっ!!!」

 全てが轟音と激震、まばゆい光の中に包まれてゆく……!!

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変態機甲兵〈オタク・ロボ〉 ジュゲム file-10 ドラフト!

いきなり実戦ダダンダン!③

※太字の部分は、なろうとカクヨムで公開済みです。そちらが加筆と修正された完成版となります(^o^) こちらの下書きをなろうで修正、後にカクヨム(挿し絵はなし)で完成させています。
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Episode‐file‐10


 事態は切迫していた――。

 あっちのおじさん大ピンチ!

 外部の状況をくっきりと映し出す半球状の全景投影型モニターに、大小さまざま色とりどりの警告表示が映し出される。周囲で警告音もさまざま鳴っていたが、やがて収まると静寂も待たずにこっちのおやじが野太い声を張り上げる!
 一段高い後部操縦席から意気も高らかに機動指揮を発する気合いの入った教官どのだ。

「ようし、ジュゲム、これよりちゃっちゃと攻撃機動に入るぞ! コイツの記念すべき正式稼働、この一発目だ! 用意はいいなっ? 正面モニター、あのおやじの悲惨なさまを見てのとおりで猶予はもうないっ、一撃で仕留めるぞ!」

「あっ、は、はいっ? なにっ?? あっ、あっあん!」

 これに一段低い床面にある第一操縦席で応じる肥満のパイロットは、あいにくとこの反応がイマイチ……! それもそのはずで、今にも暴走しそうなみずからの股間を押さえるのに手一杯なのらしい。どうにも収まらない胸の高鳴りを荒い呼吸で意識しながら、今にもキモチイイ世界にぶっ飛びそうな心身をふうっ!ふうっ!!となだめすかす。かなりの難易度だ。もはや機体の制御どころではない。はみ出し気味の舌をどうにか引っ込めてこの視線を後ろのおじさん、ぬしへと焦点を定めるモブだった。

「ふへ、へ? へへっ、わかんないよ、おれ? あっ、あ、あ! ふうっ、こんなに硬くなっちゃって、もう大変だよ……! ふふっふ、ふう、はあっ、あれ? ああ、ダメだダメだ! ちゃんとやんなきゃ! と、とにかくビンビンに立たせたから、これでいいんだよね! おじさっ……ぬしさん?」

「……やっと正気に戻ったか? 勢いあまって抜いたりしてないからいいものの、加減はちゃんとやれよ。慎重にな。万一に抜いちまっても、もう一発食らわせればすぐさま復帰できるんだが、なにせこいつは精神的肉体的負荷がでかいし、次の日がまるで使い物にならねえからな。ターゲットをこちらで定めるから、おまえは気を張ってせっせとそこでシコれ! 精力の限り!!」

 ゴゴゴッ……!と低い稼働音がして、この大型ロボ自体がゆっくりと身じろぎ、どうやらこの右腕を前へと突き出したようだ。握った巨大な拳の先には例の謎の血みどろのぐちゃぐちゃと、これに全身をまとわりつかれた中年の警察官が苦しげにもだえる。

「いいか、コイツの機体各部にはオナニー・スマッシャーをぶっぱなす噴射口ないし発射口があるんだが、この腕にあるもので目前の対象物に威嚇射撃する。まあもろに当てちまうんだが、実弾じゃないからそう危険はない……はずだ!」

「はず?? ほんとに大丈夫? こんな街中なのに地味にオナニーってはっきり言っちゃってるよね? もういいんだ。それでどうするの? ん、このちんちん、じゃなくて操縦桿を倒せば発射できたりする? でどうするの? わっ、硬い、本物の操縦桿みたいだ! 股から棍棒が生えてるみたいだよっ、ゴリっゴリの! あ、わ、わ、ほんとに昇天しちゃうっ……!!」

「コラッ! 許可無く勝手にイクんじゃない! あと余計な私語は慎め、そっちのおねーちゃんに全部聞かれてるぞ? やればわかる! そら、目前の標的に向けてただちに発射、ヤツらにおまえのまっちろいのをぶっかけてやれ!」

「なんかヤらしい! アレじゃないんだから、ふう、じゃあ、いくよっ、スマッシャー! んんっ、あ、出た! ブワッってたくさん! おれのじゃないよ? でもそっか、よく言う顔射ってつまりはこういう気分なのかな? あはっ、はじめてひとに向けてやったよ!」

 かくも緊迫した状況で天然発言を炸裂させるオタクのでぶちんだが、しかめ面のおじさん自衛官に食い気味にダメだしされる。

「だから風俗じゃないと言ってるだろう! ばかちんが。操縦室はやり部屋じゃないんだ。それにまだここからだぞ? ここからはあの中年のおまわりとの共同作業だ! 意識はなくともこの本能に働きかけてエロのパワーをお見舞いしてやる。このジュゲムを通してあのおやじとおまえの感覚神経を同期同調させるぞ!」

「なに言ってるんだかさっぱりわかんない!」

「やればわかる! 何事も習うより慣れろだ! たった今のスマッシャーによってあの警官のおっさんの性欲も極限まで増大してるから、あの状態からでもきっかけひとつで昇天させられる! かなり混乱しているみたいだが、あと一押しだ!」

 手元を股間に当ててハッハッと顔を真っ赤に上気させながらも、怪訝な目つきを背後にくれる主務操縦士だ。そんな元気でとんちきな若者のさまを前にして、真顔のおじさんは勢いが止まらない。おまけ何やら理解しがたいことをでかい声でぶっちゃけてくれた。この世の中、声がでかいヤツが勝つのだとばかりにだ。

「いいな、エロの爆発的なエネルギーを身体の中から暴発させて、それこそヤツ自身が爆弾と化してこれに取り憑くあの厄介なクリーチャを粉みじんに粉砕だ!! これぞまさしくオナニー爆弾! ま、ある種の自爆っちゃあ、自爆なんだが? どんなに悪意や恨みが深かろうと、おっさんの性欲に勝る情念はこの世に存在しない!!!」

「おっさんの? だからなに言ってるんだかわかんないって! ふうううっ……ん! で、おれはどうすればいいのさ?」

 股間で暴れるみずからの分身をいよいよもてあましながら、混乱するばかりのモブに、後ろのおじさんは当たり前みたいな涼しい顔で言ってくれる。やっぱり理解不能だった。

「だからシコればいいんだよ。何度も言わせるな? だがまずその前に、パニクってるあのおまわりに勧告を出す。共同戦線張るための事前準備だ! ただしこの俺が言っても相手には聞こえないから、おまえが代わりに言ってやれ! マイクオン! ゆくぞっ、あのポリに向けてがなってシコれ!! さあっ……」

「え、え、え、え? 何を? あの状態で言葉なんて通じる?」

「いいからっ! これからこの俺の言うことをあいつに向けてまんま繰り返せっ、いくぞっ? ……おいっ、そこのおまわり!」

「え、おまわりって、言い方アレじゃない? もうちょっと……!」

「おまえだおまえっ!! 良く聞け、これからただちに救出活動に入るから、こちらの言う通りにおまえもただちに従えっ! 反論は一切受け付けない! いいなっ、これは国からのまっとうにして合法な正式命令だっ!! 公務員に拒否権はなし!!!」

「えっ? あ、あの、あの、あのっ……そこのおまわりさーん! すぐ助けに入るんで、こちらのいうコトにすぐにしたがってくださーい! おねがいしまーす!!」

 スピーカーで拡声拡散する以上、後ろからの言葉のまんまだといろいろとアレな感じがしたので、じぶんなりにかみ砕いてはみたのだが、ただちに頭から罵声を浴びせられる。一呼吸入れてさらにデカい声でがなり散らすおやじに、ほとほと困惑しながら前のめりでモニターに向かうでぶちんパイロット。

「デブすけっ、もっと声を張れ! おまえの行動にひとひとりの人命がかかっているんだぞ! いいか、ここからが重要だ! ゆくぞっ、はあっ、そこの死にかけの警官っ、ただちに――」

「もうっ、そっ、そこの大ピンチのおまわりさんっ! ただちにっ……!!」

「オナニーをせよ!! 即刻! おおらっ、死力を尽くして全力で自慰行為にはげめっ!!!」

「オナニーをせよっ!!? 全力でじいっ、こ、う、え、ええええええええええええええっ!? いきなりなに言ってんの!?」

「ばかちん! 繰り返せと言っただろう! 中途半端な声かけじゃ感覚中枢まで届かないからしっかり感覚がつながらないっ!」

「いや、だって!?」

 ひたすら当惑するオタクに顔つき険しくこれを見下ろすぬしは真顔で言い放つ。もっともらしげにしたセリフは、だが良く聞けば意味がわからないことだらけだ。さらにのけぞる前衛操縦士。

「ええいっ、ならこっちで補佐、補足するからおまえはもうじぶんのナニにだけはげめ! ただしあの中年のおまわりが付いてこれるよう、ゆっくりとていねいにやさしくやってやれよ? ガキの勢いに任せた発情行為じゃヤツが付いてこられまい! 自衛官たるもの、おのれにも他者にも愛を持って接し尽くすべし! それこそがこの俺たちがなせる自慰のあるべき真の姿だっ!!」

「自衛官関係ないじゃんっ! おまけに警官にナニをやれだなんてさっぱり意味がわからないよっ! こんな真っ昼間の公道で、やれるわけないじゃないっ? ふうっ、ふうぅ、まあ、おれはかろうじてこうしてやれてるけど、ここ個室だから! 相手はまじめなにっぽんのおまわりさんなんだからね? やるわけが……あれ、なんかヘンだよ? あのおじさん、まさか……!」

「ぶちまいたスマッシャーが猛威を振るっているな? 警官だろうが坊主だろうがお構いなしに! 内側からの刺激に、鼓膜を通した外部からの刺激にも反応して無意識にでもスイッチが入っている。これぞ本能! もう誰にも止められまいだ!!」

「本能って……あ、あのおじさん、股間のチャックを開いてる? 出した、今? 内部からぽろんと、アレを? わ、いちいち拡大とかしなくていいから! 別に見たくないし! わ、握ってる! 思いっきりに! しかも……」

 目の前の大画面モニターの中の異常事態が、ここに来てまたさらにとてつもないことになっている……!? これにはたまらずギョッと瞳を戦かせて、うげっと腰が引けるモブだった。かなり気色の悪い光景で、おまけに不可解な現象がそこでは、はっきりと見て取れるのだ。後ろでおじさんが得意げに言ってくれる。

「フッ、どうだ、おまえの動きをピッタリとトレースしているだろう? シンクロしてるんだよ! おまえの感覚、快感がすなわちあのおまわりが今感じている快感だ。リアルタイムにな? ならそのままフィニッシュ、あいつを射精にまで誘導しろ! ただしおまえはまだイクなよ? 余力はまだ残しておけ」

「えっ、あふ、あふぅ、あふうっ……! こんなんでどうにかできるの? ふうっ、だいぶいいカンジになっちゃってるんだけど、なかなか寸止めってできないもんだよ? ああ、あっちも気持ちいいみたい! 身体中がビクビクなってる!?」

 離れた場所でこれを見聞きしているだろうふたりの自衛官たちには、てんで理解不能なバカげた会話が繰り広げられる。もはや誰にも止められない。監督官あたりに言わせるのなら、詰みである。


「ケータイや無線機みたいな電波を介した無線越しなら、どうにか言葉責めで墜としてやれるんだが、この状態じゃそうはいくまい。おまえが連れていってやるしかないんだ、気持ちの良い天国へ! あと一息で決めろ!」

「んんんっ、そんなこと言ってもおれ、他人のオナニーなんてコントロールできないよ、あれ、コントロールしているの?」

「ちゃんと同期同調しているだろう。もはやおまえのちんちんはあのおやじのちんちんと一心同体だ! やさしくイカせてやれ」

「気持ちわるいな……やさしくって……ん! じゃ、じゃあ、ごめんなさい、そろそろイカせてもらいます、おまわりさん! だからおじさんも心置きなくイッてください!! それじゃあ、それっ、ん、まだダメ? それ、そうれ、そらそらそらぁっ!!! あふう、こっちがイッちゃうよっ……!」

「イッたな! 白目をむいてるが悔いのないいい顔してやがる。大往生だ。モブ、わかるな? あれは生き恥じゃない、まさに正々堂々、やりきった漢の悔いなき真の生き様だ……!」

「もうっ、白いのめちゃくちゃぶちまけたじゃん! あのおじさんてば!! 警官なのに? 本当に報道のカメラは入ってないの? だとしてもせめてモザイクはかけてくれてるよね? おれ、悪いことしちゃったんじゃないのかなー……!」

 ちょっとビミョーな顔つきになるところに、手元の小型画面からしばらくぶりに外部からの通信による音声が入る。一難去ってまた一難。想像を絶する状況はまだ終わりでは無かった。目の前にふたつ並んだディスプレイのこの左手に映る中年の自衛官、監督官の村井がいつも通りの真顔でこの口を開く。

『おめでとう! 第三種災害の発生因子を無事に駆逐完了、これをこちらでも確認した。見事な操縦技術だよ、感服した。さすがは選ばれしオタクだ。ただしこれで終わりではないので、引き続き気を引き締めて任務を完遂されたし。巨額の税金を無駄にしないためにも……!』

 わけがわからないままに褒められても、まるで実感が持てないオタクのでぶちんだ。気まずげに視線をみずからの股間に落とす。

「ううん、操縦技術って……! おれなんにもしてないよ? ただここでアレをしてただけで……?」

「大したオナニーテクニックてことだろ? 男としては悪いことじゃない! 素直に受け取っておけ。事実、おまえはそいつであのおまわりの命を救ったんだ。それで十分だろう?」

「そうかな? あ、そうだあのおまわりさん……! ああ、あそこに倒れちゃってるけど、大丈夫なのかな? あれ、あとなんかひとがひとり、増えてない? 見慣れないスーツ姿の、おじさん、かな? やっぱり倒れているけど、あんなひといたっけ??」

 股間から目の前の外部状況ディスプレイに視線を上げて、そこで目をぱちくりさせてモニターに見入るモブだ。瀕死状態の警官の他に、そこにはまたひとり見知らぬおじさんぽい人影が映っていた。忽然とだ。地味なスーツ姿のサラリーマンぽかったが、これまでどこにもそんな姿はなかったはずだろう。すると後ろでぬしのおじさんが驚きもせずにむしろ当たり前みたいな調子で答えた。

「ああ、そいつはあの変態新種生物の根源、宿主(しゅくしゅ)だったヤツだろう。警官のおやじが見事に果てて、取り憑いていた悪い憎念が根こそぎ爆ぜたから、もとのひとのかたちを取り戻したんだ……! あれならもう災害を巻き起こすこともないだろう」

「へ? そうなの? よくわからないけど、とにかくいいんだね? ほんとに? それじゃこれからどうするの、あのひとたち、あのままほったからしにはできないよね?」

 あまり腑に落ちないさまで振り返る新人パイロットだが、これにはむしろ前の小型画面から返事が返る。監督官が神妙な顔つきで言うのだった。

『いや、そのあたりについてはパイロットのきみが案ずることではない。心配は無用だ。ちゃんとそれ用のスタッフたち、後始末専門の処理班が待機しているので、そちらに任せてもらって構うまい。きみはきみのなすべきことに専念してもらえれば。任務はまだ継続中だ……!』

「処理班? つまりは救護要員みたいなこと? どこかに救急車が待機してたり? でもここって、今は誰も入って来れないんでしょう?」

 疑問ばかりを口にするオタクに、背後のベテラン自衛官は冷めた眼差しでこれを見つめながらしれっと任務の続行を促す。

「おまえが気に病む必要はない。いいから操縦桿だけイジってろ! まだ終わっちゃいないんだぞ?」

「え、まだ終わりじゃないの? でも……」

 はたと首を傾げるモブに、今度は手前の右側の小型ディスプレイの中の若いおねーさん、監査官の神楽が真顔で注意喚起をしてくれる。相変わらずメガネが光っているおねえさんだ……!

『小宅田准尉! また新たな第三種災害の災害主が出現した模様です。最低でもあと三体は潜んでいるものと思われます……! どうか警戒を怠りなく。わたしは応援しています』

「ナニを??」

 またビミョーな顔つきになるモブだったが、背後のおじさん、ぬしからも注意をされてしまう。

「ナニだろ? まだイケるな? 悪いが本番はこれからだ! どれ、場所を変えるぞ。ついでにこいつの操作も覚えていけ。まずは基本的な動作からだな?」

「え、まだやるの? おれそんな持つかなぁ……?」

「ファイト一発! またさっきのを食らわせてやろうか? ほれ、いいからさっさと移動するぞ、倒れてるおまわりたちを迂回しながら、大通りを前進! 踏むんじゃないぞ? せっかく助けたのに?」

「踏むわけないじゃん! どこに行くの? まださっきのみたいな気持ち悪いのが出てきたりする? おれあんなの見るのもうイヤだから、うまいことモザイク処理とかかけられない?」

 苦い表情で訴える小心者のオタクに、性格至ってがさつなおじさんは無関心なさまで突き放す。もはや問答無用で任務続行だ。

「そんなもんは目の前のヤツらに言え! 俺が知ったことか。まずはゆっくりと前進! どら、股間の操縦桿を正位置で用意、これをゆっくとり前に倒せ! そら、やってみろよ?」

「正位置ってなに? ああん、もう、ちんちんいじるのが当たり前みたいになっちゃってるよ! ならここもちゃんとモザイクかけてよね? えっと、しごかないでただ倒せばいいんだよね? ボッキはさせた状態でぇ……」

「当たり前だろう! 萎えたらそれでおしまいなんだ。歩くどころかその場で行動不能だぞ? ゆっくりと、はじめは慎重にな」

「わ、わかった……! じゃあ、こんなカンジかな?」

 みずからの股間のイチモツと正面のモニターに映る景色を見比べながら、左手のスナップを軽く利かせてこれを前へと倒す新人パイロットだ。後ろの教官の言うとおりに従うと、ガシンガシンと音を立てて、このコクピットが揺れるのがただちに体感できる。その微妙な縦揺れにちょっと感じてしまうモブは、ヘンな声を出しかけて慌てて口をふさぐ。前ではすぐ手元にある小型画面の中でふたりの自衛官たちが真顔でこちらを注視しているのだ。
 今さらながらちょっと目線のやり場に困る、お年頃の青年である。ともあれ、確かにみずからのちんちんの倒し方でこのロボを操作、動かすことができた。ならばその倒し方によってこのスピードや方向を制御できるのかと思って、微妙な力の加減を試してみるオタクだ。
 救出したおまわりさんたちが見えなくなったところで機体を停止。その場で前後左右にスティックをさばいてこの感覚を確かめる。このあたりが実にオタクだったろう。そうして驚くべきことに、軍の機密兵器の巨大ロボがその実、ラジコンさながらのお手軽な操作でシロートにもしっかりと動かせていた。ある意味、異常だ。思ったままに操縦席を揺らす縦揺れに、ひたすら感心して表情を明るくさせるにわかパイロットである。

「わあっ、ほんとだ! ちょっと揺れるのがアレだけど、ちゃんとこのおれのちんちんの動かすとおりに動いてるよ、このロボ! ジュゲムだったっけ?」

「そうだ。今のうちに慣れておけよ? おまえは操縦のセンスがあるようだから、すぐにこれを掴めるんだろう。前に倒せば前進、後ろに倒せば後進、横はどちらも左右に平行移動する。まんまだな? もう分かっているようだが、倒し方の程度でスピードを調整することも可能だ。わかりやすいだろう?」

「そうだね! でもそれじゃあ、機体の方向を変える場合はどうすればいいの? 常に正面を向いたままだよね、これ?」

 果たしてオタクの血がそうさせるのか、俄然集中して正面のモニターに向き合うモブ。これに後ろからおじさんの適格な指示が出される。傍目には訓練機の教習みたいなありさまだろうか。

「その場合は単純に目線、おまえの頭を任意の方向に向ければ良い。ちんちん、操縦桿を通して感覚神経がロボと同期、一体化しているから基本はおまえの動作をまんまトレースしてくれる。ちなみに両足をバタつかせることでジャンプしたり、駆けったりもできるはずだ。これは相当に慣れてからだな?」

「あっ、ほんとだ! おれが向いてる方向がちゃんとモニターの正面に納まってくれるよ! 意外と簡単だね? 移動する以外の動作はどうすればいいの? 腕とか脚とか?」

 かなり飲み込みがいい生徒のはきはきした質問に、背後の教官席のぬしもまんざらでもなさげな顔つきで応じる。意気が合ってきたのを実感しているものか、口元がニヤついてたりしたか?

「まあ、基本はひとりでもできるもんだが、複雑な動作はこちらで受け持ってやるさ。今の内はな? 体重掛けたパンチだのキックだのは、とろいオタクのでぶちんには荷が重いだろ!」

「そんな格闘戦しなくちゃならない状況になりうるの? おれちょっと納得いかないんだけど……ん、あれ?」

 ふたたびコクピット内に甲高い警告音が鳴り響き、周囲のディスプレイ上に赤いマークがいくつも浮かび上がる。こちらから見て近くにあるものと遠くにあるものとで大きさがまちまちなターゲットサインは、中でも三つくらいがごく近くにあることを示していた。これを感覚的に捉えて状況をそれと把握するモブだ。

「えっ、やだな! また来るの? あんな気持ちわるいのが……やっぱり!!」

 言ってるそばからだ。大通りの左右からぞろぞろと姿を現しはじめるゾンビもどきに、げんなりして顔つきをゆがめる主務操縦士だった。背後のおじさんが声を荒げる。

「わざわざあっちから出てきてくれたんだからありがたいだろう! 潜伏されたまんまなら、むしろこっちから出て行かなきゃならないんだ。白兵戦だな? おまえできるのか?」

「白兵戦だなんてっ、シロウトのオタクに言わないでよ! 絶対にムリだから! ……その時は、ちんちんいじってなくていいんだよね?」

「その時になればわかる……! 今は目の前の敵に専念しろよ、ここからが総仕上げだ。ヤツら団体さんでおでまだぞ!」

「まだ慣れてないのに、大勢を相手になんてムリだよ! てか、踏んづけちゃったりしたらダメなの?」

「ひとを殺すことに躊躇がないのなら、それもありかもな?」

「ひとって……! ひとなの?」

「見たまんまだ。くるぞ!」

「もうっ……!」

 真っ昼間の人気無い秋葉原で、オタクとおじさんの戦いはクライマックスを迎えようとしていた……!!

    ※次回に続く…!






村井 カグラ 

基本動作

会敵…

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変態機甲兵〈オタク・ロボ〉 ジュゲム file-09 ドラフト!

いきなり実戦ダダンダン!②

※太字の部分は、なろうとカクヨムで公開済みです。そちらが加筆と修正された完成版となります(^o^)

https://mypage.syosetu.com/2965007/ ← 小説家になろう(ルマニア、ジュゲム)
https://kakuyomu.jp/users/kumanosukew ← カクヨム(ルマニア、ジュゲム)
https://syosetu.org/novel/381100/ ←  ハーメルン(俺の推し!)


Episode‐file‐09


 ピンチだった――。

 見ず知らずのおじさんが。

 その時、目の前で警察のおじさん、お巡りさんが乾いた悲鳴を発したのは確かに聞こえていたはずだ。だが慄然としたきりまるで動けないオタクは、その身を硬くこわばらせるばかり……!
 日頃の運動不足でぶくぶくに太っただらしのない身体が小刻みに震える。大事な部分を押さえるはず左手までがガチガチに硬直していた。凍りつくような静寂の中、かすかに鳴った背後からの舌打ちがきっかけでようやくこの声が出せたか。
 完全にひっくり返った情けのない裏声をだ。喉が干上がる。

「わあっ、わあああ!! 食べられちゃった! 食べられちゃったよ、おじさんが!? おまわりさんがよくわかんないヤツに飲み込まれちゃった!! うわっ、グロすぎっ、待って、うわわっ、た、たすけないとっ!! とにかくあのおじさんをっ!!」 

 もはや顔面蒼白! でぶった上体をむりくり背後にねじ曲げるオタクのパイロットの泡食ったさまに、これをまずは高くからジロリと見下ろすだけのおじさんである。また舌打ちがしたか? かくして教官よろしくしたぬしが腕組みしたままで冷静に返す。

「ぬしと呼べ! おじさんじゃねえだろう、おじさんだけど。とにかく落ち着け、あの手のタイプの常套手段だろうさ。ああやって接近した対象を無理矢理にでも取り込んで捕獲、ないしみずからに同化吸収するってのは? おまえもオタクならその手の漫画やゲームを見たりしたことないのか? ありがちっちゃあ、いかにもありがちだろ!」

「ま、マンガって、だって現実じゃん! これってバカでっかいモニターにゲームの画面がただ映されてるってワケじゃ無いんだよねっ!? 冗談やめてよっ、ちっとも笑えない! それにあのお巡りさんが襲われてるアレ、一体なんなの!? あの全身がネチョネチョでやたらにぐちゃぐちゃしたヤツ!!」

 そのやけに冷静なさまに少なからず当惑させられながらも下段の操縦席から食ってかかるモブだ。口から泡を飛ばして文句をがなる。クレーマーさながら。言われてる当のおじさんはただ面倒くさそうだったが。

「ほんとにありえないよっ、たとえゾンビにしたってもうちょっとマシなカタチしてるよね? ねろねろのドロドロで気持ちが悪いったらありゃしないっ、マジで真っ赤なゲロじゃんっっ!!」

「ふん、そうやってはっきり言語化されると気が滅入るな? まあ、タイプ的に分類するならスプラッタとかヘドロ型でいいんじゃないのか。スライムは有名過ぎてちとアレだろ? だからってこうも露骨な擬音にしちまうと受け取る側によって思い描くものがまちまちだから、むしろ混乱するってもんでな? で、どうするんだ?」

 片手で耳をほじほじしながら冷めた調子で最後にはそう聞いてくる教官。まさかの質問返しにひたすらたじろぐ新人くんだ。真顔の不意打ちに思わずぎょっとして視線をあちこちにさまよわせる。果ては額に大粒の汗を浮かべて声色を苦しげうわずらせた。

「どっ、どうって! わかんないよっ、あのおじさんがピンチなのはわかるけど、あ、ほとんど身体が飲み込まれちゃってるよ! もう全身真っ赤っかだっ!! わああっ、どうしようっ、どうすればいいの? このロボ、戦えるんでしょ!? わっわっわ!」

 いざ戦うにしても操作の仕方がさっぱりなどシロウトのオタクごときでは、いかんともしがたいものがあっただろう。やり場のない利き手がいまだ宙をさまようばかりで一向にらちがあかない。まさしくお手上げ状態だった。それをつまらなそうに眺める後部座席のロボの主人。よって、下らない文句ばかりのクセにわりかしやる気はあるんだな?とかたちのはっきりした眉をひそめるおやじは、何食わぬさまでまた聞いてくれる。

「もちろん。そのためのこのロボ、ジュゲムだからな? で、おまえ、ちゃんとやることやってるのか? さっきから少しずつ機体が傾いてるが、コイツを操縦するための操縦桿、すっかりお留守になってやしねえだろうな?」

「えっ、操縦桿? このちんちん? いやだって……!」

 不覚にもしばらく触れていなかったみずからのイチモツは、太いお股の間ですっかりと小さくなっているのが今さらながら意識される。ダメだ。完全に萎えている……! うつむいたきり硬直する主務操縦士に、やれやれと肩をすくめる副操縦士兼教官のぬしは大きくかぶりを振った。

「まったくこのトーシロめ、いいからとっとと復旧させろ! 目の前の標的をしっかりと見ながらだな? 目ぇ離してたら見失っちまうだろ、ついでにあのおまわりもまんまと手遅れになる! さっさとシゴいて大事なモノをおっ勃たせろ!」

「ええっ? いや、あんな気持ち悪いの見ながらじゃさすがにムリ! うわ、ほんとに気持ち悪いっ、最悪だよ、あのおじさんどうなっちゃうの? 痛いのかな? まだ意識あるかな? そもそもあんなのどうやって助けるの? あとおれあんなの見ながらはやっぱりムリだよ、あれをオカズにシコれるようなのは人間性が破綻してるし、むしろ犯罪者だよ、そいつ自身が? おれはムリ……」

 一層に青い顔色で見上げてくる新米のどこかズレてるセリフに、またしても舌打ちしてこれを見下ろす教官どのだ。苦いツラで苦々しげに苦言を呈してくれる。だがこれにまた深刻な表情でみずからの声音を震わせるでぶちんだった。

「おまえな、事態のヤバさがまだわかってねえんじゃねえのか? 早くしないとマッポが手遅れになるぞ! おい、今この時だけでも性癖をねじ曲げてあれをオカズに励むくらいの柔軟性は持ってても損はしねえだろう、人助けにもなるし? モブ、マジで人命がかかってるんだぞ?」

「ムリだよ。おれ、あのおじさんじゃシコれない……!」

「誰が警官をオカズにシコれと言った!! そっちのほうがよっぽど人格破綻者だろうがっっ!!?」

 すかさずした頭上からの鋭い叱責に、まあるいなで肩をすくめさせるモブはしぶしぶとまた前に向き直る。やっぱりムリだよな~~~!とブチブチ言ってる肥満のオタクに、手前の操作盤の小型画面で困り顔して固まる自衛官たちだ。
 この主務操縦士の背後にいる第二操縦士のおやじの姿や声が認識できないだけになおさら状況の把握がおぼつかないのだろう。
 それを高い座席から見下ろしていた当の教官はまた舌打ちして声を荒げる。通信回線の向こう側には聞こえないながらに。

「わかった、わかった! ちゃんとサポートしてやるからしっかりとナニに専念しろ! でないとコイツが姿勢を崩してその場に倒れかねない。地面やら建物やらにめり込んじまったら、いざそこから立たせるのは至極困難で厄介だぞ? こんな重たいデカブツくんを……!」

「え、サポートってなに? まさかおじさんがこのおまたに直に手を伸ばして、力ずくでムリヤリにだなんて言わないよね? ますますムリだよ、おれそんな趣味ないし??」

「風俗じゃねえんだぞ、このばかちんが! 何がかなしくってこの俺がおまえのちんこなんぞ……はあ、こんなやり取り前のヤツらに聞かせられたもんじゃないな? この姿が見えなくて良かった。おほんっ、まあ、そっち向けの救済措置も当然に装備している。コイツは! ただし今回のはおまえ自身のヤツでだな?」

「え、おれ? でもおれは何にも……」

 きょとんとしてみずからの身体を見下ろす抜け作のでぶちん。すると背後のおじさんは呆れた顔でますますこの語気が荒い。

「いいから黙ってろ、おまえのそのガチガチのパイロットスーツ! そいつはタダの見かけ倒しじゃねえんだ。それじゃ、ちょっとブシュッ!てなるから、慌てずにゆっくりと深呼吸しろよ? 口からでも鼻からでもしっかりと肺に取り込め……おらっ!」

「へ? うわっ、はっ!? ごはっ、なにっ、今の! なんかブシュワッてこの顔にかかってきた、どこから!? ゴホッ、ゴホッ! あ、胸のこれ? ポケットじゃないんだ? うわ、なんか臭いな、えっ、なんなのこれっ!」

「ただの景気づけだ。すぐに効果が出るから、さっさと操縦桿をしっかりと起ち上げろ! もうイケんだろ?」

 不意のタイミングに面食らう。どこからかいきなりこの顔面に白い蒸気みたいなものを吹きかけられて、目を白黒させて激しく咳き込むモブだった。もだえながらに涙目で背後を見上げるのだが、またすぐにもこのみずからの股間へと視線を落とすことになる。ある種の違和感を確かに感じていた。触って確かめるまでもなし、股のあいだですっかり萎縮していたはずアレが、見る間にカチコチに熱くなっていく。手品みたいに。おまけこれに応じてみずからの気持ちも高まって息が荒くなるのを意識する青年だ。いっそ魔法にかけられたみたいに。

「え、なに、コレ? なんか触れてもいないのに勝手に大きくなってるよ、アレが? あとなんか、それになんか、ムラムラしてきちゃってるよ、おれ? なんだろう、あ、すごい、身体が熱くなってきた! あれ、凄い、痛いくらいに元気になってきちゃったよ、どうしちゃったの、おれ? あとこのちんちん!」

「ふん、そいつは良かったな? 補助装置のスマッシャーだ。エナジードリンクの強化版ってところか? 性欲増進とちんちん増大に特化した! 言うなれば特殊なガス状の興奮剤で、おまえの胸にあるのはポケットに見せかけた特殊気体の噴射装置なんだ。効果覿面だろ? わかったらさっさとジュゲムにパワーを送れ。たぎるエロのパワーを!」

「え、エロって、うわ、なんかヘンな気分。グロいの前にしてもぜんぜん気持ちが高ぶってる! 高揚感がたまんないよ、ムラムラしちゃう! おれ性癖ねじ曲がってるの? ああ、たまんない、たまんない、はあっ、やばいよ、おれ、今ならあのおじさんでぜんぜん抜けちゃう!! おまわりさんが大好きだよ!」

「シャラップ! そこまではいかんでいい! おい、正気はちゃんと保てよ? 若いヤツはすぐに調子こいてぶっ飛びやがる」

 一気に盛り上がる若造に後ろから冷や水浴びせる年長者だ。
 ぬしはいささか渋いツラで注意喚起するが、伝わっているかはかなりビミョーである。

「いいか、そいつはいわゆる強力な色欲激増効果による自慰昇天剤なんだが、もっと言っちまえばいわゆる誘惑剤、とどのつまりで媚薬ってヤツだ。覚醒剤のそれとはまるで効果が違う劇薬だな! なんたって強制的にエロい気持ちにさせて、ついでにエロいこともガンガンやらせちまうってほどの? ひとたび吸えば確実に自慰行為にまで持って行けるぞ。そいつが坊主だろうが警官だろうが、まさしく今のおまえみたいにな! 性奴隷も可能だろう」

 およそ自衛官には不適格な発言と不謹慎な単語の連発だが、顔を赤らめて股間の熱い誘惑に鼻の穴がふがふがしだすでぶちんは上の空で聞いていた。今しも頭の中一杯にピンク色した甘い妄想と肉感あふれる欲情が広がるのを心臓バクバクで実感しながら、口から熱い吐息とツバがあふれ出るのをもはや止められない。

「はあっ、びっ、びやくっ!? ほ、惚れ薬ってこと? はぶっ、そ、それって、しゅごくない? んんっ、すごいよっ、だってこんなに効果あるんなら、すごいことに使えそうっ! ジュルッ、ああ、ヨダレが出ちゃうっ、おれ、うふっ、メロメロだもんっ! わわわっ、ダメダメっ、めちゃめちゃ硬いっ、たた、たしゅけてっっ!! おれもうダメ人間になっちゃうよっっ!!!」

「今だけだ。素直に墜とされちまえ! だからって不埒なことは考えるなよ? ガスが届く範囲なら確かに他人にも吹きかけることはできるが、効果は個人差あるし、おかしな副作用もありえるんだ。あと、女に使うとむしろ嫌われる可能性があるぞ? あくまでも男の子がファイト一発!元気にシコるために開発された薬剤成分だから、基本同性にしか効き目がない。ま、いかんせんこの材料にしてるのが、おまえのアレだからな……」

「は、は? ああっ、もうなんでもいいっ、なんでもいいよ! とってもいい気分! はやくこの勢いでおじさんたすけなきゃ! アソコがカチンコチンのビッグバンみたいだ! バンバンのバン! ああ、おれ、ちょっとおかしいよっ、あっちのおじさん、今助けるからね! じゃ、こっちのおじさん、どうするの?」

「ぬしと呼べ。口から舌がはみ出てるぞ? おかしなアヘ顔さらすならモザイクかけてもらえ。まあ、このロボの調子を見るためにもこの場はちょっと荒療治をさせてもらおうか。あのおまわりにはいささか気の毒だが? 幸いにもひと目はないんだから、ちょっとくらいの恥はさらしてかまわないだろう。ヤツらにスマッシャーを使用する。ただし今度はおまえのじゃなくて、このジュゲム本体のヤツだな!」

「あっ、はははは! ふううっ、なんか、ムズカシイこと言ってない? じゅ、じゅげっ、このロボにもあるの? こんなっ、すごいのっ、ああっ!! へへっ……」

 厳しい顔つきで指揮する教官に、聞かされる新人はまったくの上の空だ。ぼんやりした表情で焦点が定まっていない。麻薬でラリったジャンキーと変わらなかった。頭上からの舌打ちでビクンと肩がはねる。頭を振ってかろうじて意識を取り戻したか。

「お、おまわさんを、助けるんだよねっ? そうだ、はやくやんなきゃっ、はやくっ、ああ、でも、その前にイッちゃうかも……!」

 ピンチもピンチの光景にどうにか昇天――。
 もとい焦点を合わせて歯を食いしばるモブだったが、この直後、背後の教官の指示のもとにさらなるピンチへと警察のおじさんを突き落とすことになるとは思いも寄らないのだった。ある意味、良かったのかもしれないが……!
 容赦ないおやじの号令が響き渡る。
 空前絶後の破廉恥な戦いがはじまるのだった。
 オタクのでぶちんが飛んだ災難だった。
 絶叫と白濁した飛沫が実弾さながら飛び交う戦場。
 悪夢のはじまりだった。
 AVじゃん。かなりとち狂った企画ものの。
 後の青年の正直な回想である。
 かくして、たった今――。

 男たちの戦いがはじまった……!
 









プロット
警察官 エネミー ネチャネチャ どろどろ スプラッタ ヘドロ…
警官が謎のヤツに攻撃される 取り込まれる? 食われる?
モブの出番… 
ぬし オナニー スマッシャー バスター? キャノンは使用しない。 処理班はまだ出番なし。マスコミ関係者?