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「オフィシャル・ゾンビ」14

オフィシャル・ゾンビ
ーOfficial Zombieー

オフィシャル・ゾンビ 14

※↓鬼沢や日下部たちが突入したビルのフロアマップです。
  オフィスビル「ベンチャーズ・ヒルズ」フロアマップ

※「ニコニコ生放送」で創作ライブやってま~す♡

オフィシャル・ゾンビ 14


 まだ見習いではあるが、鬼沢にとってはじめてのオフィシャル・ゾンビのアンバサダーとしての仕事は、かつて番組収録のロケで訪れた個人経営の警備会社に取り憑く〝害悪〟の実態調査、ないしこの正常(清浄)化のミッションであった。

 テレビ局で落ち合った同じ顔なじみの芸人にしてアンバサダーの面々と即席のチームを組んで徒歩での移動、つつがなくこの目的地に到着。

 本人がいまだ納得がいかないままに、作戦自体はあれよあれよと実行に移されていく……!

 まさかのロッククライミングよろしくで五階建ての建物の壁を生身でよじ登って、この目標となる最上階にアプローチすると言う、ベテランのおじさん漫才師コンビと二手に分かれて、こちらはビルの正面玄関から臆面もなく堂々と内部に侵入!

 かくして一気にこの階段を目的地の五階まで駆け上がったクマとタヌキ、もとい、日下部と鬼沢だった。

 普通の人間からはその姿形が見えないのをいいことに何食わぬさまで階段からフロアに顔を出すと、そこは何故かもう真っ暗闇な状態だ。

 本来ならばまだ営業中の時間のはずなのだが……?

 階段の踊り場から一本まっすぐに続く廊下は明かりがすべて消されてしまっている。外からの夕焼けは北向きの窓からは入って来なかった。
 
 どうやら窓枠全体にそれ用のシールドが施されているらしい。

 ゾンビ化したケモノ、ないしバケモノの状態だからこの視界にさして不都合はないのだが。

 それでお互いに微妙な顔を見合わせる芸人さんたちだった。

「目的地に到着しました……! 気を引き締めていきましょう。ここからはちょっと不穏な気配を感じますので……」

「なんか真っ暗だなあ? ひょっとして、定休日だったりしてやしないか? だとしたらすごい間抜けなんだけど! わざわざ階段上ってきたからちょっと身体が熱くなってきちゃったよ、全身こんな毛だらけだから!! 誰もいないなら普通にエレベーターで来れば良かったんじゃないか??」

 鬼沢のいかにも平和ボケしたタレントさんらしいのんびりしたものの言いに、対してこちらは白けた顔で応じる日下部だ。

「いわゆるセオリーですね。エレベーターなんてヘタに使って、閉じ込められたらそれこそ目も当てられないじゃないですか? 見ての通りで、あちらはもうおれたちの存在に気づいていますから。明かりを消して気配を殺して、もう臨戦態勢ですよ……!」

「なんでわかるの? ただのお休みかもしれないじゃん??」

 あんまりピンと来ていないらしい気の抜けたタヌキに、はじめ小さなため息つくクマが、仕方もなさげに本音をぶっちゃける。

「まずはじめにここに突入したって時に、強めの〝ゴースト〟が二体いたじゃないですか? ここの玄関から入って正面のエレベーターホールのあたりに? あれです。アレが実は……」

「俺があっさりと片付けてやったけどな! 必殺のグーパンチと新技のハリセンで!! すごかったろ? あれから自分なりに特訓して、ちゃんと武器になるまで鍛え上げたんだから!! あんなのもとはただのハンカチだぞ?」

「まあ、それは認めますけど。あれから鬼沢さんなりに努力していたんですね? あとあのハリセンってのははじめて見ました」

 日下部のあまり気持ちのこもっていないようなセリフにひとりだけ得意顔して、えっへん!と胸を張るタヌキのゾンビにして先輩芸人だ。

「へっへ、コバヤさんと戦った時に偶然出したアレを改良したんだ! でもあのままだと危なすぎるだろ? いろいろ考え合わせた結果、ああなった。ハリセンなんていかにも芸人さんらしくてカッコイイじゃん! あれなら致命打になんかならないし」

「でもいざとなったら切れ味鋭いカタナのようにもできるんですよね? 弱いゴーストが相手なら、あれで十分だとしても」

「やりたくない! 俺は殺し屋じゃないんだから。それにまだアンバサダーになるだなんて言ってないし。そうだぞ、おまえが勝手に話を進めているんだからな?」

「でも結果的にそうなっていますよね? いい加減に覚悟を決めてください。さっきのゴーストを退治したのも立派なアンバサダーのお仕事なんだし。でも結果から言ってしまえば、失敗でしたね?」

「は、何が?? ちゃんとどっちも一発できれいに跡形もなくやっつけたじゃん!!」

 すっかりいい気になっていたのが思いも寄らぬ指摘をされて、不服気に反論する鬼沢に、すると日下部は真顔でこれまた思わぬ事実を言ってのける。

「だからそれが問題なんです。あれはいわゆる見張り役の囮で、敵が侵入してきたことを感知するためのトラップみたいなものだったんですよ。だから本来は触れずにスルーしてしまうのがベストでした。やっつけちゃったらおれたちの存在がバレバレですからね?」

「なんだよそれ! だったらはじめからそう言ってよ!! あんなに張り切って俺、バカみたいじゃんか!? それじゃバレちゃったからこんな真っ暗にして、むしろ待ち構えているのか、この俺たちのこと?」

 おそらくはそうです、と涼しい顔で答える日下部が化けたクマは、階段からまっすぐに続く廊下の先をじっと見やる。

 これに気まずげな顔でそちらを見やるタヌキだったが、おまけテンションがだだ下がりでブチブチと文句をたれはじめるのだ。

「ああ、あの廊下の突き当たりがこの会社の入り口なんだよな。確かこの五階のフロアをそこだけで占拠してるはずだから、いかにも羽振りがよさそうだけど、まさかこんな裏があるだなんて考えもしなかった……! それにあの社長さん、そんなひとにはちっとも見えなかったんだけどなー??」

 二手に分かれて向かっているもう一方のバイソンさんたちは大丈夫かな?と心配そうな文句もこぼす先輩のタヌキに、後輩のクマはまるで気に掛けた風もなく、さっさと暗い廊下を突き進む。

「大丈夫でしょう。おれたちよりもベテランの芸人であると同時に、手練れのゾンビのひとたちですから? この先で合流できるはずです。お互いに目的地は同じな都合? この先が入り口で、その手前にひとつ脇道がありますね?」

 この中規模なオフィス・ビルの単純な構造を考えたらば、もうおおよその想像はついているのだろうが、とりあえず後ろを振り返る日下部に、しょんぼりした浮かない面を上げる鬼沢は、それからやはり想像通りの返事を返した。

「ああ、さっきのエレベーターの入り口だろ。前のロケの時はみんなでそっちからここまで上がって来たから。でもそれ以外はそっちには何もないはずだぞ? て、あれ??」

 実際に道の半ばにあった脇道をのぞき込んで、その奥にあったエレベーターの扉を確認するふたりのゾンビたちだが、このエレベーターが何故だか起動していて、今しもその扉が開かれそうになるのに、ちょっと息を飲む……!

 ピーン……!

 到着を告げる電子音と共にその扉が左右に開かれる。

 するとそこだけが光りに満たされた内部には、どうやらふたりほどの人影らしきがあるようだった。

 それがものも言わずに外へと歩き出して迷うことも無くこちらに近づいてくるのには、ひたすらに目をまん丸くしてそのさまを見つめる鬼沢だった。ちょっと腰が引けてしまう。

「えっ、誰だ? エレベーターからこっちに来るぞ??」

 余計に緊張するが、隣の日下部が不意にふっとその緊張を緩めるのに、みずからも落ち着いて見直すことでそのふたりの人影の正体をそれと悟る。

 何のことはない。

 この建物の前で別行動を取っていたバイソンのふたりだった。

 そのおじさん芸人たちがしれっとしたさまで、今やゾンビとなったクマとタヌキの後輩芸人たちの前に再び現れる。

 思ったよりも早い再会で、おまけに意外なかたちだった。

 それだからコンビの中ではボケでネタを作る担当だと言う東田が、臆面もなくしてこちらに話しかけてくる。

「ほえ、ふたりともここにいたんかい? 先回りするつもりで、すっかり先を越されてもうたんやなあ? しかもどっちも立派なゾンビさんになってもうて、なんや見違えるわあ!」

「ほんまや! でっかいクマさんとタヌキさん! ええコンビやんけ? うらやましいわあ、見た感じごっつかわいげがあって、そのまんまテレビに出てもうても人気が出そうやもんなあ!!」

 いつもの関西弁でまくしたてる二人ともが背丈的にはそう高くないので、ゾンビになった後輩芸人たちをすっかり見上げるかたちとなる。

 そう実に大人と子供ほどの違いがあった。

 逆にこれを見下ろすかたちになる現状タヌキのバケモノの鬼沢が、ちょっと呆気に取られたかんじでものを言う。

「あれ、バイソンさんたち、確かこの建物の外から侵入するって言ってませんでしたっけ? なんで中から、しかもエレベーターから出てくるの??」

 そう言って心底不可思議そうに隣の日下部に視線を移すのに、当のクマ自身はそ知らぬそぶりで気のない返事だ。

「さあ、おれに聞かれても? 本人たちに聞いてくださいよ。ちなみにエレベーターを使っているのは、おれもビックリです」

 何やらどっちらけた表情で目の前のおじさんたちに視線を落とすクマに、つられてまた関西出身の芸人さんたちをマジマジと見下ろしてしまうタヌキだった。

 そんな微妙な空気を感じたらしい東田なのだが、そのクセまた無表情にぬかしてくれたりもする。

「あいにくと壁からは侵入できへんかった。屋上はこれと言って何ものうて、仕方も無しに非常口の階段から入ろうかと思ったら、なんやおかしな気配があったもんでのう? あえてエレベーターを使ってもうたんや。ちゅうか、むしろ意外な奇襲戦法やろ?」

「わいはやめとけっちゅうたんやけどな? 使えるんやし、めんどいゆうてうちの相方が? 結果オーライやったけど、中から攻めたオニちゃんたちのほうが早かったんやな!!」

「ああ、まあ……! でもバイソンさんたちはまだ変身してないんですね? 俺ちょっと興味があったんだけど、日下部は見たことあるのか、ひょっとして?」

 またお隣のクマに向かうタヌキに、だが問われたクマ自身は、はてとその太い首を傾げるばかりだ。

「いえ、おれも詳しくは知りません。ただどちらもかなりの使い手とだけは聞いていますが? それはさておき、今は本来の任務の遂行に集中しましょう。せっかく合流したんですから、ここからは一致団結したチームワークでですね?」

 見上げる小柄なおじさんたちもこれにうんうんと同調する。

「せや、みんなで変身してもうても、ごっついのばかりじゃこんな狭い建物の中では自由がきかへんやろう。せやからぼくらは必要に応じてやらせてもらうわ。ちゅうても、きみらみたいないかにもな見てくれしたゾンビさんとはちょっと毛色が違うから、いざとなったら笑わへんでくれよ?」

「ほんまやわ! はずいししんどいわ。後輩のおまけになりたてのゾンビさんに笑われるんはの! ちゅうてもそないに捨てたもんでもないとは思うんやけどな?」

「なんか気になるな? そもそも笑えるような見てくれなのかがちょっと怪しいんだけど、前のコバヤさんみたいなえげつないものでないことを願ってやまないよ……てか、日下部、ひとりでそんなさっさと行くなよ! チームワークなんだろっ!!」

 困惑顔で考え込む鬼沢だが、そんなことはまるでお構いなしにまたずんずんとでかい図体を大股で進ませる日下部だ。
 
 また慌ててこれに追いすがる鬼沢に、その後から関西出身の芸人さんたちもぞろぞろとくっついていく。

 めでたく全員集合。

 果たしてリーダーのアンバサダーに無理矢理に引っ張られる形で、目的地の入り口へと無事、到着する一行だった。

 いざ決戦の時は、近い……!

◇         ◇


 今回のターゲットがいると目される警備保障会社の入り口は、人気がなくやはり真っ暗なのが遠目にも見てわかった。

 それでも全面ガラス張りのエントランスの自動扉はしっかりと電源が入っていたものらしく、本来ひとからは見えないゾンビの鬼沢たちにも反応して、すんなりとこの道を開けてくれた。

 とりあえず敵地のこともあり、みなが息を殺してこの中へと入っていく。

 内部はどこも照明が落とされていて、真っ暗闇だった。

 この頃には闇に目がすっかりと慣れてきていた鬼沢は、慎重にあたりの様子を見回しながら、思ったことを小声で言葉にする。

「誰もいないのかな? やっぱり定休日だったんじゃないのか? なんかお化け屋敷みたいで落ち着かないよ。この先の受付のカウンターに美人の受付嬢がいたはずなんだけど、どこにもいないじゃないか? なんか拍子抜けしちゃうし、どっちらけだな……」

 口を開くなりしょうもないことをブチブチとこぼす先輩芸人のタヌキに、先頭に立つクマの後輩がやはりいつもの真顔で冷静に返してくれる。

「そうなんですか? それは残念でしたね、というか、その受付嬢さんならちゃんとそこにいるでしょう? 見えませんか??」

 言われて途端に、へ?と目をまん丸くする鬼沢に、背後からこの様子を眺めていたベテラン芸人コンビのボケ担当の東田が、それと指を差して指摘してくれた。

「ほれ、あのカウンターの奥の方、ひとが倒れておるやろ? 足だけこっちに見切れておるがな。おそらくはこのフロア中に満ち満ちておる邪気に当てられて、気絶してもうたんやないのか?」

「おお、せやな、確かにここに来てからまたえらいこと空気がよどんでおったから、もはや普通の人間には耐えられないのちゃうん? それが若い女の人じゃなおさらやんな!!」

 驚いたことをさも当たり前みたいにほざく関西出身の漫才師コンビたちに、生まれも育ちもバリバリ関東の鬼沢は、それこそがびっくり仰天してわめいてしまう。

「ちょっ、ちょっと! ダメだろそんなの!! 助けなきゃ!? カウンターの奥だな? あ、確かにいるっ……!」

 反射的にそちらに歩み出そうとする大柄なタヌキの肩を、だががっしりと掴んだクマがあくまで冷静なままでその真顔を左右に振った。

 その彼はおまけ落とした抑揚で言ってくれるのだ。

「ダメです。そのままにしておいてあげてください。この状況では介抱したところでどうにもなりやしません。返って目を覚まされでもしたら、鬼沢さん、一体この場をどうやって説明するんですか? あと、そもそもが今のこのおれたちの姿、あのひとには見えませんよ??」

「えっ、でも……!?」

 言われてハッとする鬼沢だが、背後の太いシッポをピンと立てて、それをブルブルと激しく震わせる。

 内心の動揺ぶりがはっきりと目に取れたが、それに東田もごく当たり前な体で言ってくれる。

「せやな? 日下部くんの言う通りや。どうにもならへん。それよりもこの邪気の源たる、悪玉のグールをどうにかせにゃ……! ここの社長さんなんやったけ? 思うたよりも手強いかもしれへんで??」

 ※お笑い漫才コンビ、バイソンのツッコミ担当、津川のイメージです(^^) やっぱりビミョーなのですが、挿し絵を描いているうちにそれなりにまとまってくるのでしょうか??

「そんな……! あの社長さんとほんとに戦わなきゃならないの? なんか気が引けちゃうよ。あと受付の女の子を見捨てるのも、テレビで名の知れたタレントとしてやっぱりどうかと思うし……あとで訴えられたりしない??」

 困惑すること著しい人気タレントのぼやきに、言えばまだ若手の芸人テレビタレントの日下部、今はクマのバケモノが言った。

「今はゾンビのアンバサダーなんですから、そんなの気にしないでいいですよ。それよりも先を急ぎましょう。この先にターゲットがいると目される、〝社長室〟があるはずですから……!」

 さっさと突き当たりを左に向かう日下部に、後からいやいやでこれにくっついていく鬼沢は浮かない顔だ。

 果ては何の気無しに見回した周囲の暗がりのさまに、ひいっと悲鳴をあげてしまう。

 暗がりのせいではじめまるでわからなかったのだが、受付を左に曲がった先の接客用の応接間にも、バタバタと倒れている人影らしきがあるのに気が付いたのだ。

 まるで死んだかのように動かないそれらにどうしたものかと浮き足立ってしまう小心者の芸人だ。

 本来ならすぐさま掛けよって介抱すべきところなのだが、他のゾンビたちはまるで我関せずでそちらを見ようともしない。

 それだからまた東田が狼狽する後輩に言ってくれる。

「せやから、そないに気にしてもしゃあないわ、鬼沢くん。この場合、ほっておくのが一番で、目を覚まされてもパニックになるだけやろ?」

「え、でも、せめて救急車くらいは呼んだほうが……!」

 視線をうろうろとさせてシッポがしゅんと垂れ下がるタヌキに、もうひとりの先輩おじさん芸人もあっけらかんとぬかした。

「ええて! それで救急隊員がのこのこやってきてもうてもみんなでバタンキューやで? 被害者が増えるだけやろ。まずはこのごっつ悪い空気をどうにかせにゃ! 大本を絶たないとどうにもならへんのや、倒れてもうてるひとらには申し訳あらへんけど、それはわいらの仕事やない」

「その通りです……!」

 後輩のクセにどこまでも冷静な日下部、クマがうなずく。

「そうなのか? ほんとにいいの?? けっこう倒れてるけど、みんな死んではいないんだな? う~ん……! まあ仕方がないのか、でもこうして見てみるに、この会社ってけっこう流行ってるんだ?」

 いよいよ頭の中が混乱してなんだかおかしな感心の仕方をするタヌキに、白けた視線でこれを見上げる東田だ。

「今触れるとこちゃうやろ? それよかここの社員さん、警備会社のわりにはみんなスラッとしたスーツ姿でおって、そないにいかついこともあらへんのやな? ぶっちゃけもっと筋肉もりもりの暑苦しい制服姿の野郎を思い描いておったんやが……」

「ほんまやの! むしろ華奢で弱っちい感じやんか?」

 床に倒れている客と社員のありさまをじろじろと見ながら後に続くおじさんたちに、そこは鬼沢が説明する。

「ああ、そっちのひとたちは接客のセールスマンさんたちですよ、実際の現場で稼働するボディガードのひとたちとは違います。俺が前に来た時は、もっとマッチョなひとたちばっかりだったから。この先が社員専用のトレーニングルームになってて、そこに絵に描いたような筋肉マンたちがひたすら汗を流していたから……! ちょっと引いちゃうくらいな」

「この先ですね?」

 商談室の突き当たりにあった、スタッフ・オンリーの注意書きが掛けられたドアのノブを、しっかりと右手で持ちながら聞く日下部だが、その答えを確認するまでもなくしてあっさりとこれを押し開けるのだった。

「……!? うわっ、なんだ……!!」

 開け放たれた扉の向こうの景色、かつて見た時とはまるで違うそのありさまに、ぎょっと目を見開くタヌキの鬼沢だった。

 その先にあったものとは……!? 

               ※次回に続く……! 

 

ノベルとイラストは随時に更新されます!

プロット②
 ドラゴン警備保障、入り口~
 クマとタヌキにゾンビ化した日下部と鬼沢がバイソンと合流の後、目的の警備会社に乗り込む。
 暗くて人気が無い状態。受付、受付嬢が邪気にやられて倒れているのに慌てる鬼沢だが、あとの三人は知らん顔。
 営業の接客室も同様でみんな倒れているが、そこには触れずに先へと進む。
 トレーニングルーム~バトル開始!
 トレーニングルームには警備員たちが邪気に毒されて正体をなくした状態で待ち構える。これにいつの間にか変身、ゾンビ化していたバイソンの津川と東田が立ち向かう。その正体に鬼沢はビックリ仰天していろいろと騒ぎになる。
 ひどい荒技を繰り出すバイソンのコンビにまたしてもびっくりする鬼沢だが、修羅場を抜けられる裏の近道があるのを思い出し日下部と直接事務室へ。事務室では特に屈強な社員の二人組が待ち構える。さながらゴリラみたいな見てくれに驚く鬼沢だが、すんなりとこれを捕らえることに成功。技の名前でもめる。バイソンはバリケードをこさえて合流。鬼沢がそれなりにやることを知ると、その場に残ってゾンビ社員を止めることを申し出る。
 鬼沢と日下部が社長室へ突入!

プロット①
 ※侵入する建物・オフィスビルの名称
  「ベンチャーズ・ヒルズ」

 クマとタヌキにゾンビ(亜人)化した日下部と鬼沢が、ビルの入り口から正面突破で内部に侵入。
入り口にいた強めの邪気を放つゴーストを鬼沢がグーパンチとハリセンで退治。後に五階の階段を上がりきったところで余計なことだったと日下部に突っ込まれる。
 建物の奥にあるエレベーターホールのエレベーターではなく、あえて手前の階段を使って、一気に五階まで駆け上がる。
 五階は真っ暗な状態。
 ゾンビ化しているのでそんなには不自由しないが、相手にも警戒されていることを自覚する。
 標的に向けて進行、途中、エレベーターを使って屋上から五階に降りてきたバイソンの東田と津川と合流。
 屋上は何もないことを聞かされる。堂々とエレベーターを使ったことに、鬼沢は内心あきれたさま。

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