#020
今回からの新キャラ&メカ!!
#020
※これまでのあらすじ※
海を越えて新天地の中央大陸に足を踏み入れるなり、海岸線から一気にその内陸部にあるという、敵基地への進軍と奇襲攻撃、そしてこの地域一帯の占領――。
因縁続きの強敵たちとの海上の攻防戦から立て続けのハードな作戦が、だが意外にも、いともあっさりと遂げられてしまった。
この作戦の先鋒部隊として突入したベアランドたちクマ族のアーマー小隊は、そこでこの大陸「アストリオン」の若手の正規軍兵士、ブタ族のタルクスと出会い、それによって連れられてきたある重要人物、イヌ族のシュルツ博士とも無事に合流。
その後に彼らの母艦であるトライ・アゲインとも合流し、今は完全に廃墟と化した元陸軍基地の滑走路に停泊する母艦の中で、それぞれがひとときの余暇を過ごしていた。
Part1
クマ族たちが属するルマニア軍の中でも、最大規模と性能を誇る、超大型の最新重巡洋艦の、そこは広大なハンガー・デッキ。
その中にいつの間にか見たこともないような巨大な人影があるのを、神妙な顔つきで見上げる、ふたりのクマ族の姿があった。
どちらもクマ族の中ではかなり大柄で、共にしげしげと興味深げに見上げては、その二体の人型戦闘ロボットを観察している。
その中のひとり、濃緑色のアーマー・パイロットスーツにその身を包んだ、若いクマ族が言った。
「ほんとにどこからどう見ても、どこにもさっぱり見覚えがない機体だよな、このどちらとも? 実際、どこの国の軍隊にだってこんなおかしな見てくれのアーマー、ありゃしないよね? てことは完全にオリジナルの機体、なのかな??」
そう心底いぶかしげにこの隣に立つクマ族、じぶんよりもさらに大柄でふとっちょなチーフ・メカニックマンに聞くのだった。
すると聞かれたもう一方、メカニックマンのくせにパイロットスーツみたいな、やけにがっちりとした作業着を着込んだ巨漢のクマ族、年齢的にはもういいおじさんのイージュンは、さも気のない返事で答える。
目の前の巨大な人型戦闘ロボに、果たして興味があるのかないのかわからないようなそぶりだが、本心はどうだかわからない。
「……オレも、こんなのは初めてお目に掛かったよ。できればどっちも全身バラして細かいところまで見てやりたいもんだが、これ以上、仕事を増やされてもたまらない! かと言えあの機械小僧のおチビちゃんも、今はおまえさんのおばけアーマーにかかりっきりで、ろくすっぽ手が回らないんだろう?」
じゃあどうするんだよ? と逆に冷めた目つきで聞かれてしまって、さあ? とばかりに、みずからの大きな肩をすくめさせる若手のエースパイロットの隊長さんだ。
「まあね、向こうさん、あの若いネコ族とゴリラ族くんたちも、じぶんたちのアーマーには勝手に触らないで欲しいって話だったから、いいんじゃないのかな? アーマーを収容するデッキさえあれば、後はじぶんたちでやってくれるらしいよ。きっと慣れてるんだね♡」
「そんなもんかね? 言えば流しで戦場を渡り歩いてる傭兵くずれどもなんだろう? こんな見るからに怪しい珍奇なアーマーを道連れにしてちゃ、往生することばかりだろうにな……!」
半ば呆れ混じりの言葉に、内心ですっかりと同意して苦笑気味にうなずくベアランドだ。
「ま、いろいろと訳ありみたいだね。でもどうしてかうちのボス、艦長とも知り合いみたいなカンジだったけど? 違うのかな??」
「ああ、そういや、我らが総大将の艦長さまがわざわざブリッジから降りてきたんだろう? あのならず者達に会うために??」
やけに不可解げなメカニックマンのセリフに、こちらもさも不可思議そうに目をまん丸くして答えてやる。
「まあ、素性のわからない人間をおいそれと旗艦のブリッジに上げるわけにもいかないから、便宜上そうなったんだろうけど、詳しくはわからないな。あのふたりに聞いてみないことには。でもふたりともきょとんとしていたような? あんな大御所のスカンク族さまが、一方的な知り合いってことでもないだろうにさ!」
いいながらこの太い首を傾げて、ちょっと前のことに思いを巡らせるベアランドだ。
そう、このじぶんの立ち会いのもと、デッキのブリーフィングルームで相対した老年のスカンク族の艦長と、若いふたりのアーマー乗りたちは、そこではろくに言葉をかわすこともなかった。
だが、そこでふとしたひょうしに顔色を和ませる艦長どのが、確かにこう言っていたはずなのだ。
『ん、おまえたち、大きくなったな……!』
『??』
それを傍でいぶかしく聞くクマ族なのだが、しかし当のネコ族とゴリラ族も意外げなさまで、この目を互いに見合わせていた。
あまり意思の疎通らしきは感じられない。
果たしてこの艦長だけが得心したさまで、その場を後にするのだった。このあたり、たぶん当人たちに聞いたところで、わからないのだろうと推測するクマの隊長さんだ。
しきりに正体不明のアーマーを見ているにつけ、不意にこのとなりででかい身体を身じろぎさせるメカニックマンがささやいてきた。
「お、噂をすればなんとやらだ。やっこさんたちが戻ってきたぞ? てか、あいつらっておまえのとこにつくのか? それともあの口やかましいオオカミ野郎か? 面倒だからおまえのとこに入れてほしいな。第二小隊だったらこのオレの受け持ちになっちまうだろ!」
ちょっとイヤそうな口ぶりに、これまた苦笑いでそちら、右手に視線を流すクマ族の第一小隊隊長どのだ。
「ああ、ブリッジから艦長と一緒に降りてきたオペレーターのイヌ族くんに、この艦のおおよそのところを教わってきたんだろ? ちなみにふたりともぼくらとは独立した、別個の部隊編成になるはずだよ。いきなり編入してもうまく部隊として機能するはずがないし、はじめは守備部隊くらいでいいんじゃないのかな?」
「それがいいな。仕事を増やされたくないし、アーマーを独立して運用するんなら、どうかデッキのすみっこでやってもらいたい。いつまでいるかも怪しいんだろ、ぶっちゃけ?」
「どうだか? できたら本人たちといろいろと話したいんだけど、あいにくで今はまた別のお客さんが来ているから……!」
「ああ、あの例のキチガイ博士さまか、ちんけなイヌ族の! ん、噂をすればこれまたなんとやらだ。お出ましになったぞ?」
この船幅が通常よりも倍くらいもある超大型艦の構造として、大きく左右に分かれたデッキを中央でつなぐセンターブロックにあるエレベーターから姿を現した、二人の新参者たち。
そしてそこにこれまた新たな新参者、こちらはやけに小柄な人影が、おとなりのもうひとつのエレベーターから出現する。
こちらはおまけでお供の若いブタ族を引き連れていたが、それを置き去りに早足で突き進むイヌ族の博士は、脇目も振らずでまっすぐにこちらに向かってくる。
それに後から大慌てでこれに追いすがろうとするブタ族、名前は確かタルクスとか言ったはずの若手のパイロットなのだが、いきなりけつまづいてはそれきりあえなくその場にいたゴリラ族とネコ族にとっ捕まっていた。
なにやら騒動になっている。
もはや独りよがりなイヌ族には、すっかりと見放されていた。
新人同士のブタくんはいっそそちらに任せて、まずはこちらに向かってくる問題児のイヌ族と向き合うベアランドだ。
隣のイージュンは浮かない顔で、ただじっと目配せしてくる。
つまるところでお前に任せると言っているようだ。
確かこのベテランの技術屋の師匠は、こちらのお抱えの若手技術主任とも共通で、おまけに同じイヌ族ながら問題の博士とは、それこそが犬猿の仲で有名だったはずだ。
どうやら弟子の立場からしても苦々しい存在らしい。
混ぜるな危険……!
言われるまでもなくそれと察するクマ族だった。
それだからリドルと博士には互いにこのことは伏せておこうと心に固く誓うベアランドだ。
「ほんとにこれ以上めんどくさくなるのは勘弁願いたいからね! うわ、すんごい真顔だな? 博士、どうも♡ ところで何をそんなに急いでいるんだい?」
適当に当たらず障らずして語りかけてやったところ、すぐにもこの脇を通り過ぎる勢いの白衣の老人は、だがそこでピタリと立ち止まる。挙げ句こちらを見上げたかと思えば、つまらないものを見るようなひたすらな真顔で言ってくれた。
「ふん、おまえこそ何をそんなところでのんびりしているのだ? 時間は有限、一秒たりとも無駄にはできないものを……! ならばさっさとこのわたしをきさまのアーマーのところまで案内しろ。無論、主任のメカニックにも招集をかけてだな! この艦の構造からすればあちらなのだろう? ゆくぞ!!」
「あ、そんな急がなくても……行っちゃった!」
「いいから行ってこいよ、ゴリラと猫と、あとついでにあのぶぅちゃんの相手はオレがしてやるから!」
ベテランのメカニックにそう促されて、やれやれとその場を後にするクマ族のパイロットだ。
見ればイヌ族の博士はシッポを左右に大きく揺らしながら遠くの角をさっさと曲がってこの姿を消す。
いいトシなのに元気だよなあw。
とか言いながら、独りよがりで偏屈な博士が行った先でおかしな問題を起こしていないかを想像したら、自然とじぶんも早足になっていた。
そして案の定、その先でやはりちょっとした騒ぎが巻き起こるのをリアルタイムで目撃することとなる隊長さんは、またしてもやれやれとみずからの肩をすくめてしまうのだった。
Part2
いわく、弱い犬ほどよくわめく……!
まさしくその通りで、角を曲がった先でそれはキャンキャンとやかましくわめき立てる、小柄な白衣姿のイヌ族の老人博士に、内心でいささかげんなりとなるベアランドだ。
そこにはまたおなじくげんなりしたさまのおじさんのクマ族たちがふたり、より近くにいるものだからなおさらに耳が痛そうな顔して、この老博士を見ていた。
またおなじくクマ族でこちらはずっと若いクマ族の青年も、かなり困惑したさまで小柄な毛むくじゃらの犬族にいいように噛みつかれている。本当に噛みつきそうな剣幕に、やれやれと苦笑いして仲裁に入る隊長さんだ。
「やれやれ、穏やかじゃないな? どうしたんだい、リドル、そちらの博士さまになにか失礼なことでもやらかしたのかい?」
そうあっけらかんしとた軽口みたいにいいながら、実際にはそんなはずはないだろうことは重々承知している。
そんな苦笑いの小隊リーダーどのに、対して小隊のアーマーを一手に引き受ける天才的メカニックの青年、もっと言ってしまえば少年のクマ族は、慌てて敬礼して返してくれるのだ。
とっても律儀で礼儀正しいさまに、またしてもあははと苦笑いしてしまうベアランドだった。
「はっ、少尉どの! ああ、いえ、その、じぶんは何も失礼なことなどはっ、て、博士どの? なのでありますか、こちらが?? ですがいきなりどこからか現れて、このじぶんのことを見るなりに大きくわめかれて……!」
若いクマ族がかなり困惑したさまでおろおろするのをどうにもおかしく眺めてしまうが、それをやはり傍でながめているおじさんのクマ族たちのうんざりした顔つきを見ているにつけ、状況をそれと把握する若いクマ族の隊長さんだ。
「そうか。二人とも今日が初対面だったよね? もっと早くに引き合わせておくべきだったかな。確かにどちらもびっくりだ。こんな小柄なおじいちゃんの博士と、やたらに若くしたチーフメカニックくんじゃ!!」
笑い飛ばしてやるのに、当の博士はあからさまに不機嫌なさまでにらみ付けてくる。加えてキャンキャンとのたまうのだった。
それだから広いアーマーのハンガー・デッキの中をキンキンとこだまする老人の癇癪を、右から左に聞き流してはただ鷹揚にうなずくパイロットだ。
「フン、誰がおじいちゃんだ、失敬な! それよりもなんだこの貧相な小僧は? よもやこんな青二才がチーフメカニックだなどとほざくのではあるまいな? まったく飛んだ茶番だ。艦長を呼べ! わざわざこのわたしが出向いてやったのに、持ち場を留守にしておったあのうつけものをだな!!」
「ひどいな? そうか、ンクス艦長とは入れ違いになっちゃったんだ。今頃はもうブリッジに戻っているはずだけど? でも呼んだところで来てはくれないんじゃないのかな。それにそっちこそ失礼なんじゃないかい、うちの自慢の天才メカニックさまをただの小僧呼ばわりだなんて! ね?」
そう言って傍で傍観者を決め込んでいるふたりのベテランパイロットに同意を求めてやるに、当のおじさんのクマ族たちはちょっと慌てて互いの目を見合わせる。
「はぇ? ああ、確かに、見た目はめっさ若いんやけど腕は立派なもんちゃいますか? ぼくらのアーマーを見た時も、機体の特徴や整備のクセを、一発でそれと見抜いてくれはりましたから」
「せやんな! わざわざ言わんでもかゆいところに手が届きよるし、何より、アレなんやろ? この子の師匠はん、めっちゃ有名なブルドックのおじいやんな? なんちゅうたっけ、確かドルスとか、ブルースとか……?」
ザニーのセリフに相づち打つかたちでダッツも同調してくれるのだが、あまり触れては欲しくないところまで突っ込んでくれるのに、顔つきが微妙なものになるベアランドだ。
相棒のザニーもちょっと微妙な面持ちでダッツに返す。
ただしそれがだめ押しの決定打となった。
「ブルース・ドルツちゃう? 泣く子も黙る鬼の整備士(メカニック)! ちゅうか、それってゆうてええんか? そのひと、この博士さんとは犬猿の仲やったんちゃうん?」
「あ、せやった! 有名やんな、めっちゃ! あれ、マズイことゆうてもうたか、おれ??」
「あらら……!」
慌てた調子で見返されても、返事に困る隊長さんだ。
リドルだけがきょとんとしたさまで周りのクマ族の反応を見つめている。ある地方のひなびた陸軍基地で身寄りの無いのを拾って育ててくれた犬族の老人は、まだ現役の凄腕メカニックであれども、みずからの過去の偉業は語ることがなかったらしい。
この目の前の性格冷血にして冷徹な博士と、とかく人情家の機械屋とでは、たとえ同じイヌ族であれど火と油で交わることがないのは考えなくともわかるだろう。
おかげで微妙な空気がその場を支配するが、仏頂面した博士がやがて目の前の若い整備士に鋭い視線を投げかける。
余計にカンに障ってしまったものかと内心でヒヤヒヤするクマ族のパイロットたちの見守る中で、だがイヌ族の老博士は何食わぬさまで言うのだった。
「ブルースだと……? ふん、あのくだらないおよそ数値にもならぬ感情やら感覚ばかりをほざくブルドックの機械屋めか? まったく愚にも付かぬ世迷い言ばかりでこのわたしにことごとく楯突いた、あのおおたわけめの教え子だと言うのだな? 貴様は??」
「は、はい? ああ、ブルースは確かにこのぼくの育ての親であり師でもありますが、その父と何か関係がおありなのですか? でもあんまり良好な関係ではなさそうな……」
ひどく怪訝な青年に、思わずうんうんと頷いてしまう隊長さんだが、この後に続いた博士の言葉には目をまん丸くしていた。
「ふん。いいだろう……! いささか性格に難ありではあったが、整備士としての腕は確かに一流ではあった。それだけは認めてやれる。それ以外はもはや全否定だが、それの弟子であるのならば、それなりのものは期待ができると推測はできるのだろう? ならばこのわたしが直々に見定めてやろう、貴様の価値、ちゃんと数値化したまごうことなきその真価をだな!!」
「は、はい??」
おじいちゃんの博士から真顔で言い放たれたセリフにすっかりちんぷんかんぷんのリドルだが、それをおなじく意外に聞くベアランドはこれまでとはまた違った苦笑いを浮かべていた。
「おやおや……!」
意外と気に入ってくれたものらしいとリドルにウィンクしてやる。やっぱりぼかんとしたさまの整備士だ。
「おじい、気に入ってるやん? おれらのチーフのこと!」
「え、それはそれで微妙ちゃう? 正直めんどいでぇ、こないないらちなひと! ぼくやったらパスやわ、パス」
ダッツとザニーが小声で皮肉めいたことをぼそぼそ言っているが、そんなもの一切聞く耳持たない博士はさらに鋭く言い放つ。
「まずはアレのデータを見せてもらおうか。これまでのものをすべてだな。メインのコントロールルームに案内しろ。わたしのラボのメインコンピューターとただちにシステムを同期させて以後はこちらの指示に従ってもらう」
「ラボ、でありますか?」
まったく話の流れについて行けてない整備士くんに、隊長さんがしたり顔して大きくうなずく。
「ああ、博士専用の研究室を割り当ててもらったんだよね? みずからの個室(セル)じゃなくて、ちゃんとした作業場ってヤツをさ? でも場所がみんなの居住区じゃなくて、ひとりだけ機関室、つまりはこの艦のメインエンジン部のすぐ隣りの、言ったらデッドスペースの倉庫だったけ??」
「倉庫ではない。ラボだ。ちゃんと資材や装置は運び込まれている。十分なスペースを確保するのにそこしかなかっだけの話」
「は、機関室のおとなりって、ひとが住めるようなとこやないんちゃうか? めっさ揺れるし、音もおっきいやろ??」
「ほえ、あとおまけに暑いんちゃう? そないなとこでアーマーの研究とか落ち着いてできへんのちゃうんけ??」
「まあね……!」
若干引き気味のおじさんたちにはこちらも疲れた苦笑いして肩をすくめる隊長だ。
だが何事でもなさげな博士は周囲からのつまらない指摘を聞き流す。しれっと言ってのけた。
「騒音や振動ごときは気にしなければいいだけの話だろう? 心頭滅却すれば火もまた涼し、という言葉を知らんのか?」
完全にどん引きするクマ族パイロットたちを尻目に若いクマ族の整備士にくってかかる博士は、しまいには付いてこいとばかりにシッポを一振りして、いずこかへと早足に突き進んでいく。
ただの当てずっぽうでだ。
さっき案内しろとか言っておいて身勝手な振る舞いにびっくりする整備士くんだが、慌ててこの後に追いすがる。
「あ、待ってくださいっ、博士! そちらはただの資材倉庫ですから、コントロールルームはあちらになります!!」
「早く言え! この役立たずめが!!」
クマ族のパイロットたちだけが取り残された場には、それきり嵐が過ぎ去ったような静けさがわだかまる。
やがて中でもベテランの赤毛のクマ族が言った。
「ええんですか? 大事なぼくらのメカニックくんを、あないなしょうもないイヌ族のおじいに預けてもうて??」
「……ああ、いいんじゃないのかな? 意外と相性が良さそうな気がしてきたし。あのリドルをキライになる人間なんてそうそういはしないよ。あとあの子の腕の確かさを見れば、博士は決して邪険にはしないさ。そういう人間だよ」
「なんかビミョーやな……?」
あんまり納得いかないような浮かない顔つきで目を見合わせるクマ族のおじさんたちには、やはり仕方がないよと肩をすくめるしかないおなじくクマ族の若い隊長さんだった。
Part3
終始マイペースでなおかつキャンキャンとやかましいイヌ族の老博士と、これに慌てて追従する若い青年クマ族の整備班長の気配は、まだしばらくはそこかしこに感じられた。
そこにかすかな反響音(エコー)を伴って。
だがさすがにこの視界からすっかりと消え失せたらば、それきり辺りはシンとした静けさに見舞われる。
おそらくはこの真上の上層階にあたる、目的のコントロール・ルームへと入ったのだろう。
かすかにため息ついてその場に取り残された者同士、目を見合わせるクマ族のパイロットたちだ。
ちょっと疲れた感じで微妙な表情のベテランたちには、ま、仕方が無いよ……! と肩をすくめるばかりの隊長のベアランドだが、背後でまた新たな気配がするのにそちらを振り返る。
ひたすらに広い艦内、必要がないところは極力照明が落とされた暗がりの中に、やがて大小さまざまな人影が浮かび上がるのをじっと見つめる。
おおよそで予測はついていたが。
よって、博士以外の新人さんたちがこぞって顔を出してくるのを、ただ黙って迎えてやった。
背後で低いしゃがれ声が上がるのがわかったが、そう、本国ではそうそう見かけることがない、だが今となってはすっかり見慣れたブタ族以外にも、かなりレアな種族がまじっているのにおかしな感心じみた感想をくちぐちに漏らすおじさんたちだ。
三人いる人影の中でも一番最後につけている、ひときわ大柄な真っ黒い毛だるま、もとい毛むくじゃらのおまけ筋骨隆々としたのは、これが遠目にもひと目でそれとわかる、ゴリラ族である。
クマ族たちの出身である東の大陸でもそうそうお目にはかかれないレア種であり、まだ若いのだろうに言いしれぬ迫力みたいなものがあった。
まずこの顔だけ見たら、コワイ。
その手前に肥満体型のブタ族のタルクスとこちらは細身で小柄なネコ族がいたが、後ろの筋肉だるまに見た目において圧倒されてまるでこの存在感が目立たない。
ただし良く良く見れば、ネコ族でもこれまたレアな見てくれした、かなりクセのある立ち姿なのだが……。
おじさんたちはまるで目に入らないようだ。
「」
「」
そんなベテラン勢のひそひそ声に苦笑いしながら、新人のパイロットたちに声をかける第一部隊の隊長さんだ。
プロット
ベアランド ダッツ ザニー →博士とリドル、離脱。
←イッキャ、ベリラ、タルクス 合流。
イッキャ ベアランドに話しがある。タルクスはダッツとザニーと打ち合わせの予定。タルクスはリドルのビーグルⅣを引き継ぐ段取り。
※現在進行形で執筆途上です! あしからず(^^)
ちょっと席を外します(^^;)
プロット
#020 プロット
トライ・アゲインのハンガー・デッキにて……
登場人物 ベアランド、イージュン、イッキャ、ベリラ、博士、タルクス、ザニー、ダッツ、リドル、(ウルフハウンド、コルク、ケンス?)
お話の冒頭で、いきなりベリラとイッキャが登場。このアーマーもおなじく登場。レジスタンスの一味として砂漠の陸軍基地を攻略したものの、後から来たトライ・アゲインに占拠されてしまい、この奪還を試みたものの、あっさりと見つかってしまう。
口からでまかせ?でフリーの戦術アドバイザーを名乗り、人手の足りない主人公たちの戦艦にノリと流れで乗り込んでしまう。
二つ並んでアーマー、リトル・ガンマンとカンフー・キッドを見上げながら、ベアランドとイージュンのだべり。
イッキャとベリラの元に、ブリッジから艦長、ンクスが降りてくる。「大きくなったな……!」謎の言葉を残して。
博士は、艦長と入れ違いでブリッジからデッキに降りてくる。
タルクスも護衛として同伴。タルクスはアーマーがないので、便宜的にリドルの補給機、ビーグルⅣを乗機とする。
ザニーとダッツ、めんどくさい博士を見送ってからイッキャ、ベリラ、タルクス(博士の後をおっかけてずっこけたところをつかまる)と合流。アーマーのお話で盛り上がる。
ベアランド、博士とリドルの引き合わせ。ダッツとザニー
ベアランド、リドル ← ベリラ、イッキャ タルクス
パート②
アーマー部隊出撃。イッキャとベリラも出撃。ベアランドはお目付役として上空から待機。