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おデブなクマのブゥさん♡ 新規イラスト第二弾!

おデブなクマさんサーファーズ! ブゥとビフのコンビで鮮烈デビュー!! 無料の画像DLデータも公開します(^o^)

 前回の記事で作成したブゥさんのサーファースタイルに、おデブなクマさんシリーズのビフも飛び込み参加させました♡
 デブデブサーファーコンビの爆誕です(^^)/

 ボディやボードのロゴを取っ払った、シンプルバージョンです。イラストソフトがあればお好きなロゴを入れることもできます♡ 塗り絵にも(^^)/ ダウンロードデータは以下より↓

 さらにロゴを入れた完全(?)バージョン! 画像の下から無料の画像データがダウンロードできます(^^)

 とりあえずベタ塗りしました(^o^)

 ベタ塗りパターン① オーソドックスなカラーリングです。

記事は随時に更新されます(^^)

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おデブなクマのブゥさん♥ 新作イラストリリース!

おデブなクマのブゥさんこと、Bear Booのイラストを新しくいたずらにはじめちゃいました(^o^) とりあえず夏っぽいヤツですねw

 とりあえず夏っぽいヤツで、サーファーのスタイルなのですが、いわゆる前回シリーズのLGBTQイメージの展開もするかどうか思案中です(>_<) イラストは無料でDL可能な画像データとして公開予定! ご自身の利用目的の範囲での健全なご利用をお願いします<(_ _)> 当該画像の著作権は譲渡不可です。

サーファースタイル・ブゥさん・線画

サーファースタイル・ブゥさん・ロゴ入り線画 塗り絵にもなります!

サーファースタイル・ブゥさん・ロゴ入りベタ塗り シンプル・カラー①

記事とイラストは随時に更新されます♥ イラリクOK!

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ルマニア戦記/Lumania War Record #008

#008

 「寄せキャラ」登場!

Part1

 大陸西岸の某地方国家の港に立ち寄った新造戦艦は、そこで別行動を取っていた仲間と合流、これを迎え入れることになる。

 無事に戦友との再会を果たすベアランドたちとウルフハウンドだが、その喜びもつかの間、喜ばしくない現実とも向き合わなければならなかった。地方の前線基地を共に旅立った僚機がいずれもこの途上で脱落、どうにか母艦へとたどり着いたのは新型機の副隊長ただひとりだけであったのだ。

 国境のギリギリを、相当に険しい道のりだったのだろう。

 半ば予想はできていたことだとクールな口ぶりで言うオオカミ族に、あまり深くは聞かないまま、内心では仲間達の無事を願うクマの小隊長だ。命があればまた巡り会うこともあるだろう。

 何はともあれ、まともなアーマーが若いメカニックのクマ族の旧型機を含めて、たった三機しかないのはいかにも致命的だ。

 パイロットも含めて早急な増強を申し出るも、あまりかんばしい顔はしてくれないスカンク族の有名ベテラン艦長である。
 このあたり、オオカミの相棒に説明するのも気が引ける隊長だ。犬族の上位種とも言うべきオオカミに取って、やはりスカンクは身近にいてほしくはない厄介な性質と習性の種族だろう。
 ブリッジクルーの犬族がしっかりと首に防毒マスクを付けていたのを今さらながらに思い出して苦笑いするベアランドだ。

 そして問題は、まだほかにもあった。


 巨大な戦艦の内部で、多種多様な種族が一同に介する社会では多種多様なあつれきやものの考え方の相違が発生する。
 軍隊のような複雑な階級制度と職種が交わる場ではなおさら。
 かくしてそれが、この翌日にははっきりとしたカタチで勃発することになる。


 強敵ひしめく激しい戦の最前線のさなか、まだ若きパイロットたちの前途は実に多難なのであった。


Part2

 巨大な空飛ぶ戦艦、空母級の船底に位置するアーマーの整備区画(デッキ)は、生まれつきに大柄なクマ族の男をもってしても、天井を見上げるのも辺りを見渡すのもホネなくらいに広大であり、そこはいつでもやかましい騒音で満たされている。

 最後尾のエンジン区画とも隣り合わせなのも手伝ってか、重たくて低い震動がひっきりなしに足下を伝わるような中を、今はそれにも負けない怒号がガンガンと響き渡っていた。
 それはまたあたりの喧噪にも伝わって異様な熱気のごときものを空気にはらませた。

 せっかくいい気持ちで寝ていたところを血相を変えた若い整備士にせき立てられて、のんびりした大股で現場に顔を出したクマのパイロットは、ちょっと困り顔でこの一角にできたひとだかりを眺める。

 ケンカがおっぱじまっているのかと思いきや、殺気立つ気配と周りの好奇心旺盛なギャラリーの顔つきや雰囲気から察するに、まだどちらも手を出すまでには至っていないらしい。

 どうせなら終わらせてくれてたらよかったのに……!

 辺りがうるさいからとそんな内心の思いをため息交じりに吐露してしまう茶色いクマの隊長さんだ。
 そんな良からぬ独り言を知ってか知らずか、この背後で慌てふためくリドルが、ベアランドの背中を無理矢理でも押して進ませる。華奢な身体つきでけなげなさまに苦笑いがより強くなる。

 正直、面倒くさかったが、チームメイトと世話になるメカニックマンのいざこざともなると隊長としてほっておく訳にはいかないものだ。またため息ついてみずから一歩を進ませた。

「あ~らら、もうはじまっちゃったのね! まったくうちのオオカミくんたら何かって言うとケンカっぱやいんだから。ぼくたちみたいなギガ・アーマーのパイロットが、自分がのっかるアーマーの整備をしてくれるメカニックマンともめたって、いいことなんて何もありゃしないのに……!」

「しょっ、少尉どのっ、早く! 相手はこの艦で一番のベテランで実力のあるメカニックどのであります!! おまけに見上げるくらいに大きなクマ族で腕力もありそうだし!?」

「はいはい。てか、この艦で一番のメカニックは現状、このぼくのランタンを任されてるきみだろ? 泣く子も黙る名メカニック、かのブルースのおやっさんの最後の愛弟子でもあるんだから♡ だったらここはきみが仲裁するのがスジってもんだよ」

「むむっ、無理であります!! ウルフハウンド少尉どのはめちゃくちゃ殺気だってるし、殺されてしまうであります!!」

「はは、かもね? うわ、ギャラリーがすごいや、どれどれ、ちょっとごめんよ、どいたどいた、さっさと通して……邪魔だな! もうっ、いいからみんなあっちに行っておいでよ! 巻き込まれたらぜったいケガするんだからさ?」

 かねてよりエースの呼び声高いオオカミのパイロットと、実質この場を取り仕切るベテランのクマのメカニックの一騎打ちだ。
 このまたとない見世物を見逃すまいとぎゅうぎゅうにひしめく有象無象たちのスクラムを、力ずくで無理矢理にでもひっぺがしてズカズカと輪の中に入り込む。


 すると衆人環視の人垣の真ん中には、元から見知った人影とつい最近に知り合った顔がお互いにひどく苦み走った表情でにらみ合っているのがわかる。
 どちらも視線を外さないが、殺人光線みたいなのがバチバチと空気中でショートしているのが目に見えるような険悪さだった。

「あ~らら、こいつはまた、えらい剣幕でにらみ合っちゃってるね! 朝っぱらから何をそんなに怒ることがあるんだか??」

「そ、それが、その……!」

 あわわと困惑する若いクマ族を振り返るに、その視線の先にあったものを見て、ただちにそれと理解する隊長さんだ。

「ああ、なるほど、そういうことね! シーサーのアーマー、ギャングだったけ? 見たところボディの一部がカスタムされちやってるけど、さてはそれで機嫌をそこねちゃったんだ♡ まあ、この先を考えたら仕方ないっちゃあ、仕方ないんだけど……!」


 いがみ合うふたりの男たち越しに見上げた、目の前の巨大なハンガーデッキに格納される、大型ロボット兵器のありさま。
 これを見るなりしきりと納得するベアランドに、その横で所在なげな若いクマのメカニックが声をひそめてまた言う。

「はい! 海上での作戦を考慮して、そちら仕様のパーツに脚部を換装、フルカスタムしたのですが、ウルフハウンド少尉どのはこれを聞いていないとご立腹で……!」

 ひどい困り顔で見上げる青年に、こちらもまだ若いクマのパイロットはひどく白けた表情でこれを見返した。

「だからって腹を立ててもね? というか、リドル、きみは聞いてなかったのかい? ぼくら新型アーマーの専属で、言えばチーフメカニックともなるきみがさ? だとしたら、そっちのほうが問題じゃないかと思うけども……」

「ああっ、それは……!」

 しどろもどろで言葉に詰まるリドルに、さてはここにも問題があるなと内心で考えあぐねるベアランドだ。
 目の前で鼻息荒くしたクマのベテラン整備士は、見た目まだ若く経験の浅いだろうこの同僚のメカニックをそもそもかろんじているような節が見られるのが、傍目にも明らかだった。
 内心で大きなため息ついて、仕方もなしに一触即発の現場に最後の一歩を踏み出す。


「はいはい! やめたやめた、おふたりさん! ギャラリーに囲まれて完全に見世物になっちゃってるじゃないか? シーサー、落ち着きなよ、何も悪いことなんてひとつもありはしないだろう? きみのその、ギャング、だったけ?? 見た感じ前よりも立派になったじゃないか♡」

「ちっ、ギャングスター、略してギャングだよ。いいや、冗談はよしてくれ! こいつのどこが立派っだて言うんだよ、大将? こんな不細工でぶっとい脚を付けられて、走るどころか歩くのだって一苦労だ! おまけにこの俺さまの了解を得ないままに、よくもこんなふざけた改造を、おい機械小僧、おまえは関わっていないんだよな?」

「あっ、はっ、はいっ、少尉どの……!」

 荒くれるオオカミににらまれて生まれつき華奢なクマ族は、とうとう身体のでかいベアランドの背中に隠れてしまう。
 やれやれと肩をすくめる隊長だ。
 そこにベテランの大柄で恰幅のいいクマが食ってかかる。
 内心のため息が尽きない隊長さんだ。

「冗談じゃない! そいつはこっちの台詞だよ。どいつもこいつもふざけやがって、まずそのギャングってのも、紛らわしいったらありゃしないや。いいかい、こいつの正式名称はハウンドだろう。我らがルマニア軍を代表するビーグルシリーズの上位機種が、なんでそんな下品な名前で呼ばれにゃならないんだ? あとぼくがやったことに間違いなんて一つもありゃしない」

「うわ、よく見たらこのぼくよりもデカいんじゃないかい、このクマさん??」


 のしかかってくるような圧迫感と鼻息の荒さにちょっとだけ引いてしまうベアランドだが、まさしく野生の熊さながらの迫力とボリューム感たっぷり! オヤジのメカニックはその見た目にはあまりそぐわない饒舌な口ぶりでここぞと嘆き節をがなり散らしてくれる。

「聞いてくれ、隊長さん、このバカ! もとい、この副隊長のパイロットどのは、アーマーで海の上を走るとか言いやがったんだぜ? よりにもよって海の上をだ! 聞いたことがない、重たくバカでかいギガ・アーマーで大波荒れ狂う海の上をドカスカ走ろうだなんて!? 無理だね! 絶対に! 賭けてもいい!!」

 真っ赤に上気した顔で牙をむくオヤジに、これとおなじクマ族のパイロットもややたじろいでしまうくらいだ。
 そのくらいに怒りと殺気に満ちあふれたメカニックマンだった。ここが戦場の最前線だというのが改めて身にしみる。
 後ろで若いメカニックがひいっと悲鳴を発するが、先が思いやられて自然と天を仰いでしまう。


「ああ、まあ、なるほどね! 言い分はわかるんだけど、じぶんの命を任せた機体を無断でいじられるのは、やっぱり気分がいいものじゃないのはわかるだろう? んん、だからほら、ここはお互い様ってことで、納めてくれないかな? だめならケンカ両成敗ってことでこのぼくがふたりをぶん殴ってもいいんだけど、それだとケガするだけ損だろう? シーサー、そんな顔しない! ほんとに殴るよ? ね、えっと、イー……、ビーガル、曹長?」

 牙をむいてうなる同僚のオオカミ族には、あっちに行ってくれとこちらも牙をむいてしっしと追い散らす隊長だ。
 渋々で踵を返す灰色オオカミは舌打ちしながらギャラリーを掻き分けみずからの機体、銀色の大型ロボットへと歩いていく。
 とどのつまりで機体の状態を確かめるべくだ。
 本心ではわかっているくせに、本当に素直じゃないなとその背中と太くて立派なしっぽを見送るベアランドだが、すぐにも残るクマのオヤジへと向き直った。


 若い隊長の仲裁で修羅場を無事にやり過ごした中年の整備工は、ちょっとどっちらけたさまであさっての方角向くと、改めて正面へと向き直る。気まずげな表情で、大きな頭をぺこっと上下させていくぶんかトーンを落とした口ぶりで言うのだった。

「ああ、ベアランド隊長、すまなかったね。年甲斐もなくついかっとなって、昔よりはだいぶ落ち着いたんだが、若くて威勢のいいやつを前にするとどうしても……! いざケンカになったら勝てやしないのはわかっているんだ。あんたには謝っておくよ。それと名乗るのはこれで二度目だけど、念のために。イージュン・ビーガルだよ。ビーガルと呼んでくれ。あとそっちの小さくなってくる若造君もね!」

「若造、ね! いろいろと楽しくなりそうだ。大丈夫なのかね?」



 





 

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ルマニア戦記/Lumania War Record #007

#007

Part1

 大陸西岸の某国、ある港から極秘裏に緊急発進した一隻の大型戦艦は、今や沖合の洋上、まさしく文字通りに空の上を飛行中。

 もとい、正確にはごくゆっくりと前進しながらに空中を浮遊していた。

 それすなわち航空巡洋艦、スカイ・クルーザーとはよくも言ったものである。

 それは縦にも横にも見上げるほどに重厚な巨体が、まるで当たり前かのように、悠然と眼下の大海原を広く見渡す高さで鎮座しているのだから。

 傍で見る者からしたらば、まず異様な光景だっただろう。

 威圧するかのようなただならぬ雰囲気を全身にまとわせた、まさくし空飛ぶ巨大な船である。

 その鋼の山の頂、戦艦の艦橋(ブリッジ)では、今まさに戦闘行動中であることを知らせる、単調な低いビープ音が鳴り響く。

 そんな重苦しい雰囲気の中で、フロアの中央に配置されるひときわに目立つ大きな指揮官席の軍服姿がやがてその声を発した。

 初老のスカンク族の艦長、ンクスは指揮官席の台座に仁王立ちして、しごく落ち着き払った物の言いようだ。みずからの左手のオペレーター席、若い犬族の通信士に視線を投ずる。

「さて、ベアランド隊からの通信はまだつかないか? みな良く保たせてくれているが、肝心のアーマーがない状況では限度があるだろう。いくら最新鋭の巡洋艦とて、こうも大軍で押し寄せられては……!」

「ハッ、いまだ連絡はありません! 敵影、まだ数を増しています! どこかに母艦があるのでしょうか?」

「うむ、それも一つや二つではあるまいな。大陸湾岸から離れた沖合の洋上では逃げも隠れもできない。完全に回りを囲まれて、あちらはこちらの死角を理解した上での波状攻撃だろう。砲手長が優秀でここまで持ちこたえているが、限界は近いな……」

 厳しい表情のスカンク族の老人だ。これに若い犬族、通信士のビグル軍曹はおなじく浮かない表情でこの口元を歪める。

「はあ、いっそのことこのまま上昇して逃げてしまうというのも手ではあるのでしょうか? 第一、第二、主力エンジン共に80パーセントで安定状態、その他の補助エンジンも問題ないとのことであります! 海の上を走っているあのドンガメどもならば、最大戦速でいつでも振り切れるのではないかと?」

 半ば冗談めかして言っているのだろう軽口に、ルマニア陸軍内でも名の知れた重鎮の将校どのは真顔で返すのみだ。

「ん、戦いの要(かなめ)のアーマー隊を陸に置き去りにしてか? まだ少尉だったか、ふむ、野放図なのんびり屋のクマめ。ウワサ通りの切れ者ならどうにか追いつくと思っていたが、どうやら期待が過ぎたようだ。こちらでどうにか対処するしかあるまい……ん、どうした?」

 なおのこと浮かない表情だった通信士が何故だか突如、ひどく慌てたさまで手元のコンソールと耳元のレシーバーに意識を集中するのを、不可思議に見つめる。犬族が驚いた顔で返す言葉にはこちらも目を丸くするのだった。

「あっ、いやっ、は、はい! 艦長、少尉どのが、その、すぐに到着するとのことであります! いや、でもどうやって??」

「回線を開け! クマ族の坊主め、さてはどこにいる?」

「………っ! ……っ、……からっ、すぐにっ………ビビ!」

 頭上のモニターに不意に砂嵐が映り、そこから荒い音声が途切れ途切れに伝わってくる。この音声と通信電波の発生源を必死に探る通信士がまたすぐさま慌てふためいて振り返った。

「艦長! 味方の機体反応、洋上、この艦のはるか上空に感知しました! いわゆる成層圏、おまけに陸とはまったく逆の方角です!! こいつは一体、どんなマジックなんだ!? ベアランド機、ありえないところから出てきました!!」

「ほう、ウワサはあながち間違いではなかったのだな? ようやくの真打ち登場、随分と気を持たせてくれおって。航行士、艦の戦闘機動をひとまずこの場で停止、エンジン出力はそのままだ! 余った出力はそのまま砲手長にくれてやれ! 少尉! ああ、ベアランドくん、聞こえるな?」


「やっほー! バッチリ聞こえてるよ!! 感度良好、本日も晴天なり♡ ンクス艦長、並びにトライ・アゲインのみんな、お待たせしちゃって悪かったね? いやはや、弾道軌道で一足飛びにぶっ飛んで来る予定がさ、あいにくと空の上でもわちゃわちゃしちゃって、こんなタイミングになっちゃった!」

 砂嵐の中からニカリと屈託の無い笑みを浮かべたクマ族の青年が応じる。画像が落ち着いてしっかりとガタイのいいパイロット姿の顔面どアップが映し出された。

 その自信に満ちた表情でひょうひょうとしたそぶりをこちらは画面を見上げるスカンクの艦長はやや呆れたさまだ。

「ん? 何のことだ、いや、後で聞こう。こちらは複数の敵アーマーに囲まれて苦慮している。即座に合流、これらを撃退してもらいたいものだ。できるのだろう?」

「あはは! それはもちろん♡ てか、ここまでだいぶ無理しちゃって大気との摩擦でコクピットがサウナみたいな状態なんだけど、焼け死なない程度に最速で駆けつけるよ! フロート・ドライブ・システムで浮遊航行なんてしてたらいつまでたってもたどり着かないもんね、邪魔が入ったおかげで突入ポイントがズレたから意表を突く角度から突撃できるし! 不意打ちさながら♡」

 とかくあっけらかんとした物言いに、犬族のオペレーターが切羽詰まった調子で悲鳴を上げる。

「少尉どの! ごたくはいいですからさっさと援護に来てくださいよっ、こっちはもう一杯一杯だ! 高出力のメガフィールドもあっちこっちからひっきりなしに砲弾ぶち込まれたらさすがに音を上げちまいますって!!」

「ん、おほん、まあこちらは船体を停止してあえて敵方にこの巨体をさらしているから、その新型の威力を背後から思う存分に食らわしてやるがいい! そしてようこそ、ベアランド少尉、ここが今日からきみたちの新しいホームだ!」

「うん、はじめましてだけど、あえて〝ただいま〟って言わせてもらうよ! 後から追っかけてくるみんなの分も含めて。それじゃベアランド少尉、ただいまより戦艦『トライ・アゲイン』に着任、ただちに新型機、バンブギン改めランタンにてこの職務を全うします。あ、そっちの砲手さんたちには間違ってこのボクのこと撃ち落とさないようにって伝えておいてね♡ それではいざ、突撃!! そりゃあああああああああっっっ!!!」

 号砲一発。

 はるか空の彼方から飛来した一機の大型アーマーが流星さながら一直線の軌跡を描いて登場。大気との摩擦でオレンジのオーラを放ちながらに眼下の洋上、激しい戦いを繰り広げる戦艦へと目掛けて流れ落ちていく。

 これを機に流れは一転、若いエースパイロットが新型機と共にその存在を艦内に轟かせるデビュー戦となるのだった。

※こちらのPart2以降、キャラのデザインの変更があります♥

現行の画像にある、メカニックの若いクマ族、リドルの顔が、Part2以降、以下のものに変更されます!

 なんかビミョー(^^;) ちょっとは良くなりましたかね?

Part2

 新型機のパイロットがみずからの母艦となる新鋭戦艦との合流を果たしてから、およそ一時間後。

 大型の機体を収容する専用のアーマードックに無事、着艦。

 接戦をひっくり返す大活躍で意気揚々と新たな着任地に足を付ける大柄なクマ族のパイロットは、ひとしきり感心したさまで、ぐるりと周囲の状況を見渡す。

 無機質な金属一色の世界は味気がないが、でかい図体でも気を遣わずに済む広大なメンテナンス・スペースだ。すっかりと気の抜けたさまでのんびりとした声を上げるのだった。周囲はやかましい機械音やらかけ声やら、騒音だらけだからちょっとしたひとりごとぐらいは聞きとがめられることもないだろう。


「はっは、あの田舎の前線基地と比べたら、さすがにどれも立派な最新式の装備がそろってるよね! スタッフもうようよいて、ぼくのランタンもしっかりと専用のハンガーデッキに収まってくれたし♪ 思ったよりもでっかい戦艦だったけど、さながら大型空母ってところなのかね。ふ~む、ならこれって何体くらいアーマーを収容できるのかな?」

 お気楽に大股で闊歩していると、通路の壁際、見知った人影がぐったりとしたさまで尻を付けているのを見かける。おっ?とはじめ意外そうにそれを見るベアランドだが、途中でその人物が乗っていたアーマーらしきがすでにハンガーにあるのを見たのを思い出す。


「おっと、あれってリドルじゃないか? そういやあの子のビーグルⅣ、もうハンガーにおさまってたもんね! あれってばロートルの旧型機でこんな最新鋭の戦艦にあるわけないからリドルのヤツに決まってるし、そうかこっちが来るのに手間取った分、ほぼ同着になっちゃったんだ! にしてもなんか元気なさそうだけど、大丈夫かね?」

 ちょっと太い首をかしげながらに、目の前に座り込んでうなだれる若いクマ族に歩み寄る隊長さんだ。あっけらんかとしたさまで声を掛けてくれる。

「やあ、もう着いていたんだね、リドル? ミサイル殺法で一番乗りするはずが、まんまと先を越されちゃったよ! おまけに着いたら着いたでいきなりおしゃべりなクマ族のメカニックに捕まっちゃって、ぼくの新型アーマーのこと根掘り葉掘り聞かれちゃったし! ま、専属のメカニックはリドルなんだからテキトーに流しちゃったけど、これまでとは打って変わった最新設備にテンション上がっちゃうよね♡ あれ、なんか元気ないみたいだけど、どうかしたのかい??」

 いつも笑顔で初々しいはずの新人メカニックだ。うなだれたさまの若いクマ族にちょっと不可思議な面持ちで聞いてやると、当の若者は華奢な身体をふらふらと立ち上がらせて、見るからに生気の無い表情を向けて答えた。まだうつむき加減だった。

「……あっ、ベアランド少尉どのっ、ご無事で何よりであります……はい、自分は、自分も無事に到着したであります」

「そうか。でもあんまり無事ってカンジでもなさそうだよな? そうだ、ひとつホシが付いたんだって? 凄いじゃないか、オペレーターの犬族がめちゃくちゃ驚いてたよ、不意打ちされて危ういところを補給機担当のメカニックマンが大金星だって! きっと艦長さんも褒めてくれるんじゃないのかな。なんなら一緒にブリッジにお邪魔するかい?」

 これから着任の挨拶がてらブリッジに向かうのに誘ってやるが、下級の一兵卒にはまたとない機会をだが力なく首を振ってため息を漏らす青年だ。

「いえ、自分は気分が優れませんので、どうぞお一人で……! 中層の居住ブロックに部屋があるとのことなので、そちらにおります。少し休みたいので」


 いよいよしおれた感じの細いクマ族に、いかついクマの隊長はちょっと心配顔で相手を見下ろす。

「そうか。どうやらホシを取ったことがプレッシャーになってるみたいだけど、皮肉だよな? 普通のパイロットならそんなふうにはなりやしない。相手を撃墜する、つまりはひとを殺したことをそんなにも気に病むなんてことにはね? 戦争なんだから、仕方がないことなんだし、みんなやむにやまれずなんだから」

「はい……」


 見れば細かく身体を震わせている非正規のパイロットに、既にエースパイロットの自覚が芽生えつつある小隊長は落ち着いたおおらかなさまでまた言ってやる。

「リドル、この先もそんな時はいくらだって訪れるさ。キミがアーマーに乗っかって戦場に出ている限りは。極力そんなことにはならないようにするけど、いざって時は覚悟を決めなけりゃならないよ? でも覚えておくがいい」

「?」


「キミは何も間違ったことなんてしてやしない。むしろ正しいことをしたんだよ。運悪く敵と鉢合わせはしたけれど、そのおかげでこの艦を守ることができたんだから。だからもっと胸を張ればいいさ。誰も褒めこそすれ、責めるやつなんていやしないんだから。今はそういう世の中なんだ。悲しいかな」

 細い肩に手を当てて、せめて優しくはげましてくれる隊長だ。
 うつむき加減のメカニックマンはただ黙ってうなずいた。

 ひょっとしたら泣いていたのかもしれないそのか細い声はあいにく周りのけたたましい喧噪にかき消されて兄貴分のクマ族には聞こえなかった。

 折しも大音量の艦内放送が流れて、戦闘を終えた艦がこのまま反転、大陸の西部の港湾都市に向かう旨がアナウンスされる。
 おそらくは後から追いかけてくる副隊長のウルフハウンドたちを迎え入れるためだろうと了解して、ゆっくりとその場を後にするベアランドだった。高層エリアへのエレベーターに乗り込んで振り返った先にまだぽつんとたちすくむ細い影が見えたが、今は黙ってブリッジへのボタンを押すのだ。
 あの若いメカニックだけでない、問題はそこかしこに山積しているのだとみずからに言い聞かせながら。


 



 

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寄せキャラ・スピンオフシリーズNo.1「翼の折れた新型機」③

新米パイロット、コルクとケンスの犬族コンビが実戦でまさかの大失態!? ベテランの関西弁シェパードはカンカンで…!!

 前回、Part2からの続きです!
 関西弁がやかましいベテランパイロットのコッバスと初対面した新人パイロットのコルクとケンス。おっかなびっくりしながらもオヤジキャラの上官どのとミーティング、徐徐に打ち解けていけたはずが、翌日の出撃において大問題がいきなり発生!?

 「翼の折れた新型機」③

〈Part3〉

 明けて、この翌日。

 上官のコッバスの言葉にもあった通り、前日に赴任してきたばかりの新人パイロットたちにも、この日の昼過ぎには早くも初の「出撃命令」が下されることとあいなった。

 ベテランのシェパードを部隊長として、そこにまだ経験の浅い新人がふたり。都合、ギガ・アーマーが三機の小隊編成だ。

 山岳部の地下資源と肥沃な耕作地帯の領有権問題でもめる隣国との紛争は、背後には二つの大陸間で覇を競う大国と大国の影が見え隠れする。旧型のアーマーが複数、国境を越えてこちらの支配地域を侵犯、これをすみやかに迎撃し撃退せよ……!

 この命令の通りに西に拓けた野原で敵を迎え撃つ。 

 あってなきがごときの国境だ。
 絶え間のないいさかいが災いして長らく人気のない緩衝地帯は荒れ野がごときありさまで、どこにも隠れるような場所がない。
 ただしこの条件はどちらも一緒であり、そんな中を昨日今日に結成したばかりの即席部隊にしては、うまい連携で戦闘をこなしていた犬族のパイロットたちだ。

 新人たちの援護の下に果敢な接近戦を挑む隊長が、一機、二機とこれを撃破! ついには劣勢になって逃げていくと思われた敵影を追撃するさなか、しかしながら敵方のトラップの地雷原にまんまと誘導されてしまい、それまでの風向きが一変してしまった。

 敵はこちらの新型機の存在もその性能も知らないのだから本来ならば作戦ミスに違いない。
 それだから部下たちが乗る、高い機動力を誇る飛行型のアーマーに地雷などは一切効かないと大笑いする隊長のコッバスの表情が、この直後にはこの上も無いような驚きにより激変。

 このすぐ側に付けていたコルクは耳をふさぎたくなるような上官の怒号に全身がすくみ上がることになる。背後のケンスは言葉もなかった。

 辛くも乗り切れたのは新型機の持ち前の性能と、上官のコッバスの経験から来る冷静な判断と適切な指示のたまものだった。
 危ういところを三人ともに生き延びることができたのだ。

 さんざんにやり合ってそろそろ日が暮れる頃に基地に無事帰還した三機のアーマー小隊だが、中のパイロットたちにはこれからまた一波乱あるのはもはや必然の流れなのだった。

  

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寄せキャラ・キャラクターデザイン!パイロットキャラ、ザニー

似てないでおなじみの寄せキャラデザイン!前回のデザインの相方がモデルなのだけど、これってマジで誰?? 

 まずはこれまで同様に雑なアタリのポージングなのですが、変に配置が偏っているのは、デザインが進むにつれて画像のサイズが大きくなっているからです(^_^;) はちゃ~…!

 悪いクセっちゃあクセなんですが、はじめのアタリのやり方ががマズイんでしょうか??

 アタリを元に何回か描き込んで、イメージを具体化させていきますが…! 

 とりあえず顔のデザインを確定! やっぱり似てないですね(^_^;)

 キャラのサイズがでっかくなって、おまけにポージングも変わってしまいました。腕組みさせてしまうと胸の部分の特徴的なワンポイントが隠れてしまうので…う~ん。

前回の相方のコスチュームを参考にして、こちらにもデザイン。細かいところを見ると破綻しているっぽいのですが、こだわっても仕方ないのでこのあたりでオッケーとしてしまいます(^^) あとはベタ塗りですね♡

 モデルの芸人さんはムッツリしたイメージなのですが、こうして色を塗ってしまうとそれなりに愛嬌があるカンジになってしまうのか? なんかビミョー??

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寄せキャラ・キャラクターデザイン!パイロットキャラ、ダッツ

モデルありきの寄せキャラ、誰にも似てくれないとわかっていながらまたもや挑戦!!

 まずはキャラクターのポージングの構図もかねてアタリです。

 この雑なアタリにまた雑に肉付けをして、イメージをふくらませていきます(^^)

 おおよそのポージングはこんなカンジなのですが、実際の出来上がりがこの通りになるかはまるでわかりません(^_^;)

 さらに描き込み! おおよそのイメージをもとにして、どうにかしてキャラクターに仕上げていきます(^^) でかるかな?

おおざっぱなイメージが出来上がりました。
 これをさらにブラッシュアップ、身体のラインに合わせたコスチュームもデザインしていきます♡

 こんなカンジ? これを元にして、もうちょっと見栄え良く描き込んだら、とりあえず下絵は完了……なのか??

 めでたく下絵の完成(^^)/
 とりあえずこれでベタ塗りしてしまう予定です♪

 単純なベタ塗りですが、とりあえずイメージの完成(^^)
 モデルありきの「寄せキャラ」なのですが、やっぱり誰なんだかさっぱりわかりませんね!
 ヒントは寄せキャラを集めた総集ページにあります♡

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寄せキャラ・スピンオフシリーズNo.1「翼の折れた新型機」②

実在のお笑いタレントをモデルにしたのにまったく似てない!(笑)「寄せキャラ」たちが戦場をところせましと大奮闘!!

 前回、序段、Part1からの続きです!
 関西弁がやかましい強面の上官、ベテランパイロットのコッバスと初対面した新人パイロットのコルクとケンス。おっかなびっくりしながらも顔に似合わず世話好きな上官どのとのミーティング、徐徐に打ち解けていけるのか?? 

 「翼の折れた新型機」②

〈Part2〉

 そこは軍用であるだけ敷地面積は広いが、建物の数自体はまばらな基地内部をおおよそで案内してくれた直属の上司、見た目がおっかないシェパード種の犬族のコッバスは、最後に自分たちが日常的に寝泊まりすることになる「共同生活棟」にコルクたち新入隊員を連れて来ると、ここでしまいやと言い放つ。

 基地の中枢たる「司令部本棟」と双璧をなす大きさを誇るというが、要は同じ鉄筋コンクリートのそこそこの大きさの建物が、ふたつ横並びに並んでいるだけであった。どちらもかなり年季がいった感じのヤツだ。一言で言ってしまえば、ただのおんぼろ。

 しょせんはお飾りみたいな田舎の前線基地であることをはっきりと見せつけられた気分の新人たちだった。このあたりはつい先日までいた地元の属国のそれとなんら変わりもしない。こちらも大陸中央のルマニア本国からしたら周辺諸国のただの一属国だ。

 何はともあれ、これでようやく解放されるのかとそれまでずっと緊張しっぱなしだった毛むくじゃらの犬族は、ほっと胸をなで下ろす。が、そこの食堂で今後のチーム行動におけるミーティングをして解散と言われて、またこの表情をこわばらせてしまう。

 隣のケンスがやれやれといいたげに首を振るのに自然と苦笑いの生まれついての臆病者は、それでも目の前の上官どのがこれまでとはまた違った、ただ怖いだけの存在ではないものらしいことに、ちょっとした期待とある種の興味を抱いたりもしていた。
 ここで信頼や尊敬ができる人物に出会うことなど、はなから期待はしていなかった若者たちだ。

 いかにもやり手らしい熟練のパイロット然とした中年オヤジはところどころ笑えないオヤジギャグをまじえながらも、若い学徒たちにやはりそれなりに気を遣っているらしいことがそこはかとなく伝わってくる。パッと見はおっかない顔つきに、よく見ればその目元のあたり、かすかな笑みみたいなものがあったろうか。

 本当の年齢のことを言ったら毛嫌いされるに違いないと思っていたふたりは、これだけでもどこか救われた気持ちになる。
 そうでなくとも経験の浅い新人は、ただの足手まとい呼ばわりされてさんざんに叩かれののしられるようなことが、日常茶飯事のこれまでだった。

 なのに今は同じ目線で食堂のテーブルを囲んで、おなじものを載せたプレートを前に腹ごしらえをしようとしているのだ。
 ほんとうにはじめてだらけの一日だった。
 目の前の食卓にはそれまでの冷たく味気ない軍用のレーションとは違った、ちゃんと人の手で調理され味付けのされたまともな温かな食事が並んでいる。その量も驚くほどのボリュームだ。

 他よりも鼻がきく犬族にはたまらないニオイを立ち上らせるごちそうを前にして、ごくりと生唾飲み込んで固まってしまう食べ盛りに、目の前でどかりと背もたれに身をあずける上官どのはさも鷹揚な態度で言ってくれる。

「おう、ええからもっと楽にせい! ははん、おのれらさてはこれまでろくなもんを食わせてもらえてなかったんちゃうか、その反応からするには? 気の毒なこっちゃ、だがここはおのれらがおったさっむい北国とは違(ちご)うて温暖で気候がええから食い物には事欠かん。味も絶品や! そやから遠慮すな、わいらは地域の平和と治安を維持する軍人さんやさかい、このくらいは当然やろ? 今日は新人の歓迎会っちゅうことで特別大盛りにしてもらっとるしの! 食え食え!!」

「はっ、はい!」

「い、いただきます!! はんっ、ん、んんっ……!!」

 よほど腹が減っていたと見えて元気にガツガツと料理に食らいつく若者たちを前に、それをとても愉快そうに眺める上官、コッバスは機嫌が良さそうになおのことニヤけて言った。

「まったく、そないにうまそうにがっつきおってからに、ほんまにうらやましいくらいの食欲やの! もうそんな勢いで食らいつくなんてことほぼあらへんわ。ちゅうてもべっぴんな嬢ちゃんやったら別やがの! かっか、いいから食え! 食いながら聞け。おのれらに聞きたいことはいろいろとあるが、ゆうたらなあかんことも山とあるんや。ええな?」

 ちょっとだけふたりで目を見合わせてからやがてこくりとうなずくコルクとケンスだ。さっきよりも落ち着いたペースで食事を喉の奥に流し込みながら、上官の質問には素直に聞かれるがままに答えてゆく。
 はじめはおおよその両名の生い立ちと軍に入る経緯、これまでの経過と、お互いの食事が終わる頃にはこの今現在にまで話が進んでいた。さっきまでニヤけていたはずの上官どのの顔が次第に真顔になっていくのをふたりは気付けていたのだろうか。

 かくして話はとうとうこの核心に、新人のパイロットたちが抱える最大の問題点へと突き当たった。ゆったりともたれていた粗末な椅子の背もたれから上半身をよっこらと起こすコッバスは、そこでふと難しい顔つきしてふたりに内緒話でもするかのよう、やや声のトーンを落としながらに聞いてくれる。

「おう、ほんでこっからが本題じゃ! おのれらと一緒に運び込まれてきたあの新型のアーマー、さっき見させてもろうたが、仕様も規格もほぼ一緒なんやな? ちゅうてもこのわいの現行機のビーグルⅤ(ファイブ)とはえらい見てくれえ変わってもうて何がなにやらさっぱりや! まずサイズがでかい! 一回りっちゅうほどではないが、頭ひとつくらいノッポやったの? おまけにあちこちゴツゴツとしていかついこといかついこと!!」

 お気楽な口調でずけずけと思ったことをぶちまけてくれる隊長どのに、ふたりの部下たちは神妙な顔でうなずく。

「はい……! 現行のファイブとはまるで設計思想が異なるとかで、でもこの俺たち自身もさっぱりわかってないのが実情です。まだ実戦での経験も乏しいし……」

 ケンスの返事を横で聞きながら何度もうなずくコルクだが、何か物言いたげなさまでも言葉を発することなく、やがて視線を気まずげにそらしてしまう。これを横目で見る相棒も何やら気まずげに黙り込むのだった。

 なにかモジモジとした部下たちの様子にちょっとした違和感を感じながらもコッバスは続ける。

「ん、まあそうやな? まるで設計思想が違う。その通りやろ。わしからしたらいっそ異次元やな! あの背中に背負った馬鹿デカいブースター、いわゆるロケット推進システムっちゅうやつか? あんなもんでムリクリ重たいアーマーを飛ばそうっちゅうんやから、あの空を! 二本の足で地べたを走り回るしか能がないこっちからしたらビックリ仰天の離れ業や。ただしうまいこと飛べたらの話やが。そうそう簡単なこっちゃあらへんのやろ。あれがおのれらみたいなペーペーの若造どもに押しつけられとるっちゅうことは?」

 鋭い指摘にギクリとした様で固まってしまう新人くんたちだ。
 これに案の定かとかすかなため息みたいなものを口の端から漏らす上官は、苦めた顔で視線を手元にあった端末パッド、およそ12インチほどの薄型のディスプレイに落とす。利き手に持ったスプーンの先端をその中に映る人型のロボット兵器の簡略図に当てて、コンコンと鳴らしながらにまた続けた。


「厳密にはジェットエンジンちゅうやつか? 既存のジェットフライヤーのそれなんかよりはなんぼか小型化されとるみたいやが、それが背中にまとめて四つ。あと補助的に足にもひとつずつあるんか? なんとも豪勢なこっちゃ! あと目立つのは……」

 パッドの中に投影される機体モデル図の胴体の中心あたりに銀色の匙の先端を当てて、意味深な視線を投げかける。

「ビーグルにはあんまり見かけへんような邪魔っけな装備が胴体の先っぽに取り付けられとったが、あれってのはいわゆるエネルギーフィールドの発生装置っちゅうことか? 一部では実用化にこぎ着けとるとはウワサには聞いとったが、そんなけったいなもんがわしらのビーグルにまでのう! マジでビックリや」

 これにいよいよ微妙な顔つきになる部下たちに、また声をひそめて上官のコッバスは聞いてくる。

「ちゅうか、ちゃんと使えるんか? そないなバリバリ燃費を食らうお化けじみた兵装が?? 目には見えない不可視の障壁、電磁シールドか? わっかりやすう言うたら『バリア』だなんちゅう大それたもんは、いやそれこそがどでかいエンジン積んどる大型戦艦の専売特許やろ! サイズでは到底お話にならないアーマーなんぞにどうにかできるもんなんか?」

 聞かれてもうまく返事ができない新人パイロットたちだ。
 ケンスは首を一層に傾げてたどたどしげにセリフをつなぐ。

「はあ、まあ、その、俺たちの口からはなんとも……! これもまた実験段階の新型装備とのことで、常時張りっぱなしだなんてことはできないらしいです。ここぞって時に使えとは言われてるけど、実際にどれだけの効果が期待できるかわからないから、どの場面で使えばいいのかさっぱり、なあ?」

「…………」

 そう、同僚に同意を求められて、うなずくしかないコルクだった。
 あまり腑に落ちないさまの上官は顔つき難しくしてとりあえずで了解。

「なるほどの、思った以上に問題だらけっちゅうことか。しっかし一か八かのバクチみたいな機能なんぞには頼らんほうが身のためやな。なんぼ実験のためかて死んでしもうたらそれまでや。若い身空で、命をかけるほどの価値も言われもあらへんやろ。そやから最後の切り札くらいに大事に取っとき! あとそもそもがおのれらのあのシックスちゅうんは、ぶっちゃけこないなところじゃなくて本来はもっと別の場所で戦うためのもんだとは聞いたことがあるしのう?」

 そう言いながら聞き手のスプーンの先端をなぜだか天井に向けてクイクイと指し示すのに、二人の新人は何ともいえない表情を見合わせる。上官どのが言っているのは天井よりもはるかに高いある特殊なところであるのはわかった。そう確かにそんなウワサを聞いたことはあったが、それほど高等な学校教育をろくに受けることができなかったコルクもケンスも、それこそがまるで想像が及ばないところのお話なのであった。
 今はただ上官のシェパードの話に耳を傾けるしかない。  

「本命はあれを元にして作られるっちゅうⅦ(セブン)ちゅう話やったか、言えばそっちはそれのひな形っちゅうもんで、ほんまに過渡期のもんかも知れへんしな? ま、どないにしろおのれらが気にすることはあらへんが」

 いよいよ顔つきが暗くなる新人たちに、しかしながらコッバスは今日一番の真顔となってさらなる質問を浴びせかけてくる。

「おう、それじゃ最後の質問や! ちゃんと答えい、これが一番大事な質問やさかい。そうやつまりはおのれらの自身のことや。あんまり期待はせんで聞いてやるから正直にの。ん、おのれら、パイロットとしての腕前は、どのくらいのもんなんや? スコアは? ひょっとして星のひとつくらは持っとるんか??」

 スコア、いわゆる戦績について聞かれて二人は押し黙る。
 答えずらそうなケンスに、視線を完全に逸らしてしまうコルクだった。毛むくじゃらの相棒が完全に黙秘を決め込むのに仕方なしに坊主頭の新人が答える。

「あの、正直、俺は大したことは……! まともな実戦に出たのが都合三回、記憶では五回くらいのはずだったんですが、その中でかろうじて敵機を小破と中破したのが一回か二回くらいで、撃墜マークまでは……」

 敵機を大破、つまりは撃破した者に与えられる撃墜マークをそのカタチからズバリ〝星〟と呼び、それの過多こそがパイロット自身の経歴や腕前の善し悪しを推し計る上で一番の指標となるものだった。ちなみにこのカウント自体はアーマーがコクピットに内蔵する各種計器類がその場の状況から厳密に演算した中で算出されたものなので、およそ虚偽虚飾ができない軍の最高機密情報となる。機体の肩に赤い星印を付けるのはパイロットたちのあこがれであり、誇りでもあった。

 顔色のすぐれない部下の言葉に、ふうんと大きな耳をそばだてて聞くコッバスはやがてもうひとりの部下の横顔に目を向ける。

「そうか。しっかしまだ高校も出ておらへんのにうかつに徴兵されてもうたジャリにしては上出来やろ? これまでちゃんと命があっただけ! 普通は生き残られへんぞ、そんで、そっちのもう一方のジャリは、どないなもんなんや??」

 この話題になってから露骨に腰が引けている部下にこちらもさしたる期待はできないものかと思いきや、横から意外な注釈が入る。これに立てた耳がどちらもピンと前後に振れる上官だ。

「いやコイツは、コルクは優秀ですよ? おっかない教官どのたちからも一目置かれるほどにビーグルを自在に操ってましたから! 特に走りにかけては誰も追いつけないってくらいに! ホシだって初めての実戦でいきなりふたつ、その後にもひとつで、もう三つも持ってるもんなあ?」

「う、うん……いや、あの、うん……」

 まるでさえない顔つきの毛むくじゃらに、凜々しい顔つきの上官は驚きに目をまん丸くして食いついてくる。

「初陣で?? おいおい、マジか! 昨日今日軍隊に入ったばっかりのどシロートが、いきなり星を三つって、ビギナーズラックどころかエースやんけ!! あの新型はまだピカピカやったから実戦なんぞろくすっぽ未経験で、ノーマルのファイブでのことやろ? ちゅうことはただのまぐれとも言い切れへんわけや!!」

「い、いえ、そんなっ……おれは、ただ……仕方なしに」

 感嘆符がいくつも入り交じった驚きのセリフにだが言われる側のコルクはなおのこと顔つきを暗くして下を向いてしまう。
 たどたどしい口ぶりで一言二言だけ返すのをやや怪訝に見るコッバスはやがてその見た目の通りにナイーブな青年の胸の内を察する。

「はあん、褒められたところであんまり誇る気持ちになれへんちゅうわけか? およそパイロットには向いておらんの! おう、だがよう聞けよ、わしら軍人は殺人者じゃあらへん。わかるやろ? ホシの数はひとを殺した数じゃのうて、国を守るために、大事な家族や友人を守るために命を危険にさらした勇気と根性の何よりの証(あかし)じゃ! 誇るべき勲章やろ。おのれらそこをはき違えるなよ?」

 そうでなければ戦場を生き残ることはできないと断言する上官に、ふたりの新人パイロットは神妙な顔でただ黙って聞いていた。この時には無言も応答になるくらいに互いの関係性を築けていたのか。 
 果たしてみずからの言わんとすることは伝わったと了解するコッバス隊長どのだ。これにてミーティングのお開きを宣言する。

「ようわかったわ。それじゃあこれまでや。これにて解散、来て早々だが明日には出撃命令が出るやろうさかい、各自十分な休養を取るんやぞ。部屋は入り口におった守衛に聞けば専用のキーをくれる。そこにある番号がおのれらにあてがわれた部屋の場所や。すぐにわかるやろ。ほなまた明日な、解散!」

 有無を言わさず話を切り上げるコッバスはみずから席を立って敬礼。これに反射的にふたりの新人たちも立ち上がって敬礼!

「はいっ、ありがとうございました! 中尉どの!!」

「よ、よろしくお願いしますっ、どんっ、中尉どの……!」

 ところどころ暗雲めいたものが立ちこめながらも比較的平和裏に終わったミーティングだ。毛むくじゃらの犬族のコルクはようやくほっと胸をなで下ろして、立ち去っていく上官どのの背中を見送る。

 食べ終わった食器のトレーを部下に任せずみずから運んで片付けるのをなんだかひどく意外げに見てしまうが、ああやって始末するんだとみずからも自分のトレーを持ち上げる。

 これから先への期待と不安が入り交じるが、正直、嫌な予感があったりはした。
 それは同僚のケンスも同様であったのだろう。
 その場に立ち上がったきりで一瞬、どちらも浮かない表情を自然と見合わせてしまうのだ。
 この時、本来は言わなければいけないはずのことを言えずじまいで終わってしまった気まずさが胸の内にどちらもくすぶる。

 そしてふたりの予感は早くもこの翌日、まさしく現実のものとなってその身に降りかかることとなるのだった。 

 
     →次回、パート3に続く……!



 

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モデルありきの「寄せキャラ」をメインにしたスピンオフの劇中に登場するメカニックデザインの作製課程を公開(^^)/

 本編では主人公が所属するルマニア軍において最も一般的な戦闘ロボ、人呼んでギガ・アーマーの主力となるのがビーグルⅤなのですが、こちらではこれと並んで新規開発となる新型機、「ビーグルⅥ」のデザインも敢行します。

 おかげでノベルが進みません(^^;)

 おおよそのぼんやりしたイメージをグチャグチャながらに描いてみました。

 これを元にしてちょっとずつイメージを固めていきます。

 成功するかはぶっちゃけ50:50ですね(^^)

 機体のコンセプトはおおよぞで決まっているので、それに合わせるカタチで肉付けをしていきます。

 ちょっとビミョーですかね?

 さらに描き込んでイメージを固めてみました。

 う~ん…?

記事は随時に更新されます。