カテゴリー
お笑い コント スピンオフ 寄せキャラ

「寄せキャラ」であそぼ♡ 漫才師「ダイ〇ン」がモデルのクマキャラ・ダッツ&ザニーでコント! お題「ゾンビ」「ブサイク」

いざデザインしたまではいいものの、まったく出番が回ってこないキャラクターに光を当てるべく、ノベルとはまったく関係のないインチキコントを作っていきます(^^)/

ちなみに、「寄せキャラ」は以下のものがイメージです♡

で、実際に今回登場する、漫才師のお笑いコンビ、「ダ〇アン」の寄せキャラが、こんなカンジ…!

↑「ダイ〇ン」のボケ担当?のひとをモデルにしています笑

↑「ダイ〇ン」のツッコミ担当?のひとをモデルにしています笑

では実際に、このインチキ・クマキャラのコンビでコントを作ってみよう(^^)/

はじめ 立ち位置、マイクを中心に、正面から見て、ザニーが左手、ダッツが右手

ダッツ「ども、ダッツで~す!」

ザニー「ザニーですぅ」

ダッツ「ふたりあわせて、「ダイ〇ン」で~す! まったく似てないで~す! あしからずぅ。てか、似てへんどころかまったくのベツモンやん! こんなんただのクマのバケモンやん!!」

ザニー「しゃあないやろ。そういうインチキノベルのキャラクターなんやから、わしら。あと作者が「似顔絵」描くのヘタクソやから、はなからどうにもならへん」

ダッツ「しょうもな! 少しは頑張れよ。前にアニメのキャラ演じたことあったけど、あれと比べてもワケわからへんやん! なんでこないなブッサイクなクマキャラにされなあかんねん!!」

ザニー「ええやろ。しょせんはインチキなんやから。他にもいろいろとおったけど、どれもみんな無茶苦茶やったからな? まず似てるヤツがひとりもおらへんかった」

ダッツ「そうやった! 誰がおったっけ? 名前はけっこう売れてるのに、まるで見た目が合致しないお笑いコンビのブサイクキャラ、えっと……」

ザニー「ピンもおったやろ? まずはラジオの有名パーソナリティがモデルのブサイクなでかいクマさんと、昔はコンビやったけど今はピンで活躍してる、ベテランのコメンテーターとか?」

ダッツ「あ、ここの頭で出てきた白いクマキャラのおじさんかいな! ビミョーやよな? あと若手もおったやろ。わしらみたいな中堅どころよりもフレッシュな、第七世代っちゅうやつら!」

ザニー「ああ、おったな? イヌキャラの「宮下〇薙」と、「見取〇図」とか? どっちも似てへんどころかまるきりベツモノのやつらが。あと「ハラ〇チ」とかも、ブッサイクなネコとゴリラにされておったような? あんなもん訴えられるやろ」

ダッツ「あれな! マジでシャレにならへんやん。なんであないにブッサイクにされてんねん。仮にもネコやろ? おまけに気色の悪いガンマンスタイルで、あんなんはじめて見たわ!!」

ザニー「ええやろ。ノベルではわしらとは絡まんみたいやし。ちなみにわしら、戦闘ロボのパイロットで、空中戦が得意なちゃきちゃきのベテランコンビらしいで?」

ダッツ「なんで? 「ダ〇アン」も「漫才師」もなんも関係あらへんやん! しょうもな!!」

ザニー「ああ、おまけにふたりともひどい船酔いしてもうて、はじめはまったく使い物にならへんらしい」

ダッツ「なんで!? うそやろっ、わしらのこと馬鹿にしすぎやて!! 東京やのうて関西のわしらを見て!!」

ザニー「ええやろ。しょせんはインチキなんやし。ここで言うてもしゃあない。ほな、ぼちぼちはじめようか」

ダッツ「やんの? わしらでコント?? できんのかいな??」

ザニー「やるしかあらへんやろ。そういう記事になってもうてるんやから。確かお題は、「ゾンビ」と「ブサイク」やったよな」

ダッツ「おおいっ、こんなブッサイクなクマキャラにしといて、完全にイジッとるやん! ほんまにしょうもな!!」

 本文中のキャラクターに興味がありしまたら、上記のリンクからご覧になってください(^^)

コント 「ゾンビ」~ブサイクは世界を救う?~

ザニー「まずはやる前に立ち位置、そっちと変わってええか?」

ダッツ「なんで? アホちゃう? このままでええやん。ネタ書いてるあほんだらのおやじ、マジでわしらのこと知らなさすぎ! 立ち位置まで変わってもうたら、ほんまに誰が何やっとるんだかわからへんようになってまうやん!!」

ザニー「はじめからわからへんやろ? こないなもん。そっちのほうが構図としてやりやすいし、わかりやすいっちゅうはなしやったんだが、まあええわ。ほな入るで、よろしゅう…!!」

 一拍あけて、マイクからザニーが少し後退、ダッツはそのままの立ち位置で、焦ったさまであたりを見回し始める。
 (コントに突入!)  マイクは回収?

ダッツ「はあっ、はあ! えらい世界になってもうた! どこもかしこもゾンビだらけやんっ、わし、こないな世界で生き残っていけるんかいな? しかもたったのひとりきりで!!」

 ひどく狼狽、焦ったさまであたりを見回すが、やがてこの左手、ザニーがいる方を見て異変を感知。ごくりと息を飲む…!

ダッツ「ああっ、誰かおる! まだここにも生き残りがおったんかいな! どないしよ、ああ、あかん! そこまでゾンビが来ておるやん!! あかんっ、囲まれてもうた!! あれじゃ逃げ切れへんで、ああっ、あ……!」

 ひどくくたびれたさまで中腰のザニーが、ギョッとしたさまで辺りを見回すと必死のさまであがきもがく。ガクガクと震えながらやがて絶叫!!

ザニー「うあああああああっっっ!!!」

ダッツ「あかん! 襲われてもうた!! すまんっ、救われへんかたった! わしが非力やさかい、またひとり犠牲になってもうた、この街もうゾンビだらけや!! すんまへんっ……あれ?」

 地面に倒れ伏すザニーを見ながら、微妙な違和感に気付く。
 すると倒れた状態からいきなりすっくと立ち上がるザニーに、ビクっとひるむ、ダッツ。

ザニー「なんやっ、くそおっ!! またおんなじかいなっ、どいつもこいつも無駄に群がりおって、まるで意味あらへんやん!」

ダッツ「あぁれぇ、襲われてたんちゃうん? しっかり何カ所も噛まれておって、なのになんであないにピンピンしてはるの?? ふしぎ~!」

 ちょっとおっかなびっくりに近づく。するとその直後にザニーが放った一言にビックリ仰天!!

ザニー「噛まれただけ! ただ痛い思いをしただけ!! 腐った死体どもにもみくちゃにされて、散々にもてあそばれたのに、ぜんっぜんゾンビになられへんやん、このわし!! 最悪や!!!」

ダッツ「ええ~!! どういうこと!? 噛まれてもゾンビにならへんヤツなんておんの?? 体質?? ウィルス効かへんの?? いやいやっ、だったらすごいやん!!」

 ダッツのぶったまげたセリフに、そこで初めてその存在に気付いたらしいザニー。冷め切った表情でジロリと振り返ると、しごく冷め切った調子で返す。

ザニー「……は、何が凄いん? 噛まれてもゾンビになられへんのやぞ。地獄やろ! 周りはどこもかしこも何万と動く死体がおるっちゅうのに、こっちはただのひとりっきりで噛まれ放題や!! こないにむごい地獄がどこにある??」

ダッツ「うっ! でも、でもゾンビにならへんのやろ? すっごいやん!! ひょっとしたら世界を救うことができるかも知れへんやん、その、特殊な体質があれば。噛まれて感染しても、しっかりと抗体があるっちゅうことや! それさえあれば……」

ザニー「新種のウィルスかも知れへんやろ? 何にしても今さらや。こないになってもうた世界をひとりでどないできるっちゅうんや。噛まれても効かないだけで、攻撃はできへんのやさかい」

ダッツ「確かに、それはしんどいな! ん、でも、でもやで、ゾンビにならへん抗体、ワクチンっちゅうやつをおのれの身体からみんなに分けることができたら、わしら生き残り、人類が滅ぶっちゅうようなことは最悪防げるかも知れへんやん? 希望はある!」

ザニー「わからへんやろ? じゃあおんどれを噛んでみてためしたろか? それでじぶんがゾンビになられへんかったら、めでたくこっちの仲間入りや! 心強いわあ、やってることゾンビとなんら変わらへんけど」

ダッツ、「うっ、あえてこの身をさらして襲われならへんの? しんどいわぁ、あとその前におっさんに噛まれるのも気持ち悪いし。ゾンビにならへんでも噛まれ所が悪ければ失血死してまうこともありえるやん! めちゃめちゃ肉をえぐられて? 痛いどころですまへんやん」

記事は随時に更新されます(^^)



 

カテゴリー
DigitalIllustration Lumania War Record Novel オリジナルノベル SF小説 スピンオフ ファンタジーノベル ルマニア戦記 ワードプレス

寄せキャラ・スピンオフシリーズNo.1「翼の折れた新型機」③

新米パイロット、コルクとケンスの犬族コンビが実戦でまさかの大失態!? ベテランの関西弁シェパードはカンカンで…!!

 前回、Part2からの続きです!
 関西弁がやかましいベテランパイロットのコッバスと初対面した新人パイロットのコルクとケンス。おっかなびっくりしながらもオヤジキャラの上官どのとミーティング、徐徐に打ち解けていけたはずが、翌日の出撃において大問題がいきなり発生!?

 「翼の折れた新型機」③

〈Part3〉

 明けて、この翌日。

 上官のコッバスの言葉にもあった通り、前日に赴任してきたばかりの新人パイロットたちにも、この日の昼過ぎには早くも初の「出撃命令」が下されることとあいなった。

 ベテランのシェパードを部隊長として、そこにまだ経験の浅い新人がふたり。都合、ギガ・アーマーが三機の小隊編成だ。

 山岳部の地下資源と肥沃な耕作地帯の領有権問題でもめる隣国との紛争は、背後には二つの大陸間で覇を競う大国と大国の影が見え隠れする。旧型のアーマーが複数、国境を越えてこちらの支配地域を侵犯、これをすみやかに迎撃し撃退せよ……!

 この命令の通りに西に拓けた野原で敵を迎え撃つ。 

 あってなきがごときの国境だ。
 絶え間のないいさかいが災いして長らく人気のない緩衝地帯は荒れ野がごときありさまで、どこにも隠れるような場所がない。
 ただしこの条件はどちらも一緒であり、そんな中を昨日今日に結成したばかりの即席部隊にしては、うまい連携で戦闘をこなしていた犬族のパイロットたちだ。

 新人たちの援護の下に果敢な接近戦を挑む隊長が、一機、二機とこれを撃破! ついには劣勢になって逃げていくと思われた敵影を追撃するさなか、しかしながら敵方のトラップの地雷原にまんまと誘導されてしまい、それまでの風向きが一変してしまった。

 敵はこちらの新型機の存在もその性能も知らないのだから本来ならば作戦ミスに違いない。
 それだから部下たちが乗る、高い機動力を誇る飛行型のアーマーに地雷などは一切効かないと大笑いする隊長のコッバスの表情が、この直後にはこの上も無いような驚きにより激変。

 このすぐ側に付けていたコルクは耳をふさぎたくなるような上官の怒号に全身がすくみ上がることになる。背後のケンスは言葉もなかった。

 辛くも乗り切れたのは新型機の持ち前の性能と、上官のコッバスの経験から来る冷静な判断と適切な指示のたまものだった。
 危ういところを三人ともに生き延びることができたのだ。

 さんざんにやり合ってそろそろ日が暮れる頃に基地に無事帰還した三機のアーマー小隊だが、中のパイロットたちにはこれからまた一波乱あるのはもはや必然の流れなのだった。

  

カテゴリー
DigitalIllustration Lumania War Record Novel オリジナルノベル SF小説 キャラクターデザイン スピンオフ ファンタジーノベル メカニックデザイン ルマニア戦記 ワードプレス

寄せキャラ・スピンオフシリーズNo.1「翼の折れた新型機」②

実在のお笑いタレントをモデルにしたのにまったく似てない!(笑)「寄せキャラ」たちが戦場をところせましと大奮闘!!

 前回、序段、Part1からの続きです!
 関西弁がやかましい強面の上官、ベテランパイロットのコッバスと初対面した新人パイロットのコルクとケンス。おっかなびっくりしながらも顔に似合わず世話好きな上官どのとのミーティング、徐徐に打ち解けていけるのか?? 

 「翼の折れた新型機」②

〈Part2〉

 そこは軍用であるだけ敷地面積は広いが、建物の数自体はまばらな基地内部をおおよそで案内してくれた直属の上司、見た目がおっかないシェパード種の犬族のコッバスは、最後に自分たちが日常的に寝泊まりすることになる「共同生活棟」にコルクたち新入隊員を連れて来ると、ここでしまいやと言い放つ。

 基地の中枢たる「司令部本棟」と双璧をなす大きさを誇るというが、要は同じ鉄筋コンクリートのそこそこの大きさの建物が、ふたつ横並びに並んでいるだけであった。どちらもかなり年季がいった感じのヤツだ。一言で言ってしまえば、ただのおんぼろ。

 しょせんはお飾りみたいな田舎の前線基地であることをはっきりと見せつけられた気分の新人たちだった。このあたりはつい先日までいた地元の属国のそれとなんら変わりもしない。こちらも大陸中央のルマニア本国からしたら周辺諸国のただの一属国だ。

 何はともあれ、これでようやく解放されるのかとそれまでずっと緊張しっぱなしだった毛むくじゃらの犬族は、ほっと胸をなで下ろす。が、そこの食堂で今後のチーム行動におけるミーティングをして解散と言われて、またこの表情をこわばらせてしまう。

 隣のケンスがやれやれといいたげに首を振るのに自然と苦笑いの生まれついての臆病者は、それでも目の前の上官どのがこれまでとはまた違った、ただ怖いだけの存在ではないものらしいことに、ちょっとした期待とある種の興味を抱いたりもしていた。
 ここで信頼や尊敬ができる人物に出会うことなど、はなから期待はしていなかった若者たちだ。

 いかにもやり手らしい熟練のパイロット然とした中年オヤジはところどころ笑えないオヤジギャグをまじえながらも、若い学徒たちにやはりそれなりに気を遣っているらしいことがそこはかとなく伝わってくる。パッと見はおっかない顔つきに、よく見ればその目元のあたり、かすかな笑みみたいなものがあったろうか。

 本当の年齢のことを言ったら毛嫌いされるに違いないと思っていたふたりは、これだけでもどこか救われた気持ちになる。
 そうでなくとも経験の浅い新人は、ただの足手まとい呼ばわりされてさんざんに叩かれののしられるようなことが、日常茶飯事のこれまでだった。

 なのに今は同じ目線で食堂のテーブルを囲んで、おなじものを載せたプレートを前に腹ごしらえをしようとしているのだ。
 ほんとうにはじめてだらけの一日だった。
 目の前の食卓にはそれまでの冷たく味気ない軍用のレーションとは違った、ちゃんと人の手で調理され味付けのされたまともな温かな食事が並んでいる。その量も驚くほどのボリュームだ。

 他よりも鼻がきく犬族にはたまらないニオイを立ち上らせるごちそうを前にして、ごくりと生唾飲み込んで固まってしまう食べ盛りに、目の前でどかりと背もたれに身をあずける上官どのはさも鷹揚な態度で言ってくれる。

「おう、ええからもっと楽にせい! ははん、おのれらさてはこれまでろくなもんを食わせてもらえてなかったんちゃうか、その反応からするには? 気の毒なこっちゃ、だがここはおのれらがおったさっむい北国とは違(ちご)うて温暖で気候がええから食い物には事欠かん。味も絶品や! そやから遠慮すな、わいらは地域の平和と治安を維持する軍人さんやさかい、このくらいは当然やろ? 今日は新人の歓迎会っちゅうことで特別大盛りにしてもらっとるしの! 食え食え!!」

「はっ、はい!」

「い、いただきます!! はんっ、ん、んんっ……!!」

 よほど腹が減っていたと見えて元気にガツガツと料理に食らいつく若者たちを前に、それをとても愉快そうに眺める上官、コッバスは機嫌が良さそうになおのことニヤけて言った。

「まったく、そないにうまそうにがっつきおってからに、ほんまにうらやましいくらいの食欲やの! もうそんな勢いで食らいつくなんてことほぼあらへんわ。ちゅうてもべっぴんな嬢ちゃんやったら別やがの! かっか、いいから食え! 食いながら聞け。おのれらに聞きたいことはいろいろとあるが、ゆうたらなあかんことも山とあるんや。ええな?」

 ちょっとだけふたりで目を見合わせてからやがてこくりとうなずくコルクとケンスだ。さっきよりも落ち着いたペースで食事を喉の奥に流し込みながら、上官の質問には素直に聞かれるがままに答えてゆく。
 はじめはおおよその両名の生い立ちと軍に入る経緯、これまでの経過と、お互いの食事が終わる頃にはこの今現在にまで話が進んでいた。さっきまでニヤけていたはずの上官どのの顔が次第に真顔になっていくのをふたりは気付けていたのだろうか。

 かくして話はとうとうこの核心に、新人のパイロットたちが抱える最大の問題点へと突き当たった。ゆったりともたれていた粗末な椅子の背もたれから上半身をよっこらと起こすコッバスは、そこでふと難しい顔つきしてふたりに内緒話でもするかのよう、やや声のトーンを落としながらに聞いてくれる。

「おう、ほんでこっからが本題じゃ! おのれらと一緒に運び込まれてきたあの新型のアーマー、さっき見させてもろうたが、仕様も規格もほぼ一緒なんやな? ちゅうてもこのわいの現行機のビーグルⅤ(ファイブ)とはえらい見てくれえ変わってもうて何がなにやらさっぱりや! まずサイズがでかい! 一回りっちゅうほどではないが、頭ひとつくらいノッポやったの? おまけにあちこちゴツゴツとしていかついこといかついこと!!」

 お気楽な口調でずけずけと思ったことをぶちまけてくれる隊長どのに、ふたりの部下たちは神妙な顔でうなずく。

「はい……! 現行のファイブとはまるで設計思想が異なるとかで、でもこの俺たち自身もさっぱりわかってないのが実情です。まだ実戦での経験も乏しいし……」

 ケンスの返事を横で聞きながら何度もうなずくコルクだが、何か物言いたげなさまでも言葉を発することなく、やがて視線を気まずげにそらしてしまう。これを横目で見る相棒も何やら気まずげに黙り込むのだった。

 なにかモジモジとした部下たちの様子にちょっとした違和感を感じながらもコッバスは続ける。

「ん、まあそうやな? まるで設計思想が違う。その通りやろ。わしからしたらいっそ異次元やな! あの背中に背負った馬鹿デカいブースター、いわゆるロケット推進システムっちゅうやつか? あんなもんでムリクリ重たいアーマーを飛ばそうっちゅうんやから、あの空を! 二本の足で地べたを走り回るしか能がないこっちからしたらビックリ仰天の離れ業や。ただしうまいこと飛べたらの話やが。そうそう簡単なこっちゃあらへんのやろ。あれがおのれらみたいなペーペーの若造どもに押しつけられとるっちゅうことは?」

 鋭い指摘にギクリとした様で固まってしまう新人くんたちだ。
 これに案の定かとかすかなため息みたいなものを口の端から漏らす上官は、苦めた顔で視線を手元にあった端末パッド、およそ12インチほどの薄型のディスプレイに落とす。利き手に持ったスプーンの先端をその中に映る人型のロボット兵器の簡略図に当てて、コンコンと鳴らしながらにまた続けた。


「厳密にはジェットエンジンちゅうやつか? 既存のジェットフライヤーのそれなんかよりはなんぼか小型化されとるみたいやが、それが背中にまとめて四つ。あと補助的に足にもひとつずつあるんか? なんとも豪勢なこっちゃ! あと目立つのは……」

 パッドの中に投影される機体モデル図の胴体の中心あたりに銀色の匙の先端を当てて、意味深な視線を投げかける。

「ビーグルにはあんまり見かけへんような邪魔っけな装備が胴体の先っぽに取り付けられとったが、あれってのはいわゆるエネルギーフィールドの発生装置っちゅうことか? 一部では実用化にこぎ着けとるとはウワサには聞いとったが、そんなけったいなもんがわしらのビーグルにまでのう! マジでビックリや」

 これにいよいよ微妙な顔つきになる部下たちに、また声をひそめて上官のコッバスは聞いてくる。

「ちゅうか、ちゃんと使えるんか? そないなバリバリ燃費を食らうお化けじみた兵装が?? 目には見えない不可視の障壁、電磁シールドか? わっかりやすう言うたら『バリア』だなんちゅう大それたもんは、いやそれこそがどでかいエンジン積んどる大型戦艦の専売特許やろ! サイズでは到底お話にならないアーマーなんぞにどうにかできるもんなんか?」

 聞かれてもうまく返事ができない新人パイロットたちだ。
 ケンスは首を一層に傾げてたどたどしげにセリフをつなぐ。

「はあ、まあ、その、俺たちの口からはなんとも……! これもまた実験段階の新型装備とのことで、常時張りっぱなしだなんてことはできないらしいです。ここぞって時に使えとは言われてるけど、実際にどれだけの効果が期待できるかわからないから、どの場面で使えばいいのかさっぱり、なあ?」

「…………」

 そう、同僚に同意を求められて、うなずくしかないコルクだった。
 あまり腑に落ちないさまの上官は顔つき難しくしてとりあえずで了解。

「なるほどの、思った以上に問題だらけっちゅうことか。しっかし一か八かのバクチみたいな機能なんぞには頼らんほうが身のためやな。なんぼ実験のためかて死んでしもうたらそれまでや。若い身空で、命をかけるほどの価値も言われもあらへんやろ。そやから最後の切り札くらいに大事に取っとき! あとそもそもがおのれらのあのシックスちゅうんは、ぶっちゃけこないなところじゃなくて本来はもっと別の場所で戦うためのもんだとは聞いたことがあるしのう?」

 そう言いながら聞き手のスプーンの先端をなぜだか天井に向けてクイクイと指し示すのに、二人の新人は何ともいえない表情を見合わせる。上官どのが言っているのは天井よりもはるかに高いある特殊なところであるのはわかった。そう確かにそんなウワサを聞いたことはあったが、それほど高等な学校教育をろくに受けることができなかったコルクもケンスも、それこそがまるで想像が及ばないところのお話なのであった。
 今はただ上官のシェパードの話に耳を傾けるしかない。  

「本命はあれを元にして作られるっちゅうⅦ(セブン)ちゅう話やったか、言えばそっちはそれのひな形っちゅうもんで、ほんまに過渡期のもんかも知れへんしな? ま、どないにしろおのれらが気にすることはあらへんが」

 いよいよ顔つきが暗くなる新人たちに、しかしながらコッバスは今日一番の真顔となってさらなる質問を浴びせかけてくる。

「おう、それじゃ最後の質問や! ちゃんと答えい、これが一番大事な質問やさかい。そうやつまりはおのれらの自身のことや。あんまり期待はせんで聞いてやるから正直にの。ん、おのれら、パイロットとしての腕前は、どのくらいのもんなんや? スコアは? ひょっとして星のひとつくらは持っとるんか??」

 スコア、いわゆる戦績について聞かれて二人は押し黙る。
 答えずらそうなケンスに、視線を完全に逸らしてしまうコルクだった。毛むくじゃらの相棒が完全に黙秘を決め込むのに仕方なしに坊主頭の新人が答える。

「あの、正直、俺は大したことは……! まともな実戦に出たのが都合三回、記憶では五回くらいのはずだったんですが、その中でかろうじて敵機を小破と中破したのが一回か二回くらいで、撃墜マークまでは……」

 敵機を大破、つまりは撃破した者に与えられる撃墜マークをそのカタチからズバリ〝星〟と呼び、それの過多こそがパイロット自身の経歴や腕前の善し悪しを推し計る上で一番の指標となるものだった。ちなみにこのカウント自体はアーマーがコクピットに内蔵する各種計器類がその場の状況から厳密に演算した中で算出されたものなので、およそ虚偽虚飾ができない軍の最高機密情報となる。機体の肩に赤い星印を付けるのはパイロットたちのあこがれであり、誇りでもあった。

 顔色のすぐれない部下の言葉に、ふうんと大きな耳をそばだてて聞くコッバスはやがてもうひとりの部下の横顔に目を向ける。

「そうか。しっかしまだ高校も出ておらへんのにうかつに徴兵されてもうたジャリにしては上出来やろ? これまでちゃんと命があっただけ! 普通は生き残られへんぞ、そんで、そっちのもう一方のジャリは、どないなもんなんや??」

 この話題になってから露骨に腰が引けている部下にこちらもさしたる期待はできないものかと思いきや、横から意外な注釈が入る。これに立てた耳がどちらもピンと前後に振れる上官だ。

「いやコイツは、コルクは優秀ですよ? おっかない教官どのたちからも一目置かれるほどにビーグルを自在に操ってましたから! 特に走りにかけては誰も追いつけないってくらいに! ホシだって初めての実戦でいきなりふたつ、その後にもひとつで、もう三つも持ってるもんなあ?」

「う、うん……いや、あの、うん……」

 まるでさえない顔つきの毛むくじゃらに、凜々しい顔つきの上官は驚きに目をまん丸くして食いついてくる。

「初陣で?? おいおい、マジか! 昨日今日軍隊に入ったばっかりのどシロートが、いきなり星を三つって、ビギナーズラックどころかエースやんけ!! あの新型はまだピカピカやったから実戦なんぞろくすっぽ未経験で、ノーマルのファイブでのことやろ? ちゅうことはただのまぐれとも言い切れへんわけや!!」

「い、いえ、そんなっ……おれは、ただ……仕方なしに」

 感嘆符がいくつも入り交じった驚きのセリフにだが言われる側のコルクはなおのこと顔つきを暗くして下を向いてしまう。
 たどたどしい口ぶりで一言二言だけ返すのをやや怪訝に見るコッバスはやがてその見た目の通りにナイーブな青年の胸の内を察する。

「はあん、褒められたところであんまり誇る気持ちになれへんちゅうわけか? およそパイロットには向いておらんの! おう、だがよう聞けよ、わしら軍人は殺人者じゃあらへん。わかるやろ? ホシの数はひとを殺した数じゃのうて、国を守るために、大事な家族や友人を守るために命を危険にさらした勇気と根性の何よりの証(あかし)じゃ! 誇るべき勲章やろ。おのれらそこをはき違えるなよ?」

 そうでなければ戦場を生き残ることはできないと断言する上官に、ふたりの新人パイロットは神妙な顔でただ黙って聞いていた。この時には無言も応答になるくらいに互いの関係性を築けていたのか。 
 果たしてみずからの言わんとすることは伝わったと了解するコッバス隊長どのだ。これにてミーティングのお開きを宣言する。

「ようわかったわ。それじゃあこれまでや。これにて解散、来て早々だが明日には出撃命令が出るやろうさかい、各自十分な休養を取るんやぞ。部屋は入り口におった守衛に聞けば専用のキーをくれる。そこにある番号がおのれらにあてがわれた部屋の場所や。すぐにわかるやろ。ほなまた明日な、解散!」

 有無を言わさず話を切り上げるコッバスはみずから席を立って敬礼。これに反射的にふたりの新人たちも立ち上がって敬礼!

「はいっ、ありがとうございました! 中尉どの!!」

「よ、よろしくお願いしますっ、どんっ、中尉どの……!」

 ところどころ暗雲めいたものが立ちこめながらも比較的平和裏に終わったミーティングだ。毛むくじゃらの犬族のコルクはようやくほっと胸をなで下ろして、立ち去っていく上官どのの背中を見送る。

 食べ終わった食器のトレーを部下に任せずみずから運んで片付けるのをなんだかひどく意外げに見てしまうが、ああやって始末するんだとみずからも自分のトレーを持ち上げる。

 これから先への期待と不安が入り交じるが、正直、嫌な予感があったりはした。
 それは同僚のケンスも同様であったのだろう。
 その場に立ち上がったきりで一瞬、どちらも浮かない表情を自然と見合わせてしまうのだ。
 この時、本来は言わなければいけないはずのことを言えずじまいで終わってしまった気まずさが胸の内にどちらもくすぶる。

 そしてふたりの予感は早くもこの翌日、まさしく現実のものとなってその身に降りかかることとなるのだった。 

 
     →次回、パート3に続く……!



 

カテゴリー
DigitalIllustration Novel オリジナルノベル SF小説 キャラクターデザイン スピンオフ ライブ配信アプリ ルマニア戦記 ワードプレス

スピンオフやってみよう!

モデルさんありき、でもまったく似ていないしやってることも似ても似つかない軍人やヤバいキャラばっかりの「寄せキャラ」を用いたルマニア戦記特別編、スピンオフをやってみることになりました(^o^)

 ちなみにまだキャラクターのデザインがまったく出来ていないので、これのキャラデザインやメカニックデザインなどを随時に更新して公開していきます♥

 詳細は解説ページリンクを以下に上げておきますので、そちらで確認ください(^o^)

 キャラデザイン

 あえて誰がモデルとは言いませんが、某お笑いタレントさんがイメージとしてあります。

 誰だか分かりますかね?

 ちなみに本スピンオフストーリーの主役となるキャラです。

 このキャラは本編でもじきに登場予定なのですが、肝心の本編自体が足踏み状態なので、いつらなったら出てくるのかまったくわからないのが実情ですね…!!

 スピンオフ主人公の相棒となるキャラですが、コンビなのでこちらも主役キャラですね!

 世間一般ではじゃないほう~とかも言われてるのか??

 こちらも寄せキャラなのですが、まったくモデルににてくれませんね!

 大丈夫なのか??

 ちなみに上官となるパイロットキャラです(^^)

 メカニックデザイン

カテゴリー
DigitalIllustration Lumania War Record Novel オリジナルノベル SF小説 スピンオフ ファンタジーノベル ルマニア戦記

ルマニア戦記 スピンオフ No.01

閑話休題・スピンオフシリーズ・第一話♡

「少尉どのたちの休日(プライベート)」 その1 とある居酒屋にて♪

※向かって右手の主人公のクマキャラ、ベアランドのキャラデザインが途中でリニューアルされます!(オオカミキャラのウルフハウンドはそのまま♥)いきなり挿し絵に知らないキャラが紛れてきたら、それが新デザインの主人公となりますので、こちらの旧デザインともどもよろしくお願いしま~すm(_ _)m


 夕刻――。
 夕暮れも間際の西の空がひときわに明るく輝く。
 言えばまだ宵の口だが、田舎の山間にあるとある街中の軽食堂はもうそれなりのにぎわいを見せていた。
 そんな中に、ガラリ……!
 挨拶もなしに扉を開けて訪ねてきたふたりの訪問者の姿に、ピタリ、と一瞬だけ店の中が静まりかえる。
 だがそれもほんの一時だけで、すぐにそれまでの喧噪が場を満たした。
 これにふたりの客も気にした風も無く何気ない顔つきで空いた席を物色、左手のすぐ間近にあった二人掛けのテーブルへと歩み寄った。
 もとい正確にはひとりだけで、もうひとりのは宙にぶらんと両足が浮いたままだったが……。
 ただでさえ普通とは違った見てくれしたからだ付きだ。
 なのにこれがより一層に違和感を増していたのだが、まるで手荷物のバッグを置くみたいなかんじでこの首根っこ掴んでいた同僚のオオカミ男をそうれと下ろして、みずからはその向かいの席によいしょと座り込むそれは人並み外れてどでかいクマ男だった。
 片田舎の地元の人間向けの大衆居酒屋だ。
 よって周りは至って普通の農民や猟師など、平和な生産業者ばかり。
 そんな中でバリバリ軍人さんのオーラを醸しながら、簡素な造りのテーブルと椅子にどかりと腰を下ろして、ひどく物言いたげな相棒のオオカミ族のしかめっツラをこちらはさも楽しげに見返す。
 挙げ句は舌打ち混じりに相手が何か言うよりも早くに手元のメニューを見ながら乱れ打ちみたいな注文を繰り返す大食漢だった。
 なおさら不機嫌面したオオカミが渋い文句を発するのもお構いなし。

「たくっ……! いきなりこんなしけた居酒屋に連れ込みやがって、ひとを手提げバッグみたいに片手で持ち運ぶんじゃねえよ! こんなふざけたプライバシーの侵害行為、たとえ上官さまでもまっぴらごめんだぜっ……て、おいおいっ、いったいどんだけ注文する気なんだよっ!! バケモンじゃねえかっ!?」

 大口開けてついにはツバを飛ばす若い同僚の新人士官に、おなじく未来を嘱望される新型機のエースパイロット候補はこちらも負けずにでかい口を開けて屈託も無く笑った。

「え? だってせっかくのお祝いじゃないか? 待ちに待った新型実験機での祝勝会! 試験運転がまさかの実戦兼ねちゃったけど、お互いめでたく勝ち星上げたんだから、ここは盛大に祝おうよ♡ えーと、ああ、もう面倒くさいからこのメニューにのっかってるの全部持ってきてよ、店員さ~ん!! あとおいしいお酒もありったけよろしく~♪」

「おいおい、マジでどんだけ食う気なんだよ? ありったけってほどがあるだろう?? まったく生まれつき図体でかくてデリカシーのねえクマ族はこれだから! ……おまえのおごりなんだよな?」

 これからこのテーブルの上を占拠するであろう大量の料理を考えただけでも胸焼けがしてくる。
 見かけ細身の現役パイロットは醒めた目つきでのんびり屋の同僚を見上げた。
 するとこちらは二回りはでかくて筋骨隆々としたのが傍目にもまるわかりのラフな私服姿の青年クマだ。
 おおらかに笑って、うん!とうなずく。

「もちろん♡ でなきゃ着いてきてくれやしないだろ、キミってばとってもシャイなんだから! 世間じゃ孤高の一匹オオカミとは言うけど、やっぱりチームワークは大事だよ。だからそこらへんの親睦っヤツを深めるためにもね?」

 そんないつもながらのしたり顔で馴れ馴れしいさまにこちらも仏頂面を隠しもしないオオカミだ。
 おまけ心底嫌気がさしたさまでぷいと鼻っ面を背ける。

「ケッ、この俺さまはてっきりメカニックのオヤジどもが俺たちのアーマーのパーツをどこぞの闇市で買い付けるってんで、その護衛として車に同乗したんだぜ? それがどうして途中であんな野っ原に放り出されて、おまけおまえみたいなむさいクマ公なんぞとディナーを共にしなけりゃならないんだよ!」

「ああ、はじめはその予定だったんだけどもね? せっかくの申し出をあちらから丁重にお断りされたんだよ。おやじさんいわく、ぼくらみたいなよそ者丸出しの軍人さんにいられてもむしろ目立って仕方ないから、どこかよそでもほっつき歩いててくれってさ? 良かったじゃないか、気晴らしのお休みがてらにこうしてふたりで楽しく夕食会ってのも。非合法なブラックマーケットてのはどこも信用こそが第一で、おやじさんくらいに名の知れた機械工ならどこでもウェルカムのVIP待遇なんだって♡」

「はあん、あんなブサイクなブルドックのジジイがVIPとはな……だからってこのザマはなんなんだよ? 俺はちっとも納得行ってねえぞ?」

「まあまあ! まずは腹ごしらえしようよ。広く海に面したこの国の首都部は漁港からの魚介類ばかりで、山国育ちのぼくらにはなじみのない生の食材や食べづらい魚料理ばかりじゃないか? その点、ずっと田舎で山間のここならうまい肉料理にありつけるってもんでさ、ルマニア本国でもお目にかかれないようなグルメもあるかも知れないよ。ほんとに楽しみだなあ♡」

「たくっ……」

 ふてくされたツラでそっぽを向くオオカミに、どこまでも鈍感マイペースなクマはまるで素知らぬそぶりだ。

「んっ! それにほら、ぼくらチームメイトなのにお互いのことなんにも知らないじゃないか? 思えば士官学校時代からの顔見知りなのに、キミってばいっつも一匹オオカミでひととはろくに交わらなかっただろう?」

 どこかおっかなびっくりなさまで店員が持ってきたグラスの水を一息にあおって、継ぎ足しようのピッチャーごと取り上げる大男の軍人さん、ベアランドに同僚のウルフハウンドはひどく醒めた目付きで鼻先の突き出た口元を歪める。

「はん、おまえらみたいな図体でかくてそのくせデリカシーのないクマどもとつるんでたら、身体がいくつあったって足りやしないだろう! かと言えその他大勢のどん臭いイヌっころどもじゃお話にならねえから、ひとりで好きにやってただけってことよ……」

「ふ~ん、でもその『ウルフハウンド』ってのは、これってばどこかで聞いた風な響きだよな? ならひょっとして高貴なお家柄の出だったりするの、キミってば??」

 それは何の気もなさげに発した言葉つきに、だがこちらはひどくかんに障ったふうなオオカミは尖った耳を片方だけ上下に振って舌打ちなんかする。
 相手の言葉をはねつけたみたいなさまだった。

「……チッ、まったくどの口が言いやがるんだよ? とぼけやがって! だったら聞くが、てめえのその『ベアランド』ってのも、クマ族界隈じゃごくごく当たり前のポピュラーなファミリーネームだってのか? 事情が取り込んでるのはお互いさまってもんだろうよっ……!」

「あっはは! まあ、確かにね? 今時は貴族出身だなんて言っても周りからうとまがられるだけだし、それほどの特権や権威なんてものもありやしないし♡ ぼくらただの下っ端軍人さんだしね!」

 鷹揚に腕組みして笑う茶色のクマにしかめツラの灰色オオカミが毒づく。

「ルマニア八大貴族、もとい、今は七大貴族、だったか? どこもとっくの昔に廃れちまって人の口にも上らねえだろう? 俺は生まれた時から景気のいい話を聞いたことがないぜ、その手のことじゃ」

「はは、何かしらの不祥事でお取りつぶしになったのって、10年くらい前のことだっけ? ライオネイルとか言ってたような……確かに今じゃ聞かないよな! あと他には、ワイルドホルスに、キャトレインだっけ? そこに加えてうちとキミとであとみっつ? ええっと……」

「ンクスに、ピコークだろう! あとひとつは俺も思い出せねえが、そんなもん関係がありゃしねえっ」

※ノベルとテキストは随時に更新されます♡

 うんざり顔でかぶりを振る同僚のパイロットに、同じくクマ族の新人パイロットはしたり顔してその言葉付きをひそめさせる。

「う~ん、ま、全く関係なくはないんじゃないかな? このぼくらが任された新型の実験開発機の製造元だとかを考えたら?? そうとも、あれってのは設計段階から特殊なコンセプトと特別な製造ラインで組み上げられたまさしく一品物で、その昔の貴族専用の特注機さながらなんだから! ルマニア本国のアーマー工廠じゃなくて、まんまそっちで一から開発されたって話じゃないか。この本社やその工場がどこにあるのか誰も知らないっていう、あの謎多きアリストクラッツ社のさ!」

「はん、アリストクラッツ、ねぇ……だがそんなご大層な刻印、おれのギャングのどこにもありやしなかったぜ? なのにそのおかげでわざわざ正規のルートじゃない闇でパーツを仕入れなけりゃならないなんてな、本末転倒なんじゃねえのか?」

「確かにね! いずれ赴任することになる新型の大型戦艦にはそれ用のアーマードックがあるっていうから、今の事態はきっと想定外なんだろ? おっと来た来た!!」

 やがてワゴンに山盛り載せられてきた料理の数々に、喜色満面でみずからの太い喉を鳴らすクマに、げんなり顔で舌を出すオオカミだ。
 おまけこの鼻先をひくひくさせてウルフハウンドが言った。

「ん、くせえな! おい、しっかりと生の魚料理があるじゃねえか、てめえの苦手な? あ、てめっ、どうしてこっちに差し出してくるんだよ!!」

「いいからいいから、遠慮しないで♡ たっぷりとスタミナつけなきゃいけない軍人さんがそんな好き嫌いはいけないよ! それじゃぼくはこっちのおいしそうな手羽からいただこうかな♪」

「ほんとにてめえのおごりなんだろうな?」

「あはっ、うんまーい! 店員さん、こっちにビールじゃんじゃん持ってきてぇー!!」

「まったく……!」

 うんざり顔でため息が尽きないオオカミだ。
 素手で鳥の揚げ物を掴み上げるがさつな相棒に対して、こちらは遠くの本国で使い慣れたフォークやナイフではなく、二本の箸を利き手で持って器用に皿から青魚とおぼしき刺身をつまみ上げる。
 きちんと下処理がされた鮮魚は匂いがやや鼻につくが味や食感自体は新鮮で嫌いではなかった。
 呑気な学生みたいなノリで肉料理を次から次へとほおばるでかいクマ助にじぶんの分も残しておけよと内心で毒づきながら、白けた眼差しで見ていたやせオオカミの顔つきにいくらかの陰りが走った。
 無防備な短パンランニング姿の相棒のさまを見ているにつけ、そこに何かしらの違和感を感じたのだ。
 顔つきが怪訝なウルフハウンドはこの違和感の元凶がおそらくは相手の剥き出しの首元、やけにくっきりとしたいかついデコルテラインにあることを突き止めながらにベアランドに問う。

「……おい、てめえ、首の輪っかはどうしたんだよ? 新型機のテストパイロットとして誓約を交わした時からその代償としてはめられたあの邪魔っけなお飾りがどこにも見当たらねえじゃねえか?? こんなゴツイもの、いくら毛むくじゃらでもそうそう見失ったりはしねえはずだ!」

 みずからのシャツの首元からのぞく太い首輪を不快げに指さしながらのそれに、当の問われたお気楽なクマは何食わぬさまでしれっと言ってのける。
 オオカミは大きく目を見張らせた。
 ピンと尖った二つの耳が大きく震える。

「え? どうって、とっくの昔にむしり取っちゃったよ、あんなの! あの太い金属のワッカだろ? だってあっても機能的にまるで意味ないし、邪魔なだけじゃないか? キミこそまだ律儀に付けてたんだ、そんな無意味なお飾り!」

「む、むしり取った!? ちょい待て、コイツは捕虜や重罪人がはめられるそれこそが拘束用の首輪で、内部にゃ逃走防止のための爆薬が仕込まれてるはずだろうが!! もともと頑丈なのにひとたび外したら首から上がきれいに吹き飛ぶってシロモノをどうやって、まさか持ち前の馬鹿力でむりやりに引っぺがしたって言いやがるのか!?」

「うん。そうだよ♡ それに爆薬だなんてそんなのブラフに決まってるじゃないか? 実際にそうだとしたら周りが危なくて近寄れないし、逆に自殺やテロ目的に使われたり、いざ管理するのも一苦労じゃないか?? 心理的な負荷をかける目的以外の何物でもありやしないよ、素手ではほぼ外せないくらいに頑丈に造られてるってあたりからしても、せいぜいGPSが仕込まれてるくらいなものじゃないのかなぁ? あいにくとぼくは素手で外しちゃったけど! 外したブツはもうどっかにいっちゃったなあ」

「おいおいっ……!」

 あまりにもお気楽さまなクマの言いようにもはや目を白黒させて言葉を失うオオカミだ。
 運ばれてくる料理を次ぎから次へと平らげる大食漢はなおさら太平楽なさまでやがては油まみれの手をこちらに向けてきた。
 まだ刺身を二切れ、三切れしか食べていない細身のパイロットは箸を握ったままに総毛立つ。

「ある程度役割こなしたら専用の解除キーが送られてくるなんて言うけど、期待薄だしな? 元から存在意義がないようなシロモノ、どうせあっちも存在自体忘れてるさ。あ、なんなら取って上げようか? その邪魔なワッカ! しょせんオオカミにはこんな首輪なんて似合わないもんな♡」

「あ? おい待てっ、いきなり何しやがっ……!?」


 ※こちらのエピソードはまだ執筆途中です♡

次回、第二話、#004へ→

 Copyright ©oonukitatsuya, All rights reserved.