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ルマニア戦記/Lumania War Record #006

#006

 田舎の前線基地を発ってから、およそ丸二日――。

 その日の朝方に予定にあった中継地点にたどり着いたベアランドだが、そこにはもうすでに仲間たちの姿は無かった。

 ただひとりだけ待ち受けていた若いクマ族の補給機のパイロットにおおよそのいきさつを聞いて、それからすぐにじぶんたちも中立地帯のオアシス都市国家を飛び立つこととなる。

 事態は急を要していた。

 幸いにも機体にこれと目立った損傷がないことで、移動しながら機体の点検、オールグリーンだと年少のクマから聞かされるこちらもまだ若い青年のクマ族はご機嫌なさまで大きくうなずく。

「はっはん! 傍目には3対1の大ピンチってヤツを頭脳戦でまんまと無傷で勝ち抜いたからね♡ そうだ、あとでシーサーにお礼を言わないと。あいつがぶっ壊してくれた赤いふとっちょのアーマー、やっぱり調子が悪かったみたいでさ、土手っ腹に不意打ちでビームをぶちかましたら見事にうろたえまくってくれてたもんね? おかげですんなりとバックれられたし! 広い戦場でいずれまた巡り会うこともあるのかなぁ、そしたら今度はちゃんとお相手してあげないと♪」

「はあ、ほぼ無傷であったのはさすがに驚きました! 自分もちょっとは覚悟をしていましたから。ウルフハウンド少尉どのは無理をしなくていいとおっしゃっていましたが、このタイミングならひょっとしたらこちらのほうが早く目的地にたどり着けるのではないでしょうか?」

 いくら有能で腕のいいメンテナンスでもひとりではこんなデカブツのアーマーは手に余るのだろう。

 そんなちょっとほっとしたさまのリドルの言葉にはしたり顔して返した。

「まあね? とは言ってもあちらさんは予定を早めてさっさと製造港(ドック)を出発しちまうんだろう? 極秘開発があっさりバレて敵さんにあぶり出されるカンジでさ! 西岸一帯にいくつもダミーの港があるからただちに袋だたきになんかされないまでも、出来上がったばっかりなのが護衛のアーマーもなしの丸腰じゃしんどいよな。さあて、どうしたもんだか……!」

「はい、機密を保持する以上、こちらからヘタに通信するのは得策ではないかと。でもそれではあちらの状況がまるで掴めませんし、援軍であるこのぼくらとの連携も取れません!」

「まあね。ごちゃついた状況の把握ってのは、俯瞰で見るのが一番手っ取り早いんだよな? てことはそうだな、一発あれをやるしかないか! 前にもシーサーの時にやったことあるし、距離を稼ぐのには打って付けだもんな、このぼくのランタンが特技、必殺の弾道ミサイルダイブ!!」

 言いながらひとりでしごく合点するのに、はじめモニターの中で不思議そうな顔したクマ族がはたと首を傾げる。

 ※テキストと画像は随時に更新されます(^^)


「はい? 弾道、ミサイル……?? あ、それをやるならもっとちゃんとしたチェックを! 大陸間弾道ミサイルさながらの弾道軌道で大気圏を突っ切るなんて普通のアーマーにはできない芸当でありますから!!」

「あっは、まあまあ! そこは細かいこと言いっこなしで♡ この際なんだからさ。リドルはなるたけ急いで追っかけておいで。はじめに見た時より見た目がいかつくなったけど、それってローターエンジンを増設して航行能力をより高めたんだろ? さてはおやっさんの取り計らいで本国からはるばる送ってきたんだ!」

 話をすり替えられて調子が狂う若いクマは戸惑いながらに返した。

「あ、はい。おかげでウルフハウンド少尉どのたちに置いてけぼりにされました。手伝いが必要なら怪力のベアランド隊長どのがおられるとかで……あはは。でも実際は現地のスタッフさんに助けてもらいましたから。でもそれだから先発の少尉どのたちよりも先に新造戦艦、『トライ・アゲイン』には合流できます!」

「ん、ああ、トライ・アゲイン……か! そんな名前だったっけ? そうか、なら善は急げだな! 時期を逸してそれこそが名前の通りに再挑戦だなんてことになったら笑うに笑えないもんね。ようし、エンジン全開、ぼくらの新しいお家(うち)目掛けてはりきってぶっ飛ばすよっっ!!!」


 ベアランドたちがバタつきはじめた頃とほぼ同時刻。

 ところ変わって、こちらは大陸西岸域に位置する某地方国家の大きな港街――。

 巨大な港湾施設がコンクリで固められた岸壁にそびえる。

 いわゆる大型の大規模造船所施設なのだが、高層ビルが縦にそのまますっぽり入るほどの直径の円筒を横に据えたカタチの建造物は、およそただごとではない異様な見てくれだ。

 事実、それを裏付けるかにしてこの巨大な円筒の暗がりには何やら巨大な物陰がそびえ、無言で鎮座する。

 それが大陸中央に位置する大国により密かに建造されていた最新型の軍艦だとはまだ一般には知る者はいないはずだ。

 そんな静けさに満ちたドックに、突如としてかまびすしい警報がわんわんと鳴り響く。

 半円型の特殊巨大ドーム内の照明が灯され、闇に座していた新造戦艦の巨大な勇姿を浮かび上がらせた。

 ※イラストは随時に更新されます。

 すでに海面からは巨大な船体を浮かせた航空航行をスタンバイさせていた戦艦の最上部、メインブリッジとなる中央戦術作戦指揮所の中に、あるブリッジクルーの男の声が鳴り響いた。

「艦長! グレッカ港湾行政本部より、本艦のただちの出港、港および都市部より離れた海上への待避要請が入っております!」

 ブリッジ中央に据えられた大型の艦長席に腰を据える人物へ向けて緊迫した物言いに、対するこの艦長とおぼしき男は無言でただアゴをうなずかせる。

 物思いにふけるような厳しい眼差しでただまっすぐ先を見据えるベテランの軍人に、まだ若い見た目の通信士の犬族は困惑したさまで続ける。

「たく、これでもう三度目です。こっちはまだ出来たてホヤホヤでろくな試験飛行もしちゃいないのに、冷たいったらありゃしませんぜ! おまけに肝心のアーマー部隊だっていやしないのに、丸裸で戦場に出撃しろだなんてな、あっちの守備隊のアーマーを回すくらいの機転を利かせろってもんでしょうに? そう言ってやりましょうか??」

「やめなさいよ、ビグル軍曹……!」

 おなじく犬族の通信士で若い女性のクルーにたしなめられるが、これと隣り合わせで座る男は嫌気のさした顔を左隣に向けて肩をすくめさせる。

 ブリッジ内は緊迫した空気が漂うが、それまで無言だった初老の艦長は険しい表情でやがては重苦しい言葉を発した。

「……いや、言ったところでおよそ無駄だろう。あちらはあちらで都合がある。大国の横暴で港を長らくいいように占領されて、あげく戦火にまみれるだなどと馬鹿を見るようなことは間違っても避けたい、しごくまっとうな意見だろう。こちらも文句を言えた義理ではないものだしな……!」

 一呼吸置いて、それからまた重たい口調のセリフを続ける艦長だ。

「やむを得まい。港湾には了解の旨を伝えておけ。こちらはただちに発進、街には戦火の及ばない沖合の洋上へと艦を遠ざけると……! メインエンジン、第一、第二、予備運転から戦闘出力運転に切り替え! 副エンジンも順次にフルモードに移行、全力をもって艦の運航に当たれ! これは試験運転ではない!! 全艦に通達、本艦はこれより出航、戦闘状態に突入する!!」

 号令を立て続けにかます壮年のスカンク族にあたりの空気が一変する。

 艦長席の正面に据えられたメインモニターのスピーカー越し、動力機関ブロックやその他の部署からの了解の返答が幾重にもこだました。

 武者震いするみたいに全身を小刻みに揺らす犬族の通信士がそれでもまだどこかおどけたような調子で応答する。

「了解! 後に合流する予定のベアランド隊にも打電を打ちます。貴公らの母艦はこれより戦闘に突入、早いとこ追いつかないと置いてけぼりになるぞっと! てか、ほんとうに間に合うんですかね? 奴さんたち」

「話では大した男なのらしいぞ? ちょっとやそっとの無茶なら平気でこなすような。そのための新型機でもあるのだし、期待だけはしておいてやろう……」

 また肩をすくめさせる通信士から目を離して、正面に向き直る艦長は真顔でさらなる号令を発した。

「本艦艦長、バルゼア・ンクスである。諸君らも知っての通り、ただ今はかなり困難な局面ではあるが、優秀なる諸君らの尽力の下、本艦は無事に危機を乗り越えることを信じて疑わない。この新型艦のちからを存分に見せつけてやろうぞ!!」

 軍では有名なベテランの鼓舞に、ただちに複数のスピーカーから気勢がどっとばかりにあふれ出す。

 これにより艦内の士気が上がるのを確認するスカンク族の艦長、バルゼア・ンクスはうむと小さくうなずいて、最後の号令を発令した。

「これより全艦、第一次戦闘態勢! 微速前進の後、メインエンジン出力最大!! 公海上まで一気に突っ走れっ、総員対ショック用意のこと、さあ、晴れての初陣だ、思う存分に暴れてやれ!」

 周りを見回せばそれぞれに緊迫した面持ちのクルーたちが了解して頭をうなずかせる。やはり緊張しているのか言葉が出て来なかったが、まだ若い士官候補たちを鼓舞するべく胸を張って仁王立ちする艦長はひときわに高く喉を震わせる。

「ルマニア軍最新鋭艦、フラッグシップのお披露目だ。今こそ世界に見せつけてやろうぞ! 『トライ・アゲイン』発進!!」

 

 ※こちらのセクションはまだ執筆途中です。随時に更新してまいります(^^)

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