#017
Part1
若いクマ族の小隊長が見ているさなか、ベテランのおじさんクマ族コンビと、こちらはまだ若手なのだろう敵パイロットたちによる新型アーマー同士の空中戦は、いざ始まればすぐにもこの大勢が決しようとしていた。
経験値の差もさることながら、それぞれのアーマー自体の性能差がもはや歴然、結果はやはりはなから知れていたらしい。
よってあと少しで勝敗がつくのではと思われたところで、だが不意にそれぞれのコクピット内に短い警告音が鳴り響くのだ。
反射的に目にしたレーダーサイトには、目指す大陸の西海岸域方面から出現したとおぼしき新たな複数の敵影が、こちらに向けて急接近するのがはっきりと見て取れる。
これによりようやく今回の本命が登場、本番が始まったのだなと気を引き締めて正面のモニターに臨む、隊長のベアランドだ。
当人としてもそろそろだろうと予期はしていた。
迫り来る影は、いつぞやに見たものとまさしく同一であることをそれとしっかり視認もする……!
強敵だった。
ベアランド小隊(第一小隊) 隊長・ベアランド少尉(クマ族)、部下・ダッツ中尉(クマ族)、ザニー中尉(クマ族)と、その搭乗するアーマーのイメージ図。ベテランクマ族コンビのアーマーに、めでたく色が付きました!






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接近する影は都合三つあり、そのどれもが以前に会敵したことがあるものと同じであることを、正面のメインモニターに一時的に浮かび上がる戦況表示ディスプレイが教えてくれる。
アーマーの頭脳たる高度集積戦術コンピューターが相手機のデータを適宜に解析、覚えていたものと100%の確率で完全適合。
中でもこの先陣を切ってこちらに突撃してくる高速機動型のアーマーは、これがなかなかにあなどれない実力者であることを、もはやその身をもって経験している隊長さんだ。
これはさしもの腕利きのベテランクマ族コンビでも、油断していたら一撃でのされかねないな……!!
と、それまで背後に控えさせていたみずからの大型アーマーを、慎重にゆっくりと前進させる。
どちらも戦いの最前線を渡り歩いてきた有力者たちなだけに、何かと我が強いダッツとザニーの両中尉どのたちになんと言ってこの場を説明したものかと内心で頭をひねるのだが、何か言うよりもあちらのほうから何やらして、いささか気の抜けような声が通信機越しに入ってきた。
「はえ、なんやようわからんけど、相手のひょろっこいアーマー、どちらも下がっていきよるでぇ? カトンボが気配を殺して姿をくらますみたいによう? 隊長ぉ、どないしましょ??」
「え、そうなのかい? あ、ほんとだ! あっさり引いていくね? まったく引き際がいいやら、やる気がないのやら??」
これまでダッツとザニーの相手をしていたはずモニターの正面に捉えられていた二機の飛行型アーマーは、そのどちらともが新手が入ってくるのと入れ替わりに、この機体を我先にとその場の戦闘空域から離脱して遠ざかっていく。
すぐにもただの点と点になるのだった。
事実、目の前のレーダーサイトからもこの機影がことごとくして消失……!
援軍の到着に、これ幸いとしっぽを巻いて逃げるかのごとくにだ。傍目にはあからさまな敵前逃亡かのようにも見えたが、新手の敵影ときれいに入れ替わるさまからすれば、必ずしもそういうわけではないらしい。
はなからそうする算段だったのかと首を傾げるベアランドだ。
そう、つまるところで主力がこの場に到着するまでのただの時間稼ぎ、言うなれば〝噛ませ犬〟だったのか?
するとこのあたりにつき、もうひとりのベテランのクマ族のパイロット、ザニーがこともなげに言ってくれる。
「ほぇ、ほんだらばあないなザコちゃんアーマー、ほっといてええんちゃう? それよりもまた勢いのあるのがようさんよそから来ておるさかいに? 言うてまえばあちらさんが本命なんやろ」
こちらの隊長にではなく、同僚のおじさんに向けて言ったものとおぼしきセリフには、思わず苦笑いして同意する。
「あ、するどいな! それじゃここからはあの後からぞろぞろやって来たのにみんなで集中だね! ちなみにぼくは既にやり合ったことがあるんだけど、どれもなかなかの強敵ぞろいだよ?」
その瞬間、通信機越しにやや張り詰めた空気が伝わるが、おびえよりも低いうなり声とやる気がみなぎる。
ここら辺、やはりどちらもやり手のアーマーパイロットだ。
まだなりたての犬族の新人コンビたちとは明らかに戦場での身のこなしが違う。これにまずは安心しつつも、また脳裏にある種の不安もよぎるベアランドだ。
そうこうしている間にも、迫り来る敵アーマーがこちらとの交戦空域に入ったことが、甲高いビープ音ともに知らされる。
中でも特にスピードの速い高速機動型のアーマーが、やはり単身で突っ込んでくるかたちだった。
前に会った時のままのそれはやる気の有り余るさまに、対して内心でひどくげんなりとなるクマ族だ。
どうにも執念深いことで、もはや目の敵にされているのがありありと伝わってくる。
これに即座に対応しようとするベテラン勢には、あ、いや、ちょっと待って!と、やや慌ててツバを飛ばす悩める隊長だ。
「あ、待った、それは無視してくれて構わないや! なんたって速くて強くて厄介だし、どうせこのぼくがお目当てなんだからさ? 中尉たちは後からおっかけてくるあっちの子分のアーマーたちをお願いするよ。あれはあれでまた厄介なんだけど……!」

「ほえ? 無視してええんですか? ぼくらはその後にやってくるやつらを相手にせいっちゅうことでぇ?」
「なんやわけわからん! あないなただ速いだけのジェットフライヤー、おれらの敵やあらへんやけ? そないなもん、どないして避けなあかんの??」
通信機越しに左右のスピーカーからはややいぶかしがった返事が返るのに、内心で動揺しながらもあくまでベテラン勢を刺激しないような言葉を選ぶベアランドだ。
「ああ、いや、あちらさんはもともとこのぼくだけに用があるみたいだから、そっちのほうははなっから完全に無視してくれちゃうと思うんだよね? だからその、無理して中尉たちが横から絡まなくてもいいってわけで! あとあれってのはああは見えて、現実はそう、ただのフライヤーじゃないからっ……!!」
これまでの戦いから、この歴戦の勇者たちの力をもってしても、ひょっとしたら危ういかもしれないと直感的に悟っていた。
その動揺を悟られまいと平静を装った態度そぶりに努めるのだが、あいにくと相手のおじさんクマ族たちからは、わずかな沈黙が通信機のスピーカー越しに伝わってくる。
その瞬間、果たして何を考えたものか?
ふたりのベテランパイロットたちはみずからの顔を映したモニター越しの視線のやり取りだけで、何やら互いにはっきりとした意思の疎通をしてくれたらしい。
この時、イヤな予感が脳裏によぎりまくる隊長さんなのだが、果たして同時にその顔に不敵な笑みを浮かべる中尉どのたちだ。
よってこちらの忠告もそっちのけで向かってくる見てくれ戦闘機タイプの敵めがけてみずからのアーマーを急速発進させる。
もうやる気が満々だった。
部隊リーダーの意図などは完全に無視だ。
はじめげんなりしてそのさまを見るベアランドは、焦りと困惑で思わず声をうわずらせる。
「ああっ、だから、それは無視していいんだって! このぼくの担当なんだからさ!! 強いしとっても厄介なんだから!!」
「わはは、せやったらなおさらおもいろやんけ! 隊長の相手だけやのうて、こっちもしっかりお相手してほしいもんや、バリバリ歓迎してやるさかいに!!」
「せやんな、ほな隊長さんはそこでよう見といてください。ぼくらでしっかりおもてなししてやりますよって。元よりあないなジェットフライヤーごときに遅れを取るこのぼくらやないですさかいに……!」
「いやいや、だから違うんだって!! ああ、もう、ろくにお互いの連携が取れないんじゃひどい混戦になっちゃうじゃないか? これってれっきとした上官に対しての命令無視だよ!?」
しまいにはちょっと嘆いてしまうのに、ずっと年上で経験に勝るパイロットたちは、やはりいっかなに聞く耳を持たない。
どちらのスピーカーからか、上官ちゅうかそっちのほうが階級下やんけ!みたいな本音が漏れていたが、それはあえて聞こえなかったことにする若手の部隊長だ。
そんなものだから慌てる隊長が見ているさなかにもさっさと敵の先鋒、その実をして一番の強敵と交戦状態に突入していた。
挙げ句、左右のスピーカーからどわっと驚いた声が上がったのは、その直後のことだ……!
「んん、なんやそれ!? ちょちょ、ちょい待ちぃ!!」
「ほえ、なんや、いきり変形しおったで? ただのジェットフライヤーちゃうんかったんけ?? ぬぐおおおおおっ!?」
「ああっ、もう、だから言ったじゃないか!!」
およそ危惧していた通りの展開に、思わず天を仰いでがなってしまう。
二機の僚機のすぐ手前まで猛然と突撃をかけてきた戦闘機型の敵機は、あわや衝突すると思わせてこの直前でピタリと急停止!
もとい、そのカタチをまったくもって別のモノへと変えながらに悠然と空中に立ち止まってくれる。
ただし制止したのはコンマ1秒以下だ。
そのいかにもアーマー然とした人型のプロポーションを見せつけた直後、直角の軌道を描いてさらに高い上空へと舞い上がる。
それは見事な操縦テクニックだったが、それとあわせて実はただの戦闘機が瞬時に戦闘ロボットへと華麗なる変身を遂げたのには、あんぐりと口を開けたまま、目を白黒させるばかりのふたりの熟練パイロットだった。
ただ口では驚きの声を発しながらもアーマーの操作自体はぬかりなく対処していたのはさすがだが、見ているこちらは冷や冷やものだった。
おまけそれで肝を冷やすほどの臆病者でもないクマ族のおやじたちに、タチが悪いやつらばかりだと内心で舌打ちしてしまう。
上空でこちらを見下ろす敵のアーマー、おそらくはこれが隊長機とおぼしき機体はやはり悠然としたさまでその場で対峙するかにアーマーを空中に制止させる。
その視線の先にあるのはこちらの大型アーマーなのだろうが、相変わらず空気が読めない仲間のクマ族たちがうなりを発して上空の相手を威嚇する。
声は届かないが雰囲気としてはばっちり伝わったのだろう。
かくして相手をしてやるとでも言うかにしてふたりを待ち受けるこしゃくな敵方の隊長機だ。
「まったく、どいつもこいつも好き勝手にやってくれちゃって! どうする、無理矢理に割って入って乱戦に持っていくか? あっちの後続は……あらら、しっかりスキをうかがっているね! これじゃヘタなことなんてできやしないか……!」
後からやってきた残りの敵のアーマーはどちらも一定の距離を保ってこちらの様子をうかがっているのがなおさらカンに障る。
さては親分格の指示なのだろうが、聞き分けのいいあたりがこちらとはまるで正反対だ。
それがまたなおさらカンに障って仕方が無いクマ族の隊長は、実際に大きな舌打ちしてしまう。
この先の展開に、一気に暗雲がかかってくるのをもはやはっきりと意識していた。
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Part2
混乱するクマ族たちのアーマー部隊に対して、また一方――。
その直前にあった先の知れた戦いに割って入った敵方のエースパイロットは、とかく冷めたまなざしで正面のメインモニターの中の情景を眺める。
キツネ族の若い士官は見下ろす眼下の敵の機体、青と赤の色違いの同型アーマーをつまらないものを見るようにしばしねめつけたが、やがて仕方もなさげに吐き捨てた。
「ふん、こしゃくなやつばらどもめ……! だがそうやってこのわたしの前に立ちはだかると言うことは、それ相応の覚悟は出来ているのだろうな?」
あくまでみずからのターゲットをその奥の緑色の大型アーマーのみに絞っていたのを、ようやく手前の二機に意識を向ける。
そこに後方からは、後続の同僚機からの通信が入った。
こちらはトシのいったおやじのものらしきだみ声がキツネ族の男のピンと尖った耳に親しげにまとわりつく。
「へっへ、ダンナ! 見た感じだいぶごちゃついてるみたいだが、俺たちはここで高見の見物してていいんですかい?」
「は、いいもなにも、そうするしかありゃしないだろ? ヘタに手出しなんぞしたら巻き添え食ってこっちが落とされちまう!」
もうひとりの年配の男の声が入るのに、何食わぬさまのクールなキツネ族の隊長は冷然と言ってのけるのだった。
「フ、無論だ。こちらへの手出しは一切、無用……! 中尉たちはそこで立ち見しているがいい。このわたしとあれの戦いを邪魔立てするヤツだけはそちらに任せる」
「了解っ! ……てことは、おこぼれはこっちでいただいちまっていいってわけですかい? そんじゃ、おい、あの青いのと赤いの、どっちをやる? どっちも面白そうで捨てがたいが……!」
「は、おれはどっちでも構わねえよ! ダンナに落とされちまわなかったらの話だが、せいぜい楽しませてくれるのかね?」
他愛のない世間話でもするかのように獲物を物色する部下たちに、何かと無愛想な部隊長は適当な相づちだけ打ってくれる。
「もとよりザコを相手にするつもりはない。危うくなればあやつが我が物顔をして出てくるのだ。その時は……」
「こっちでおいしく料理させてもらいますわ! 見たところそれなりに戦績上げてそうだから、でかい星が挙げられそうだぜ」
「調子に乗ってヘマすんなよ、ブンの字? 前みたいな情けないザマ、二度とゴメンだぜ?」
「ああ、誰に言ってやがんだ、五の字よ? もうアーマーも元通り、こっちに死角はありゃしないぜ! あんな見え見えの手はもう食わない」
タヌキ族とイタチ族のベテランのパイロットたちの掛け合いに、まるで聞く耳を持たないキツネ族の青年は冷めたさまで通信を終わらせた。
「頼みにはしている。どちらも全力を尽くすがいい。あのような見かけ倒しのアーマーによもや遅れを取ることはあるまいが、このわたしも全身全霊をもってあれを迎え撃つ……!」
「了解!!」
言うが速いか急降下で襲いかかるキツネ族のアーマーに、対するクマ族のベテランパイロットたちのアーマーが真っ向から応じる。
おのおのが命を賭けたしのぎを削るアーマー・バトル、その第二回戦の火ぶたが切って落とされた。
ベアランドたちの強敵として立ちはだかるライバルキャラ!
隊長にして凄腕パイロットのキツネ族、キュウビ・カタナとその部下のベテランパイロット、タヌキ族のチャガマ・ブンブ、イタチ族のスカシ・ゴッペとそれらが乗るギガ・アーマーのイメージ!






数々の前線で腕を鳴らしたベテランパイロットのダッツとザニーを相手に単機で挑む敵のアーマーは、やはりあなどれない強さをふたりの勇敢なクマ族に対しても見せつけるのだった。
肩を並べた横一列のフォーメーションでぬかりなくハンドカノンの銃口を向ける青と赤のアーマーの周囲をすさまじい速度で機動をかけて攪乱、半ば翻弄する白の飛行型アーマーだ。
変幻自在に戦闘機とアーマーに変形しては目にも止まらぬ高速機動で熟練のパイロットたちをあざ笑うかにターゲットサイトから姿をくらます。強い舌打ちがスピーカーから漏れるのに、みずからも舌打ちが出てしまうベアランドだ。
「ああ、もう押されてるいるよな? にしてもよくもあんなにガチャガチャと変形して動き回れたもんだよ! 操作ミスったら空中分解しちゃうんじゃないのかな? これはどうにも……!」
苦い表情で何事かアクションを起こしかけたところで、左のスピーカーから苛立たしげな文句ががなられる。
「ちょちょちょっ! むかつくわ! やたらに動き回って気が付いたらいつも背後の死角におるやんけ!? どないなっとるんや? あないなふざけた高速機動、反則やろ!!」
#17プロット
ライバルキャラ、キュウビ、ブンブ、ゴッペ再登場!
キュウビ VS ダッツ & ザニー 空中戦!
前哨戦の犬族キャラ、モーリィとリーンはしれっと退却。
ベテランのクマ族コンビはエースパイロットのキツネ族には大苦戦、やむなく隊長のベアランドと交代…!
ベアランド VS キュウビ
ダッツ & ザニー VS ブンブ & ゴッペ
持久戦の末に、キュウビ小隊退却…!
とりあえずベアランド隊の勝利?
補給機(リドル操縦)にダッツとザニーが補給(プロペラントタンク装備?)された上で、アストリオン北部海岸線から大陸に侵入、そのまま内陸の目的地へと向かう……
「アストリオン上陸作戦」プロット
アストリオン情勢
アストリオン・中央大陸(ルマニア・東大陸/アゼルタ・西大陸)
アストリオン・種族構成・ブタ族、イノシシ族、イノブタ族などがおよそ半数を占める。アストリオン自体は宗教色の強い、宗教国家でもある。元首・イン ラジオスタール アストリアス(家)
アストリオン・大陸構成
東側 アストリオン 60%
中央砂漠 空白地帯 25%
西側 ピゲル大公家 15%
西側は過去にあったルマニア(タキノンが領事だった?→タルマとの確執になる?)とアゼルタのゴタゴタで独立を宣言したピゲル公爵の独立領となり、後にアゼルタと同盟関係になる。
主人公、ベアランドたちが目指すのは、大陸の北岸地域から侵入して、大陸内陸部の中央砂漠にあるアーマー基地。今は西の大公家と結びついたアゼルタの支配下にあるのだが…?
実は無人化している?? レジスタンス(ベリラ、イッキャ?)の暗躍…!Part2 ベアランド小隊、
敵キャラ、モーリーとリーンに遭遇
↑
#17→ キュウビ小隊、出現!!
キュウビVSダッツ、ザニー…!
移行、アストリオンに上陸……
基地の占領完了と同時に、アストリオンからの守備部隊と合流?←ジーロ艦に合流したダイル?
タルクス、シュルツ博士登場!
プロットベアランド小隊、出撃 ベアランド、ダッツ、ザニーウルフハウンド小隊、出撃 ウルフハウンド、コルク、ケンスブリッジ 艦長 ンクス、オペレーター ビグルス、
副艦長は何故か不在?
友邦国のアストリオンの北岸域から侵入
内陸の基地を奪還、そのまま寄港するべく
海と空の戦い キュウビ小隊出現