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ルマニア戦記 #004

第二話 「クマとオオカミ。真逆のふたり?」

 第二話

『クマとオオカミ。真逆のふたり?』

 #004

※おはなし、挿し絵(イラスト)ともに随時に更新されていきます! 今はやりのいろんな配信アプリを用いて挿し絵やキャラクター、メカニックのデザインなどを動画配信、こちらのホームページと同時進行でやってまいります♥ ちなみにこのお話あたりから主人公のデザインがしれっとモデルチェンジしてたりします(^^) あしからず♪

 某日、未明。
 まだ夜明け前なので外は暗い。
 なのにかまびすしいサイレンがまたしてもオンボロな戦闘ロボの格納庫の中にわんわんと鳴り響く!
 もはやいたって日常の光景だが、ドタドタとした足取りでデッキ内に入ってくるなり大柄のクマのパイロットがひどいうんざり顔で愚痴をわめいた。

「ああっ、うるさいったらありゃしないな! リドル、もういいからこのサイレン切っちまってくれよ? 鼓膜がどうにかなっちまいそうだ!! よっと……!」

 耳を刺す騒音から逃げ込むみたいな感じでみずからのアーマーのコクピットにいそいそと潜り込むでかいクマに、後から駆けつける小柄で華奢な若いクマ族がひどく恐縮したさまで返事をする。
 どこぞかに向かって何事かこちらも喚いていたが、おそらくはデッキのおやっさんにサイレンを切ってくれるように懇願したのだろう。
 目の前のパイロット同様、あちらは雲の上の存在のような大ベテランの上官でおまけ親代わりのお師匠さまだから、きっと板挟みなのに違いない。

「ベアランド少尉どの! サイレンは機体が出撃しなければ止めることが出来ないとのことでありますっ! それとウルフハウンド少尉どのはすでに出撃しておられますっ、こちらもすぐに出られますのでただちにアーマーの立ち上げお願いします! チェック、三十秒で済ませます!!」

「あっそ、いつもながら優秀だね! 相棒のオオカミくんがひとりで突っ走ってるのはやっぱりいつものこととしても、どうして敵さんてのはこう朝が早いのかね? なんかしらの意図があるんじゃないのかと疑っちゃうよ」

「はい? あ、警報止まりました! でも師匠が怒ってるみたいでしたが。ハッチ、さっさと閉じますか?」

「ははっ、あのダミ声でがなられたらサイレン鳴ってるのと変わらないもんな! それよりシーサーのやつは結構先行しちゃってるのかい? アーマーの性能をいいことに脇目も振らずに敵陣めがけて突っ込んでくから、あれじゃいいかげんに包囲網とかをしかれちまうんじゃないのかね??」

 呑気な口ぶりで思ったこと言ったら地べたのあたりから例のだみ声がしてきた。
 その声いわく、そうならねえようにおめえがしっかりサポートしてやるんだろうが、このノロマのクマ助が!! もはやその顔を見るまでも無くしかめっツラのおやじさんはすこぶるおかんむりのようだ。
 ふたりで思わず頭をすくめて、苦い目付きを見合わせてしまう。

「ああっ……! すでにこちらの通信や観測レーダーの範囲を越えた中立線地帯から敵国側に入っておられるようです。よって少尉どのの機体では合流までにかなりの時間が、とにかく出撃準備済ませます!」

「了解! うん、ならこっちも考えがあるよ。リドル伍長、滑走路の誘導は途中まででいいから、中に待機してこっちの軌道演算のサポートしておくれよ。できる範囲で構わないから、いわゆるミサイル発射の要領でさ♡」

「は、はいっ?」

 さっさとみずからの仕事に取りかかるべく一旦は引っ込めかけた頭をまたぴょこんと出してくる弟分のクマに、でかい図体をみずからのシートにくくりつける兄貴分は鷹揚に笑ってウィンクする。

「いいから! 一か八か、大気圏内じゃそうはスピードが出せないコイツでも、やりようによってはかなりのショートカットが効くってことを実証するチャンスだよ。ま、この場合はシーサーが遠くに居てくれることがミソなんだけれどもね♪」

「はあっ……!」

 相手が言ってくれていること、理解しきれてないふうな若手のメカニックに目付きでうながしてグローブをはめたふたつの大きな拳をゴキゴトと鳴らすベアランドだ。いたずらっぽい笑みで楽しげにハンガーデッキの前方のまだ暗い西の空を見上げる。

「さあて、楽しくなってきたよね♡」

 みずからの乗り込む大型の機体以外は物音を立てない基地の外れで、人知れず戦いの幕は開ける。
 夜明けは近かった。


 すこぶる順調な進撃だった。
 いまだこれと言った敵影との遭遇もないまま、友軍の基地からもうかなりの距離を単独で走破するウルフハウンドの新型アーマーだ。
 不意に耳障りな警告音がなって、それで二つの川に挟まれた緩衝地帯から完全に敵国側のテリトリーに入ったことを知る。
 鋭い目付きで周囲の景色を写した高精細ディスプレイをねめ回して、不機嫌に舌打ちする血気盛んな新人少尉どのだ。

「ケッ、わかってるよ! にしてもここまでずっとろくなお迎えもなしじゃねえか? レーダーのレンジにも入らない遠くからロケット砲やら機銃掃射やらで威嚇にもならねえ腰抜けどもが、まともなアーマーらしきがどこにも見当たらねえ。このままじゃ敵さんの本陣(基地)にまで乗り込んじまうぜ!」

 さすがに単機でそこまでするほど無鉄砲でもないものだが、思わず毒づいてしまうオオカミ族だ。
 見覚えがある長い海外線をまっすぐに縦断していつぞやの廃墟と化した前線基地を横目に見ながら、うっそうと茂る敵国側の森林地帯に突入! その先はかつての農耕地帯で、今は拓けた荒れ地と知れていた。
不可思議なアーマーの反応が感知されてからここまでいの一番で乗り付けて、からっきしでは帰るきっかけが掴めない。せめて敵のアーマーのひとつかふたつは撃破して星を稼ぎたいところだった。相棒のクマ助はいつものんびり太平楽でまるで気にしていないのだから、ここでライバルに差をつければ一足先に昇格、部隊の隊長の座にもめでたくありつけるやも知れない。
 噂では性格剛胆にして冷静沈着、裏表のない性格が人望にも厚いとされる同僚のクマ族がその候補とされているとは耳にしていた。だからと言ってこれをただ快くは認めていない彼だ。やる気のないヤツに部隊の指揮など執らせてなるものかと殺気を宿して正面のモニターに食らいつく。

「どらっ! これでどうだっ、ここまで来たらさすがに……!!」

 森を抜けたら予想していた通りに拓けた荒野が広がっていた。おまけそこには待ってましたとばかりに複数の敵機が待ち構えていたが、それらは何やら拍子抜けするくらいにぽんつぽつんとに散在していた。いっそ所在なさげだ。
 かろうじてこの中心に移動型の機動要塞らしきがあったが、丸裸に近いくらいにその大型の機動タンク艦の周囲には護衛のアーマーも弾よけのトーチカらしきも存在しない。
 かくして出くわすなりそれが散漫に砲弾を発砲していたが、射撃精度なんておよそ無いに等しいくらいにひどりありさまだった。
 それらが周囲の土塊(つちくれ)や林の枝葉をむなしく飛び散らすのに、舌打ちしながらアーマーを加速させる。
 あいにくと馬鹿正直に敵陣目がけて直進するほど無策ではない。生まれつきに単独行動を好むオオカミは用心深く雑木林と野原の境を縫うように自機を走らせるのだが、これにようやく周囲でぽつぽつとまばらな敵のアーマー群が攻撃をしかけてくる。
 そのちょっと慌てているみたいに息せき切った攻撃には傾げた頭の隅で?マークを灯しながら、負けん気の強い若造は大口開けてうなりを発する。

「へっ、うすのろのロートルアーマーどもめ! そろいもそろってどこ狙ってやがる? もっとマシなのを揃えやがれよ!! そらっ……」

 あんまりひとりで調子に乗っては、しまいには囲まれて袋だたきに遭うだろう? などとひとを揶揄した相棒の言葉が脳裏をよぎったが、その時はまるで気にもせずで右から左へ聞き流した自信家だ。
 前方には直進をはばむように土があからさまに掘り返された跡がいくつも残り、おそらくは地雷が埋設されているのだろうことを目視できた。
 これ見よがしでずさんなトラップをセンサーでも察知したのをアラーム音が告げるが、それにも構わずにコクピットの制御システムであるシステムコアに命令を発する。

「構わねえさ! ギャング、おまえの力を見せてやれ! スタンドアップ! ゆくぜっ、『ラン・モード』!!」

 言うなり出し抜け、みずからのパイロットシートから勢いよく立ち上がるオオカミだ。
 身体をくくりつけるシートベルトはとっくに取っ払っていた。これに合わせて周囲を取り巻くコンソールやパネル、背後の座席がバラバラと音を立てて解体され、周りに障害物のないさながらランニングマシーンのような特異なデバイスに置き換えられていく。およそ一秒そこそこ、最低限の安全を確保するべくした手すり代わりのロープが張り巡らせるのみのちょっとした空間が出来上がっていた。
 すると当の細身のパイロットはなんのためらいもなし、唯一残ったハンドリングレバーを両手に構えて直立歩行の構えから一気に両脚を回転させる激走の態勢に転じる。
 これにともない彼を乗せたアーマーそれ自体も常識では考えられないようなスピードの走行モードに突入する。
 地雷原とおぼしき穴ぼこだらけの荒野を猪突猛進!
 鋼鉄の両脚を交互に繰り出して爆走する巨人、ギガアーマーなどおよそこれまで誰も見たことがなかっただろう。
 本来、通常の歩行動作だけではどんなにいっても早足止まりの大型ロボット兵器だ。
 従ってそれ向けに設定された地雷はどれも影が走り去った後にきっちり二拍遅れで空しく爆発、コクピット内で疾走するオオカミ族の機体にかすり傷ひとつとつけることはできないのだった。
 何を意図したものか、広い野原の中心の移動要塞を大きく取り囲むように敵は陣形を組んでいる。
 ならばこのまま大回りに荒野を一週してあらかたケリをつけてやろうと目論むウルフハウンドだが、駆け抜けてやるべくした前方の地雷原が一斉に爆破、大きな土煙を上げて前方の視界をふさがれる。

「チッ……! めんどくせえな、だったらお望み通りに出て行ってやるよっ! ただしノロマなおまえらじゃこの俺さまのギャングは捕まえられないぜ!?」

※まだ執筆途中です! 随時に更新してまいります(^^)

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