ガンダム二次創作パロディ!ドレンが主役だ!!
noteでプロットだとかを公開中!!
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「機密宙域/難民コロニーの謀略」

謎の攻撃・軍事衛星の怪……!
Scene1
緊急事態発生!
それはまったくの予期せぬ出来事であった。
この知らせを受けた時、まだ自室でまどろんでいたこの俺だ。
シャア艦隊旗艦付き副司令、その名をドレン。
そう!
ひとから語られるほどの名はなくとも確かな働きをする右腕として、推しの少佐、シャア・アズナブルそのひとからは、確かな信頼を得ているものと自負するおじさんだ。
まあ、たぶんだが……!
ことの一報を受けてから、ものの五分でブリッジまで復帰したこの俺の視界に入ったのは、スリープモードからゆっくりと立ち上がるブリッジの景色と、まだまばらなクルーたちの人影だ。
艦橋中央の高い位置に据えられたキャプテン・シートにはいまだ主の姿はなく、中央戦略オペレーターもこのひとりが席につくくらいか。
フロアを強く蹴ってブリッジ奥の入り口から、おのれの定位置であるMS作戦指示ブースへとひとっ飛びで取り付く。
MSの作戦行動における補助を担う特設の指揮所ブースは、この真横に付ける操舵士のそれとほぼ一体だ。
そしてそこにはすでに若い大柄な若者が、仁王立ちしてこの年配の副艦長を最敬礼で迎えてくれる。
いやはや、寝坊なんてしたことないんだろうな!
勝手に感心しつつはじめ無言で敬礼を返す俺は、この若い操舵士が温厚でひとのいいのにつけ込んで頼み事をしてしまう。
「早いな! だが今現在、エンジンは微速前進、ほぼ止まっているんだろ? 舵は俺が握ってやるから、悪いがひとつ頼まれてくれないか? もちろん、少佐の許可は得ている!」
「……!」
この真顔でのお願いには、すぐさま太い首をこくりとうなずかせる下士官の操舵士だ。
もとい、はじめちょっとだけ困惑の色を太い眉のあたりに浮かべたが、さてはこのおじさんに舵を譲るのが心配だったのか?
バルダはみずからの舵取りを手早くオートに切り替えて、その場を駆け足するかのように俊敏に無重力をかき分けていく。
途中ブリッジに入ってきた少佐に敬礼して、即座にその姿を消した。
だがすぐに帰ってくるだろう。
ちょっとしたオマケを引き連れて――。
一方、真紅の衣装を華麗に着こなす仮面の貴公子は、どこにも無駄のない身のこなしでみずからの身をブリッジ中央の艦長席に沈めると、高くから周りを睥睨する。
仮面に邪魔されてその視線の先までは追えないが、優雅でもきりりとスキのない眼差しでこの場のすべてを掌握しているのだろう。
ただちに背筋をピンと正す俺は、ビシッと敬礼を返しつつ少佐からの指示を待つ。こちらに視線をくれているらしい我が推しは、かすかに細いアゴをうなずかせて無言で了解してくれる。
あえて声に出さないのが彼らしくクールだった。
くううっ、シビれる!! シビれます、少佐っ!!
その若き将は一部のスキもないさまでブリッジ内の空気を凜と震わせる。張りのある低音はよどみもなくひたすら心地よくこの耳に響く。俺の気のせいじゃないだろう。
「状況は? 偵察のザク隊が被弾したとのことだが?」
「は、はっ! 三番艦からの報告によりますと、三機編成の偵察部隊の内一機が何者かの攻撃により中程度の破損! 幸い撃墜にまでは至らず。現在は全機帰投、この収容を終えているとのことです。パイロットに目立ったケガはなし!!」
「そうか……! ザクとは言え大事な機体なのだが、これ以上の戦力ダウンは避けたいものだな? 対処は貴様に任せる。敵の詳細は?」
半ばから背後に振り返って、そこで僚艦との通信にいそしむ戦術オペレーターに話の続きを振る少佐だ。
良かった。さすがわかってらっしゃる!
取り急ぎブリッジに上がったばかりでまだすべてを把握できているわけでないこの俺は、ふうっと胸をなで下ろして、ただちにみずからの任務に取りかかる。
こちらはこちらでやることがあるのだ。
よって、さっきより背後のブースからぶうぶうと文句を垂れている、真っ黒いヘルメット野郎に迷惑げな視線を向けた。
うるっせえな! 空気読めよ!!
「わかってる! そっちはもう出せるのか?」
やや不機嫌に聴いてしまうが、あちらも負けず劣らず不機嫌に返してくるヒゲづらのエースパイロットだ。
「とっくだよ。さっから言ってるだろう? さっさと発艦許可を出しやがれ……!」
ひどいむくれっ面でぞんざいなモノの言いに内心で舌打ちする俺は、背後の少佐をちらと伺う。
まだ声をかけずらいタイミングだなと察してまた前に向かった。リック・ドム小隊の隊長機、ガイアに確認!
「今回は単機での出撃だが、敵の詳細はいまだ不明! マッシュとオルテガ機は艦隊の守備の都合、出すわけにいかんのだが、待機だけはさせておくか?」
「かまわねえよ。寝かせておけ。そもそもが三番艦のザク隊どもの不始末だろう。ならこのオレだけで十分だ……!」
「了解。ただし油断はするなよ? 無理に交戦をする必要もない! 三番艦からはきっちりとフォローを入れさせる!」
「いらねえだろ。足手まといはいたところで余計な世話が焼けるだけだ。この09のスピードに付いてこれもしねえのろまどもに用はない……んっ」
「ゼロキュウ……ああっ」
相手のセリフの一部に引っかかって、すぐさまこれを理解する俺は内心どころか現実に舌打ちしてしまう。イラッっとして。
いやだから素直にドムって言えよ! このガノタが!!
モニターの中のMS隊長に内心で毒づきながら、そのヒゲづらが何やら怪訝にこっちを見返しているのに気づく。
「どうした?」
「いや、隣にいるはずのあの目障りなのがいねえな? いっつもちょくちょく横から顔を出してきやがるのに」
「目障りってなんだ! いいや、それならもうじき帰ってくる……ほら、来たぞ?」
「……ん、なんでそいつがそこにいるんだ??」
ちょうどいいタイミングで戻ってきた操舵士と、それに連れらてブリッジに上がって来た見知った人間の顔に、なおさら怪訝にモニターの中で眉をひそめるリック・ドム隊隊長だ。
確かにヤツが不可解に思うのも無理はない。
本来ならブリッジにいるはずなどがない他部署のクルーだ。
正規のブリッジクルー以外がこの艦橋に立ち入ることなど、およそ許されることではないのだからな……!
だからこそ目を丸くしたガイアが問うてくる。
「なんでおまえがそこにいるんだ? ついさっきまですぐそこでこの機体の発艦準備してただろう??」
ガイアたちリック・ドムの整備専門のエンジニアで、つまりは黒い三連星専属となる若いメカニックマン、デーミスの存在が不思議でならないらしい。
俺はにんまりとほくそ笑んで応じる。
「今回だけ特別だ! おそらくは? もろもろの都合で、そこのバルダに連れて来てもらった。いわゆるオブザーバーというヤツだな! 専門的なメカニックの知識を持った人間がいたらどうなるか、なかなかに興味深いだろう?」
「なんだそりゃ? あまり期待はできねえが、好きにすればいいだろう。それよりも発艦許可! いつまで待たせるんだ?」
ちょっと呆れた感じでありながらとりあえず納得した風なガイアを前に、借りてきた猫みたいに大柄な身体を縮こまらせるブサイクくんは所在なげにその声をか細く震わせる。
「じ、じぶんはここにいて良いのでありましょうか? す、すんごい浮いてる気がします……!」
「浮いているさ! だが気にするな! いいんだよ、我らが少佐も認めてくれているんだから!」
「しょ、少佐っ……!!」
おっかなびっくりで周りの様子を見ているデーミスは、この背後に視線を向けてなおのこと挙動不審に陥る。
しまいには横からバルダにどうどうと背中をなでられてた。
こっちのほうがいくぶんかお兄ちゃんの先輩なんだな!
横合いからMSの通信オペレーターが少佐に声を発する。
さてはしびれを切らしたガイアが催促したな。
「少佐! ガイア大尉のリック・ドム壱番機が本艦からの発艦許可を求めています!」
するとこれには背後の艦隊統御オペと会話をしていた少佐は、こちらに仮面のクールな面差しを向けて静かに言うのだ。
「ドレン、そちらは貴様に任せていたはずだ……!」
あ! 俺は内心の焦りを顔には出さずに静かにメットをうなずかせる。メットのひさしで相手からの視界を遮るかたちにだな。
おっと、そうだった! いかんいかん!!
周りの若い部下たちにも悟られまいとやたらにはっきりと腹の底から声を絞りだして高く号令を発する!
「ガイア機、ただちに出撃せよ!!」
手元のディスプレイでは何か言いたげなリック・ドムの隊長どのが真顔でこっちを見ていたが、目をあわせないようにまっすぐブリッジから臨める夜空をひたすら凝視する。
何やら小さなため息みたいなのが聞こえたか?
無視する俺に感情のない棒読みの返事が返る。
「了解」
リック・ドム出撃!
おおっ!と子供のように目を輝かせるデーミスの肩のあたりをがっちりと掴んで、おまえの推しの活躍をしっかりとその目と脳裏に刻み込んでおけよ!とひたすら強く念じる俺だった。
暗闇に走るロケットブースターの長い軌跡を目で追いながら、ぽつりとつぶやきもする推し活おじさんである。
「ああ、こんな特等席で一番のファンが応援しているんだから、ちゃんとファンサしろよ? 黒い三連星のガイアよ……!」
たった今、戦いの火ぶたは切って墜とされた……!
Scene2
ガイア機のリック・ドムが旗艦から出撃して、当該の宙域ポイントまで到達するのにはさほどの時間はかからなかった。
本来は何も目立ったものがないはずのいわば宇宙の公海上なのだが、一番機の各種レーダーにもこれと反応らしきはない。
それをこちらの戦術パネルの観測計器でも視認しつつ、息をひそめてことの成り行きを見守るふたりの若い兵卒と遠くの現場のMSパイロットへとも向けて静かに問う。
「標準宙海図座標軸上ではそこが我が方のザク隊が襲撃を受けた交戦ポイントとはなるが、それらしい標的は見当たらないな? 敵対的な意思はあるのは確定だから、それらしい形跡があっても良さそうなものなのだが……?」
巡洋艦の索敵レーダー網にもMSの各種レーダーにもやはりさしたる反応がないのに不可解に思うこの俺、ドレンだ。
まさか二度も不意打ち食らうまいと目を皿にして操作盤を凝視するに、スピーカー越しに小型モニターの中で冷めた顔した隊長のおやっさんが憮然として返してくる。
「見ての通りだ。動体センサー、熱源反応、レーダー波長これとなしだ。何もねえな?」
ヘルメットのバイザーをオープンにして素顔をさらしてくれるヒゲづらのエースパイロットは浮かないさまでじっと視線をこちらのカメラに向けてくれる。その視線をカメラのモニター越しに受けて、思わず思ったことをまんま口にしてしまう俺だ。
「そうだな……ん、ところで、おまえのそれって、ファンサか?」
警戒態勢中なのにわざわざメットをオープンにして表情がわかりやすいようにしているのがあえて見ている側を意識しているのか? 偏光バイザーで目隠しされたメットではパイロットの表情が分かりづらい。当人からしても息苦しいから極力下ろさないなんてヤツもいるらしいから、さしたる意識はないのかもしれないが。
「は? 何を言ってやがる? まじめにやれ。このオレの勘からしたら、少々きな臭くはあるな? やけに静かなあたり。あとしいてひとつ言うのであれば……」
違ったか。しごく納得しながら歴戦の凄腕パイロットの言葉に耳を傾ける。周りの操舵士とメカニックもごくりと息をのんだ。
「アステロイドでもなんでもない、宇宙ゴミがあるだろう? コロニーの残骸みたいな? サイドでもなんでもないこの宙域にこんなものがあるのは、オレからしたら違和感でしかない。よそから流れ着いたにしても、ゴミの構成自体が不自然だ……!」
「そうなのか? ザク隊のドライブレコーダーのデータでは、すでに存在していたオブジェクトだが。攻撃自体は真裏の反対側、背中から攻撃を受けている! 関係があると?」